“ギター・ソロが鳴るとスキップをする”イマドキ(?)のリスナーからの支持も厚い新世代のプロ・ギタリストたちが、改めてソロの魅力を紹介する特集『このギター・ソロ聴いてみな? 飛ぶぞ!!』。今回は、“リョクシャカ”の愛称で活躍するバンド、緑黄色社会のギタリストである小林壱誓がセレクト! バンドではボーカルやコンポーザーも務めるマルチな彼に、“飛べる”ソロ名曲を選んでもらった。
あなたにとってのギター・ソロとは?
ギター・ソロは名脇役。目立たなくてもいいし、時にはなくてもいい。
でも“ここぞ!”という時に必要な存在。
───小林壱誓
小林壱誓(緑黄色社会)が選ぶ
ギター・ソロ名曲3選!
No.1|「新宝島」 サカナクション
小林 難しい運指ではなく、まさに音で魅せるギター・ソロです。1音ずつクレッシェンドしていき、心地よい歪みが混ざった和音。その爆発力に痺れます。
岩寺(基晴/g)さんの左手で作られる絶妙な揺れとピッキングの抑揚を堪能できる1曲で、ギタリストとしての圧倒的な存在感に感銘を受けます。いつか僕も、1音のロング・トーンだけでソロを終わらせるみたいなことをやってみたいです(笑)。
収録アルバム
『834.194』/サカナクション
No.2|「ロックンロールイズレッド」 バズマザーズ
小林 “ギター・ソロとは何か”というのを非常に考えさせられる曲です。イントロの鋭いコード・ストロークすらギター・ソロのように聴こえますが、今回はそういった曖昧な回答はしません。楽曲の終盤にがっつりとソロ・セクションが待ち受けています。
この楽曲が、ギターで鳴らすフレーズの自分の固定概念を変えてくれました。まさに“指板の上で音が踊っているソロ”だと思います。
収録アルバム
『理詰&ブルース』/バズマザーズ
No.3|「プレゼント」 BUMP OF CHICKEN
小林 BUMP OF CHICKENの楽曲はギター・ソロがある曲が多いのですが、個人的にはこの掛け合いのようなソロ・パートがグッときます。曲のサビにあたるメロディをなぞりつつ、悠然と絡んでゆくツイン・ギター。
コードの展開と共に、ギターが楽曲のストーリーを次のシーンに進めていくようで、目頭が熱くなります。包容力がありながら力強く、この曲に欠かせないソロ・パートになっています。
収録アルバム
『present from you』/BUMP OF CHICKEN
小林が弾く、本人イチオシのギター・ソロはコレ!
緑黄色社会/スカーレット
小林 さんざんギター・ソロについて語っておきながら、僕自身は普段、目立ちすぎないギターを意識しています。そんな中でもソロらしい尺で、爽快な唸りで、鋭く掻き鳴らした1曲です。
収録アルバム
『SINGALONG』/緑黄色社会
今回選曲してもらったギタリストは……
小林壱誓
こばやし・いっせい◎高校の同級生と共に2012年に結成された愛知県出身4人組バンド、緑黄色社会のギタリスト。バンドではボーカル・パート、作詞・作曲も担当。