『あなたの知らないアコースティック弦楽器の世界』第2回by 高田漣 『あなたの知らないアコースティック弦楽器の世界』第2回by 高田漣

『あなたの知らないアコースティック弦楽器の世界』第2回
by 高田漣

マルチ弦楽器奏者の高田漣を講師に招き、マンドリン、バンジョー、ウクレレ、ラップ・スティールといったギター以外の弦楽器を学んでいくこの連載。前回は各楽器のチューニングについて学びました。今回は、おそらくギターの次にユーザーが多いと思われるウクレレです。ギター弾きであれば、チューニングさえ合わせればすぐに弾けるようになるはず。これを取っ掛かりにウクレレにチャレンジしてみましょう。

文:高田漣 写真:八島崇


第2回:ウクレレを弾いてみよう!

 昨今の巣篭もり需要の影響で、新たにウクレレを始める方が増えているというニュースを先日拝見しました。不思議と日本では何年かに一度の周期でウクレレ・ブームが起こりますね。その理由の一端は後述するとして、ギター弾きにとって親和性の高いウクレレは何としてもマスターしたい弦楽器のひとつであると思われます。

 最近でいうと2年連続でグラミーを受賞したビリー・アイリッシュは自身のシグネチャー・モデルをフェンダーから発売するほどのウクレレ弾きですが、そもそもウクレレが彼女の弾き語りのきっかけであり、重要な作曲のツールだとも語っています。

 過去を例にすればジョージ・ハリソンは無類のウクレレ好きとして知られ、ビートルズ時代の名曲「サムシング」(Ex-1)はウクレレで作曲されたのは周知の事実です。そのジョージの追悼コンサートの模様を収めた『コンサート・フォー・ジョージ』では、ポール・マッカートニーがジョージとウクレレのエピソードを語りつつ、「サムシング」をスウィング気味なウクレレ弾き語りによって歌い出し、あのギター・ソロのパートから従来の8ビートの曲調に戻すというとても感動的な演出をしていました。

 このネタはポールのお気に入りらしく、その後も何度も披露されています。しかし、このリズムで弾くと何てウクレレ向きな曲なのでしょうか、「サムシング」のお里が垣間見えますね。ちなみにこのライブのラストは、ジョージをウクレレ・マニアに駆り立てたジョー・ブラウンのウクレレでの「アイル シー ユー イン マイ ドリームズ(I’ll See You In My Dreams)」で大団円を迎えます。

「サムシング」のコード進行

続きはアコースティック・ギター・マガジン2021年6月号、Vol.88をご覧下さい!

高田漣 Profile

1973年生まれ。2002年、アルバム『LULLABY』でソロ・デビュー。現在まで7枚のオリジナル・アルバムをリリース。自身のの活動と並行して、他アーティストのアレンジ及びプロデュース、映画、ドラマ、舞台、CM音楽を多数担当。ギターだけでなく、ペダル・スティール、ウクレレ、マンドリンとさまざまな弦楽器を操る。父はフォーク・シンガーの高田渡。

公式サイト:https://rentakada.com/

アコースティック・ギター・マガジン
2021年6月号 Vol.88

本記事はアコースティック・ギター・マガジンVol.84で始まった新連載と連動したものです。本編は本誌をご覧下さい。