ミーターズのセッション仕事。 ミーターズのセッション仕事。

ミーターズのセッション仕事。

ニューオーリンズ・ファンクといえばミーターズ! アラン・トゥーサンが興したサンス・レコーズのスタジオお抱えバンドが彼らの母体である。そしてミーターズという名前で活動を始めたあとも、アランのプロデュース作品では彼らがバックを務めることも少なくはなかった。ステディに刻むレオ・ノセンテリのカッティングは、ファンクはもちろん、歌伴にもピッタリなのだ!!

文/選曲=編集部 Photo by Michael Putland/Getty Images


今回はファンク・バンドとしてのミーターズではなく、“ニューオーリンズ・サウンドに欠かせなかった職人集団”としての仕事に迫っていきたい。

2019年に惜しくも亡くなってしまったアート・ネヴィル(vo,k)を中心に、アート・ネヴィル&ザ・ネヴィル・サウンズとして活動を始め、アラン・トゥーサンらが興したサンス・レコーズのお抱えバンドとして多くのセッションに参加した彼ら。これが母体となってミーターズは始まった。

発足当時のメンバーはアート、ジョージ・ポーターJr.(b)、ジョー・“ジガブー”・モデリスト(d)、そしてギターのレオ・ノセンテリ。自身の活動と並行して、ニューオーリンズの顔役=アラン・トゥーサンがプロデュースを手がける作品では高い頻度でバックを務めた。

まずはなんと言っても、ラベルの大ヒット曲「レディー・マーマレイド」だろう。シンプルな単音リフとカッティングで楽曲をひっそりと支えるが、サビでは歌の隙間でダブル・ストップのオブリを入れる。この一瞬のシンプルなオブリ、本曲を口ずさむ時にメロディのひとつとして歌ってしまう人も多いはず。最小限の動きで最大限の効果、レオの職人っぷりが垣間見れる好例だ。

ロバート・パーマー「Sneakin’ Sally Through The Alley」はアラン楽曲で、ミーターズにローウェル・ジョージのギターが加わった最強編成! 右Chで聴こえるレオのブルージィな音運びでのグルーヴィなバッキング、左Chのローウェルらしい金属的なサウンドのスライドを織り交ぜたプレイ、なんでこんなに相性が良いのか……!

ブロウニング・ブライアントのセルフ・タイトル作は全篇ミーターズ・バック、アラン・プロデュースの1枚。その中でも有名な「リヴァプール・フール」は、レオのカッティングのグルーヴがたっぷりと楽しめる名曲だ。瑞々しいサウンドでステディに刻む彼のプレイこそ、まさにニューオーリンズ・サウンド!

どれも“ミーターズ feat.〜〜”に聴こえてしまう、彼ららしさが強いセッション仕事の数々。いやぁ、ブレないなぁ。

余談だが、ミーターズは76年にローリング・ストーンズの前座を務める。本記事に掲載したレオの写真は、当時のステージの模様で、ロンドン公演時のもの。手にしているのは、フェンダーの70年代製テレキャスター・カスタムだ。

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Leo Nocentelli
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