『Still Dreamin’』
布袋寅泰
【参加クレジット】
布袋寅泰(vo,g)、黒田晃年(g)、井上富雄(b)、古田たかし(d)、伊澤一葉(k)、他
【曲目】
①Still Dreamin’
②Do You Wanna Dance?
③Let’s Go
④Starlight
⑤コキア
⑥オペラ
⑦Pegasus (Album version)
⑧理由
⑨Rock & Soul Music
⑩Pure
⑪世界は夢を見ている
⑫10年前の今日のこと(Album version)
60年間の人生が集約された正真正銘のギター・アルバム
60歳の誕生日という記念すべき日にリリースされる通算20枚目のオリジナル・アルバムは、常に自分自身と戦い、夢を追いかけ続けた布袋が自身のキャリアを総括したような充実の内容になっている。
BOØWYの楽曲を連想させるメロディアスな「Still Dreamin’」、ポスト・パンクの硬質なカッティングが響く「Do You Wanna Dance?」、アコースティック・ギターで温かく包む「コキア」、P-FUNK調のファンキーな「Rock & Soul Music」などなど、すべての楽曲で明確なサウンド・コンセプトがあり、ギターはそれぞれで違った表情を見せる。まさに正真正銘のギター・アルバムだ。
ポップもストレンジもごちゃ混ぜに、王道も異端も同列に扱うそのプレイや作曲能力はやはり唯一無二。ギター・ミュージックが聴かれない世の中になって久しいが、ぜひとも布袋の人生が凝縮された本作を手に取り、ギターの表現力の幅広さや、音色の素晴らしさを改めて感じてみてほしい。
(小林弘昂)
『ザ・ボーイ・ネームド・イフ』
エルヴィス・コステロ
【参加クレジット】
エルヴィス・コステロ(vo,g)、デイヴィ・ファラガー(b)、ピート・トーマス(d)、スティーヴ・ナイ―ヴ(k)、他
【曲目】
①フェアウェル、OK
②ザ・ボーイ・ネームド・イフ
③ペネロピー・ヘイプニー
④ザ・ディファレンス
⑤ホワット・イフ・アイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング・バット・ラヴ
⑥ペイント・ザ・レッド・ローズ・ブルー
⑦ミストゥック・ミー・フォー・ア・フレンド
⑧マイ・モスト・ビューティフル・ミステイク
⑨マグニフィセント・ハート
⑩ザ・マン・ユー・ラヴ・トゥ・ヘイト
⑪ザ・デス・オブ・マジック・シンキング
⑫トリック・アウト・ザ・トゥルース
⑬ミスター・クレッセント
⑭トゥルース・ドラッグ
ジ・インポスターズのエネルギッシュな演奏とコステロのポスト・パンク・ギターが激突!
3年ぶりに頼りになる相棒たち=ジ・インポスターズと作った最新アルバム。王道のロックを求めるファンの期待に応えつつ、御年67歳とは思えないアグレッシブさが聴きどころだろう。
60’sを思わせるロックンロールやポップスのスタイルを借りて円熟したメロディの魅力を味わわせる一方で、コンボ・オルガンや電気ピアノを奏でるスティーヴ・ナイーヴら、インポスターズの3人とコステロが互角にぶつかり合う演奏はちょっと耳に痛いくらいだ。
強いアタックで鳴らすコードとフレーズにフリーキーなソロ――アンサンブルの一部に徹しながら、思いっきり歪ませたコステロのギター・プレイはポスト・パンクという言葉がふさわしい。
ニコール・アトキンスとデュエットしたポップ・ソウルの「マイ・モスト・ビューティフル・ミステイク」、オールディーズなバラードの「ミスター・クレッセント」では、サーフ・ミュージックを思わせるリバーブ・サウンドも鳴る。
(山口智男)
『TIME』
Yoshito Tanaka
【参加クレジット】
Yoshito Tanaka(g,etc)【ゲスト】DURAN(g,vo)、さかいゆう/スガ シカオ/中沢ノブヨシ/池田春(vo)、Mummy-D(MC)、DJ IZOH(DJ)、大神田智彦(b)、タケウチカズタケ(k)、他
【曲目】
①Time Traveler
②Bxxxh Perfect feat. Mummy-D(RHYMESTER)
③Interlude to Smells
④Smells feat. Suga Shikao
⑤Okay feat. DURAN
⑥Timeless feat. Nobuyoshi Nakazawa
⑦Time Goes By
⑧Hello feat. Haru Ikeda
⑨Interlude to Rain
⑩Rain feat. Yu Sakai
⑪Old Letter
珠玉のシングルコイル・サウンド
約8年ぶりとなる渾身の2ndフル
日本屈指の腕利きスタジオ・ギタリストで、プロデューサー/コンポーザーとしても活躍する田中義人の2ndフル作。さかいゆう、スガ シカオら豪華ボーカル陣とのコラボも見逃せないが、田中自身の手によるインストゥルメンタル・トラックの完成度も凄まじい。
クリスピーかつ流麗なアルペジオから始まり、ソウルフルなカッティングが合わさり極上のサウンド・スケープが目の前に広がる①、90年代ヒップホップを感じさせるトラックの上で美メロなソロが映える⑦、DURANとのブルージィなツイン・ギターのレイヤード感に魅せられる⑤……、どれもキャビネットのコーンの振動までが鼓膜に伝わってくるような繊細さと、迫力を合わせ持ったサウンドに仕上がっている。特に⑧の終盤で聴くことのできる、付点8分ディレイを掛け合わせたソロのぶっ飛び具合には思わずため息。
ギタリストだけではなく、最新のサウンドを追う聴き手へお薦めしたいヒップな1枚である。
(伊藤雅景)
『インヴァイオレット』
スティーヴ・ヴァイ
【参加クレジット】
スティーヴ・ヴァイ(g)、ビリー・シーン/ブライアン・ベラ―/フィリップ・バイノー/ヘンリック・リンダー(b)、ヴィニー・カリウタ/ジェレミー・コルソン/テリー・ボジオ(d)、デイヴィッド・ローゼンタール(k)
【曲目】
①ティース・オブ・ザ・ハイドラ
②ゼウス・イン・チェインズ
③リトル・プリティ
④キャンドルパワー
⑤アポロ・イン・カラー
⑥アヴァランチャ
⑦グリーニッシュ・ブルーズ
⑧ナップサック
⑨サンドマン・クラウド・ミスト
⑩スワンプ・フェアリーズ (日本盤限定ボーナス・トラック)
“とても「ヴァイ的」だよね”と本人が語る10年ぶりの書き下ろしインスト・アルバム
未発表曲で構成された前作『モダン・プリミティヴ』から6年、書き下ろしのオリジナル・アルバムとしては『ザ・ストーリー・オブ・ライト』以来10年ぶりとなる新作。
右肩の手術とコロナ禍を経て発表された本作は、全体を貫くコンセプトやストーリーといった要素を排し、ステージで披露する意欲を重視して制作されたインストゥルメンタル・アルバムだ。
2021年の先行動画配信でインパクトを与えた⑧は、手術後に左手一本で演奏された異色作。2020年配信の④では、ヴァイ自身が“ジョイント・シフティング”と名付けた、浮遊感あふれるチョーキングの複合テクニックを披露している。
またアルバムでは④で、テリー・ボジオによる新録ドラム・トラックを採用。ドラマーはほかに、同じくザッパ・ファミリーのヴィニー・カリウタと、ツアー・メンバーでお馴染みのジェレミー・コルソンが参加している。
日本盤にはボーナス・トラックとしてインストの小曲⑩を収録。
(堀沢俊樹)
『バーン』
ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース
Guitar:ニール・ヤング(vo,g,p,harmonica)、ニルス・ロフグレン(g,p,accordion,vo)
ロッキー山脈の古い納屋で制作されたクレイジー・ホースとの新作
2021年の夏、満月の下、ロッキー山脈の高地にある古い納屋に集まって制作されたというニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホースの最新作。
粗雑でタフなロックンロール・ナンバーでは荒々しく豪快にエレキ・ギターを掻き鳴らし、素朴な曲ではアコースティック・ギターで柔らかにストローク。
ラフで生々しさを感じる骨太なロック・アルバムだ。
(関口真一郎)
『ハッピーエンドへの期待は』
マカロニえんぴつ
Guitar:はっとり(vo,g)、田辺由明(g)
“マカロック”を凝縮した会心のメジャー1stフル
今や飛ぶ鳥を落とす勢いで活動の幅を広げているマカロニえんぴつの1stフル。
今作は彼らの得意とするポップな楽曲以外にも、怒涛のストリングス群と絡み合うギター・ソロが印象的な「メレンゲ」、ハードロック臭を前面に打ち出した遊び心満載の「TONTTU」など、往年のロック・サウンドを感じさせるアレンジが聴けるのも面白い。
(伊藤雅景)
『Hell on Church Street』
Punch Brothers
Guitar:クリス・エルドリッジ(g)、ノーム・ピルクニー(banjo)、クリス・シーリー(mandolin,vo)
トニー・ライスへ敬意を込めて技巧派アメリカーナ・バンドが再構築
トニー・ライスの『Church Street Blues』を全曲演奏するというオマージュ作。
ソロ・ギターの原曲をバンドで再構築していく中で、拍子を変更したり、フリー・インプロヴァイズを導入したりと、多岐にわたる冒険心を露わにした。
ストレートなブルーグラス・チューン「Cattle In The Cane」でのギターとバンジョーによるウルトラC難度のユニゾンに唖然!
(久保木靖)
『Cとし生けるもの』
リーガルリリー
Guitar:たかはしほのか(vo,g)
2ndフルでさらに磨き抜かれたオルタナ・サウンドの宇宙
前作『bedtime story』以来、約2年ぶりとなるリーガルリリーの2ndフル・アルバム。
たかはしほのかの痺れるようなオルタナ・ギターの音像が強烈で、「中央線」〜「東京」の流れやアニメ・タイアップ曲「アルケミラ」など、アルバムの随所で雄大な音の宇宙を描き出す。
心の奥底にもイメージの果てにも手を伸ばす、3ピース・ロックの自由度の結晶。
(高橋智樹)
『慈愚挫愚 参 -夢幻-』
-真天地開闢集団-ジグザグ
Guitar:命-mikoto-(vo,g)
ポピュラリティとマニアックさを高次元で融合させた3作目
独自の世界観と優れた音楽性を合わせ持った-真天地開闢集団-ジグザグの3rdアルバム。
洗練感をまとった楽曲を核としながら意表を突く場面転換が心地良い「タガタメ」や、攻撃的な「死神」などを配した上質かつ多彩な内容が光る。
「コノハ」のテクニカルなギター・ソロ、各曲の細やかな音色の使い分けなど、ギターの聴きどころが多いことも魅力。
(村上孝之)
『ジャスト・ピープル/ミッドナイト・ソーツ』
ジェーウェスタン
Guitar:ジョン・グッディング(vo,g)
クリーンの浮遊感が心地良いUKシーンの次世代SSW/ギタリスト
トム・ミッシュからも影響を受けたというUKの若きSSW/ギタリストがこれまで配信リリースした2作のEPを1枚にまとめた国内限定フィジカル盤。
打ち込みのビートとタイトなベースを軸に、ギターは空間系たっぷりのドリーミーな白玉クリーンが心地良い。そうした魅力が詰め込まれ、単音のリフもクールな「Aspirin」がイチオシ。
(田中雄大)
『ブロックウェル・ミックステープ』
エド・ブラック
Guitar:エド・ブラック(g, etc.)
サウス・ロンドンのプロデューサーによるメロウでソウルフルな楽曲の数々
トム・ミッシュやジェイミー・アイザックなどを輩出するサウス・ロンドンのプロデューサー/トラックメーカーによる待望の1st。
キャリー・バクスターやミラー・ブルーら気鋭のゲストを迎えて制作されたのは、メロウでグルーヴィな楽曲の数々。
クランチ気味の音色で控えめにリズムを刻むギターがアンサンブルの隠し味となっている。
(黒田隆憲)
『なんだかもう泣けてきて』
PhatSlimNevaeh
Guitar:ロク(vo,g)、同道公祐(g)
藤川千愛、“ロク”として新バンド結成! 今こそ強く時代に刻むロックの存在証明
2021年コロナ禍の最中、シンガーソングライター・藤川千愛が“ロク”として新たに始動させたロック・バンド=PhatSlimNeveah。
ロク&同道公祐のエモーショナルなギター・アンサンブル越しに、「ついてない」、「おままごと」など焦燥と悲哀と生き辛さを突き上げる楽曲群が強く胸に響く。
2020年代におけるブルースとロックの存在証明的作品とも言えるかも。
(高橋智樹)
『狂言』
Ado
Guitar:Koji Shinnai(g)、他
話題の歌い手が放つ強烈な存在感
「うっせぇわ」で社会現象を巻き起こした歌い手・Adoの1stフル。
スウィンギンな「レディメイド」、トラップ調の「踊」など、多彩な楽曲を歌いこなすボーカルの存在感が凄まじい。
「FREEDOM」のロックンロール・リフは、強烈な歌声をさらに引き立てるナイス・アレンジ。
『Sugarless Ⅲ』
スガ シカオ
Guitar:スガ シカオ(vo,g,b,p,k)、松本孝弘/小倉博和(g)
ソウルフルな円熟味と鋭いファンクネス
今年デビュー25周年を迎えるスガ シカオの最新作。
ソウルフルな「ヒカルカケラ」、松本孝弘プロデュースの「Real Face」など、提供曲のセルフ・カバーも収録されている。
スガ流ファンク節も全開だが、 再録された「Progress」のイントロ・リフはやっぱり感動的!
『ジ・エイリアン・コースト』
セント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズ
Guitar:ブロウアン・ローラー(g)
ギター・オリエンテッドなソウルの現在形
米国の8人組ソウル・バンドの新作。
甘く情熱的なファルセット・ボーカルを支えるのはクランチ・サウンドを基本としたギター・ワーク。
派手なソロはないものの、サイケデリックな効果を上げる「Minotaur」や、ディスコ・リズムを刻む「The Last Dance」につい耳が吸い寄せられてしまう。
『30』
UVERworld
Guitar:彰/克哉(g)
エモーショナルかつ洗練されたツイン・ギター
11thフル。“これでもか!”と言わんばかりの圧倒的熱量と熱いメッセージ性を孕んだ堂々たる作品だ。
また、シンセ・サウンドの中でひときわ輝く「EN」での力強いリフ、「イーティー」でのド直球なツイン・バッキングなどから、彼らの“ロック・バンドであることへの誇り”を感じずにはいられない。
『家族』
ウィリー・ネルソン
Guitar:ウィリー・ネルソン(vo,g)、他
カントリーの古典も並ぶスピリチュアル作
家族との“日常的な”演奏といったところで、大御所のその安定感にホッとする。
息子ルーカスのシンプル極まりない“下手ウマ”なプレイがいい味を出しており、そのルーカスが歌うジョージ・ハリスンの「All Things Must Pass」では、ウィリーの愛器“トリガー”による柔らかい音色が珠玉だ。
『WADASOUL 2』
和田アキ子
Guitar:三原健司(vo,g)、赤頭隆児/関口シンゴ(g)、井上幹(g,b,syn)
和製ソウルの女王と若手実力派のコラボ作
フレデリック、Ovall、さかいゆう、Rin音、WONKという最先端アーティスト5組が、和製ブラック・ミュージックのゴッド・マザーをプロデュースしたEP。どれもソウルフルだが、ギター的にはR&B/ネオソウルのフレーバーでアレンジされた「リフレイン」がめちゃタイト!
『CoverX』
TRIX
Guitar:佐々木秀尚(g)
これぞTRIX流“領域展開”
フュージョン・バンドTRIXが初となるアニソン・カバー・アルバムをリリース。
「ルパン三世のテーマ」や「となりのトトロ」など、老若男女の誰もが楽しめるアニメ・ソングが彼らの卓越した表現力で“魔改造”されている。
思わず笑みがこぼれてしまうな超絶ギター・ソロの数々は必聴だ。
『Actor』
緑黄色社会
Guitar:⻑屋晴子(vo,g)、小林壱誓(g)
ポップ&メロディアスなアンサンブル
愛知発の女性ボーカル4人組バンドによる3rdフル。メロディアスなポップ・チューンを歌いこなす透明感のある歌声が印象的な作品だ。
単音とカッティングで聴かせる「揺れる」、ユニゾンで攻める「Landscape」など、鍵盤との住み分けを意識したギター・アレンジも秀逸。
『ハード・タイム・ブルース』
ビッグ・ダディ・ウィルソン
Guitar:ビッグ・ダディ・ウィルソン/グレン・スコット/エリック・ビブ(g)、他
ソウルフルなボーカルとギターの“饗宴”
ベテラン・ブルースマンのディープさが、打ち込みとの“共演”で際立った新作。
強烈なデルタ・スタイルのエリック・ビブ、ソウル・チューンで慟哭するチェザーレ・ノリなど、さまざまなギタリストの“饗宴”も醍醐味だ。
ウィルソンが唯一ギターを披露するのはフォーキーな「New Born」。
『EXTREME WITCHCRAFT』
イールズ
Guitar:マーク・オリヴァー・エヴェレット(vo,g)
実力派ならではの繊細なポップ・センス
アメリカの実力派オルタナ・バンドの14thフル。
プロデューサーとしてPJハーヴェイを手がけるジョン・パリッシュを迎え、カラフルかつ繊細なポップ・チューンを聴かせる1作だ。
ファンキーな「Grandfather Clock Strikes Twelve」もシブい。
『RAFT』
TAIKING
Guitar:TAIKING(g)
卓越したポップ・センスで描かれた初EP
SuchmosのギタリストであるTAIKINGのソロEP。
まさにこのジャケットのさざ波のように心地良く“ノれるギター・サウンド”を存分に楽しませてくれるシティ・ポップな1枚で、コンポーザーとしての才能に満ち溢れている。
間奏で飛び出す流暢なソロ・パートも色気たっぷり。アコギもGOOD!
『ザ・サン・イズ・シャイニング・ダウン』
ジョン・メイオール
Guitar:メルヴィン・テイラー/マーカス・キング(g)、他
“孫たち”に囲まれた“英国ブルースの父”
御年88歳。“あの頃”と比較しても衰えているとは感じられない歌声に感動。
メルヴィン・テイラーの“咆哮”やジェイク・シマブクロのエレキ・ウクレレのかき鳴らしに歓喜していると、センス良い指弾きバッキングが耳に入ってくる。レギュラー参加のキャロリン・ワンダーランドのプレイだ。
『W』
Boris
Guitar:Wata(vo,g,etc)、Takeshi(vo,g,b)【ゲスト】suGar Yoshinaga(vo,g,synth)
赤子が見る夢のようなギター・サウンド
世界的ノイズ・バンドの結成30周年アルバム第1弾。
美しいノイズやクリーンなど、快楽的なギター・トーンを散りばめた夢想的な楽曲が並ぶ。
不快さとは無縁、まるで赤子が見る夢のようなきれいな世界だ。そのサウンドメイクの凄みをぜひ多くの読者に感じてほしい。
『SIX KICKS ROCK&ROLL』
ザ・クロマニヨンズ
Guitar:真島昌利(g)
ロックンロール魂が宿るマーシー・サウンド!
6ヵ月連続シングル発売企画の12曲に、新作2曲を追加した15thアルバム。
「ここにある」の固まりとして出てくるコード、「ドライブ GO!」の常套ロックンロール・リックだけで突き進むソロなど、マーシーのギターにはニュアンス云々を超えた、譜面に表わせない魂を感じる。
『エイジ・オブ・アパシー』
イーファ・オドノヴァン
Guitar:イーファ・オドノヴァン/マディソン・カニンガム(g)
ギター・サウンドの質感が彩る優しい音楽
クリス・シーリとの共演でも注目を集める女性アメリカーナSSWによる3rd作。
フィンガー・ノイズまで聴こえる自然体なアコギのサウンドや、味わい深いクランチによる単音のオブリが、美しい世界に質感を持たせている。
「Lucky Star」の音響的なスライドも面白い。
『この掌がまだ君を覚えている』
moon drop
Guitar:浜口飛雄也(vo,g)、清水琢聖(g)
透明感に溢れた瑞々しいラブソング
ラブソングだけを歌い続ける三重県発の4人組バンドによる1stフル。
疾走感のある「水色とセーラー服」、軽やかなシャッフル・ビートの「ラストラブレター」と、透明感溢れる楽曲が印象的な作品だ。
絶妙な切なさを湛える「君と夜風」のドラマティックなギターもナイス!
※本記事はギター・マガジン2022年2月号にも掲載されています。