『FOREVER DAZE』
RADWIMPS
Guitar:野田洋次郎(vo,g,piano)、桑原彰(g)
独自の世界観を描く圧巻のミクスチャー・センス
3年振りとなる通算10枚目のオリジナル・アルバム。
疾走感溢れる「桃源郷」から、ディープなトラップ・ナンバー「匿名希望」まで、卓越したミクスチャー・センスが光る作品となっている。
「夏のせい」のラストに聴けるギター・ソロも感動的だ。
『Crank Up』
ストレイテナー
Guitar:ホリエアツシ(vo,g,k)、大山純(g)
切なさを倍加させる静と動のコントラスト
日本のギター・ロック・シーンを牽引し続ける4人組バンドが5thミニ・アルバムをリリース。
「流星群」を筆頭に、静と動のコントラストの効いたアレンジが素晴らしい。切ない歌詞の世界観をドライブ感のあるバンド・アンサンブルが巧みに演出する一作だ。
「群像劇」のハネたギターもエモい!
『egomaniac feedback』
TK from 凛として時雨
Guitar:TK(vo,g,b,piano)
狂気を孕むカオティックなサウンド・スケープ
凛として時雨のフロントマンとして知られるTKが、ソロ活動10周年の節目に2枚組ベスト・アルバムを発表。
カオティックなサウンドが、緻密かつ広がりのあるアンビバレントな音世界を描く作品だ。
「unravel」など、静謐さと狂気の同居したギターも強烈な存在感を放つ。
『Go back to yesterday!』
THE PREDATORS
Guitar:山中さわお(vo,g)
疾走感に溢れる弩級のロック・ビート
the pillowsの山中さわお、GLAYのJIRO、ELLEGARDENの高橋宏貴からなる3ピース・バンドの最新作。
オルタナ感全開の「Gimmick!」など、骨太のドライブ感を放つギターがニクい。
小編成を忘れさせるような弩級のロック・ビートが痛快な作品だ。
『心理』
折坂悠太
Guitar:折坂悠太(vo,g)、山内弘太(g)
ポップとアヴァンギャルドが交錯する摩訶不思議な世界
シンガーソングライター、折坂悠太の3rdアルバム。
京都在住のバンド・メンバーを迎えたアコースティカルな作品で、まず民謡風の朴訥とした歌い口に耳を奪われる。
基本的にはポップ路線だが、時折70年代キング・クリムゾンのような混沌とした世界に誘われる不思議なアルバム。
『SEIKO MATSUDA 2021』
松田聖子
Guitar:佐々木秀尚、坪井寛、石成正人、平田崇(g)
ファンキーなカッティングが煌く新曲群
セルフ・カバーと新曲で構成され、昨年のデビュー40周年記念アルバムの続編として制作された本作。
セルフ・カバーはオリジナルに忠実なアレンジで、サウンドがブラッシュアップされている。新曲はファンキーなカッティング・ナンバーが中心。
新曲4曲の作詞作曲は松田聖子自身によるもの。
『DOOM』
家主
Guitar:谷江俊岳/田中ヤコブ(vo,g)
ライティングの才が光るオルタナティブな世界観
星野源やKIRINJIなど、各方面から賞賛を集める4人組ロック・バンドの2ndフル。
冒頭曲「近づく」から、ヘヴィなロック・グルーヴと透明感のある歌声のコントラストが唯一無二のオルタナティブな世界観を描いていく。交錯するギターの掛け合いで描かれる同曲のソロも実に秀逸。
『ギター』
ハンブレッダーズ
Guitar:ムツムロアキラ(vo,g)
閉塞感を打ち破るキャッチーなメロディ
“ネバーエンディング思春期”を掲げる3人組ロック・バンドの2ndフル。
閉塞感を打ち破るようなキャッチーな歌メロと、エモーショナルなバンド感に満ちた作品だ。
耳に残るメロディックなギター・リフもナイスだが、「COLORS」の激情そのままにプレイされるソロも熱い!
『The Atlas Underground Fire』
トム・モレロ
Guitar:トム・モレロ(g)、他
レジェンド・ギタリストによる至高のギター・リフ
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストによる2ndソロ作。
ブルース・スプリングスティーン、エディ・ヴェダー、ダミアン・マーリーなど、ジャンルを超えた12組の豪華ゲストが参加。
レイジ感満載な「Let’s Get The Party Started(featuring Bring Me The Horizon)」のリフに圧倒される。
『夜にしがみついて、朝で溶かして』
クリープハイプ
Guitar:尾崎世界観(vo,g)、小川幸慈(g)
歌詞世界に寄り添う巧みなギター・アレンジ
作家としても活躍する尾崎世界観を中心とした4人組ロック・バンドの6thフル。
歌の情緒に寄り添うようなギター・アレンジが絶妙で、アクの強い歌詞世界を情感豊かに描き出していく。
ワウを活用した「ナイトオンザプラネット」のメロウなリフや「モノマネ」の音響感もグッド!
『イン・プレイン・サイト』
ニール・フランシス
Guitar:ケレン・ボースマ(g)、デレク・トラックス(g)
70年代フィールの温かみのあるピアノ・ロック
ドクター・ジョンやアラン・トゥーサンとも比較されるシカゴのSSW/ピアニスト、ニール・フランシスの2ndアルバム。
70年代フィールに満ちた柔らかく温かみのあるピアノ・ロック・アルバムで、「キャント・ストップ・ザ・レイン」にはデレク・トラックスがスライド・ギターで客演している。
『Red Thanks』
三宅伸治 & The Red Rocks
Guitar:三宅伸治(vo,g)、ウルフルケイスケ(g)
痛快でパンチのあるロックン・ソウル
今年、結成されたThe Red Rocksと三宅伸治による痛快なロックン・ソウル・アルバム。
元気にコロナ禍をぶっ飛ばそう!という熱い思いがこめられた気迫溢れる演奏で、コロナ下のバンドマンの思いを吐露した歌詞の楽曲も。
早く普通にライブができるようになりますように!
『オープン・ロード』
コリン・ジェイムス
Guitar:コリン・ジェイムス(vo,g)
カナダが誇るベテラン・ブルース・ギタリストの最新作
数々の音楽賞を受賞してきたカナダのブルース・ギタリスト、コリン・ジェイムス。本作は記念すべき20作目。
ブルース・オリエンテッドの自作曲を中心に、マジック・サムやボブ・ディランのカバーを安定感のあるボーカル・ギターで聴かせる。レス・ポール系の甘いトーンが特徴。
『クリス・ワイリー』
クリス・ワイリー
Guitar:クリス・ワイリー(vo,g)
確かなブルース・ギター・プレイと美声の持ち主
米カリフォルニア州出身のブルース・ギター・ウーマン、クリス・ワイリーの22年ぶりとなるニュー・アルバム。
パワフルなブルース・ロック・アルバムで、セリーヌ・ディオンのような張りのある美声と、ジミ・ヘンドリックスばりの流麗でアグレッシブなストラト・トーンが魅力だ。
『魔界美術館』
Damian Hamada’s Creatures
Guitar:大地“ラスプーチン”髙木/秀貴“ジル”栗谷(g)
おどろおどろしくも美しいダミアン・ワールド炸裂!
聖飢魔IIの創始者、地獄の大魔王ダミアン浜田陛下が地球デビューして1年。早くも第III聖典が届けられた。
初期聖飢魔IIの世界観そのままの、おどろおどろしくも美しいダミアン・ワールドが炸裂。華やかなツイン・ギター、めくるめく美旋律の嵐。信者のマスト・アイテム。
『インサイド・エブリ・フィグ・イズ・ア・デッド・ワスプ』
ルナ・バケーション
Guitar:グレース・レパスキー(vo,g)、マギー・ギースリン(vo,g)
サーフ・ロックみたいに荒々しくない“プール・ロック”
グループラヴのダニエル・グリーソンがプロデュースする、ジョージア州出身のギター・ポップ・バンド。
自らの音楽を“プール・ロック”と呼ぶ彼らの9枚目のアルバムは、メロディアスなギター、躍動感のあるリズム、儚くも魅力的なボーカルを携えるギター・ポップになっている。
※本記事はギター・マガジン2021年12月号にも掲載されています。