次世代のスライド・マエストロとして注目を集めるアリエル・ポーゼン。ブルース、ジャズ、カントリー、クレズマーなど、様々なスタイルの音楽に触れてきた彼だが、あえて2枚という制限を設けて“スライド・プレイで影響を受けた作品は?”という質問をぶつけてみた。
インタビュー/翻訳=トミー・モリー 文=福崎敬太
『All Things Must Pass』(1970)
George Harrison
ジョージはスライドを自分の声として扱っている
アリエル 2枚だけ選ぶなんてとても難しいよね。でもスライドっていう観点で選ぶとなると……ジョージ・ハリソンの『All Things Must Pass』を選ぶかな。彼はスライドを音楽的なツールとして取り入れた先駆者と表現しても良いと思うね。スライドってどうしても真新しいトリックのように扱われがちだけど、ジョージはスライドを自分の声として扱っている。このアルバムで、彼は自分の声を手に入れたと思っているよ。
『In Good We Trust』(2007)
Harry Manx & Kevin Breit
オープンチューニングを開拓するうえで参考になった
アリエル もう1枚はカナダ人の2人組によるものでハリー・マンクス&ケヴィン・ブライトの『In Good We Trust』だ。ケヴィンは僕の大好きなスライド・プレイヤーの1人で、オープンチューニングを開拓するうえで参考になった人だし、けっこうモダンなプレイでとても大きな影響を与えてくれた。でもこの質問ってほんとにタフなものだよね。僕はライ・クーダー、ローウェル・ジョージ、ボニー・レイットなんかにも影響を受けたし、デレック・トラックスの大ファンでもあるからさ。
作品データ
『Mile End』
Ariel Posen
輸入盤/2021年10月1日リリース
―Track List―
01. Begin Again
02. Tumble Away
03. After The Rain
04. One Oh One
05. Royal
06. Clawhammer
07. Borrowed Time
08. Day 17
09. Four Corners
10. Backseat Driver
11. Mile End
―Guitarist―
アリエル・ポーゼン