ディスク・レビュー『ルーナ・ミスト』 ヴァージル&スティーヴ・ハウ ディスク・レビュー『ルーナ・ミスト』 ヴァージル&スティーヴ・ハウ

ディスク・レビュー『ルーナ・ミスト』 ヴァージル&スティーヴ・ハウ

『ルーナ・ミスト』
ヴァージル&スティーヴ・ハウ

『ルーナ・ミスト』 ヴァージル&スティーヴ・ハウ
ソニー SICP-31595 12/21 全14曲

若くして世を去った愛息ヴァージルとの
2度目のコラボレーション・アルバム

 2017年に息子ヴァージルとの初のコラボレーション作品となる『ネクサス』をリリースしたスティーヴ・ハウ。しかし、その完成直後にヴァージルが急逝。本作はその『ネクサス』制作時と思われるヴァージルの残した未発表音源を使いながら、多彩なギターを加えてまとめ上げた作品だ。

 前作同様、静謐な鍵盤の演奏に合わせつつ、個性的なギター・フレーズを紡いでいったインスト作で、コンパクトな楽曲が中心。『ネクサス』と比べると、その制作プロセスの違いから、わずかながらハウの色が強めに出ているようにも感じる。

 ヴァージルの演奏を最大限に生かしたいという思いからか、ギターの演奏は控えめだが、曲やパートごとにギターや音色を選び変えているのはハウらしいところ。

 子に先立たれるほど大きな悲しみはないと思うが、彼の豊かな才能を世に残すため、1人作業を進めていったハウの情熱には心打たれるものがある。天国のヴァージルも喜んでいることだろう。

(関口真一郎)

【参加クレジット】
スティーヴ・ハウ(g, b)、ヴァージル・ハウ(d, k)

【曲目】
①ルーナ・ミスト
②モア・ザン・ユー・ノウ
③プレクサス
④マライアズ・スィーム(テーマ)
⑤ア・マンス・イン・ザ・サン
⑥アズ・イフ・ビトウィーン
⑦ネヴァー・レス
⑧ロージアンズ・ウェイ
⑨フリー・スピリット
⑩エターナル
⑪ディラマ
⑫ピナクル
⑬パゴダ
⑭マーシャン・ムード

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