ソニック・ユース時代のサーストン・ムーアを表紙にしたギター・マガジン2021年4月号では、ダイナソーJr.、スマッシング・パンプキンズ、パール・ジャム、サウンドガーデンといった90年代アメリカのグランジ/オルタナティブ・バンドにフォーカス。その特集内で登場したバンドの楽曲の一部をプレイリストにしました。ぜひ、本誌と併せてお楽しみ下さい。
文・選曲=小林弘昂 Photo by Gie Knaeps/Getty Images
今からちょうど30年前の1991年は、ダイナソーJr.『Green Mind』、スマッシング・パンプキンズ『Gish』、パール・ジャム『Ten』、サウンドガーデン『Badmotorfinger』、そしてニルヴァーナ『Nevermind』といったグランジ/オルタナを代表する超名盤がリリースされた、まさにオルタナ元年とも言える年。この機会に改めて90年代USオルタナティブ・バンドの魅力を見つめ直そうと、本誌では巻頭特集を実施しました。
彼らの特徴は、なんといっても“歪みサウンド”でしょう。当時流行していたゴージャスなラック機材とは真逆のコンパクト・エフェクターや、見向きもされていなかったジャズマスターやジャガーといったギターを手にし、まさに十人十色のオリジナル・サウンドを生み出しました。もちろん、マーシャルJCM800やメサ・ブギーのDual Rectifierといった真空管アンプをドライブさせてヘヴィな音像を作り上げたギタリストもたくさんいます。
さらに、この時期からダウン・チューニング/変則チューニングが一般的になってきたようにも思います。ソニック・ユースのサーストン・ムーアとリー・ラナルドは言わずもがな、ペイヴメントのスティーヴン・マルクマスやサウンドガーデンのキム・セイルもオリジナルのチューニングを駆使して独自の世界観を築き上げました。メルヴィンズのバズ・オズボーンやカート・コバーンもダウン・チューニングを多用していましたよね。パール・ジャムのマイク・マクレディとストーン・ゴッサードはオープン・チューニングでブルージィなテイストを持ち込んだり。逆にダイナソーJr.のJ・マスキスはカポを多用して、メランコリックなコード・ワークを追求していきましたけど。
そんなオリジナリティ溢れるオルタナ・ギタリストを“これでもか!”と特集した本誌と連動し、特集内で登場したアルバムや楽曲から50曲分をセレクトしてプレイリストにしました! 誌面を読みながらこのプレイリストを聴いてみて下さい。
『ギター・マガジン2021年4月号』
特集:90年代オルタナ革命
3月13日(土)発売のギター・マガジン2021年4月号は、90年代のUSオルタナティブ・ギタリストを特集。ソニック・ユース、ダイナソーJr.、スマッシング・パンプキンズといった豪華面々の90年代当時のインタビュー集や、吉野寿(eastern youth)と向井秀徳(ZAZEN BOYS/NUMBER GIRL)によるオルタナ対談なども掲載!