『ラッシュ!』
マネスキン
ヒネリと遊び心が加えられたキャッチーなリフが満載
グラミーの最優秀新人賞にノミネートされ、ますます盛り上がるイタリアの4人組から届いた3rdアルバム。
R&Bやファンクの要素をグラマラスなハードロック・サウンドに落とし込んだ曲の数々で、テクニカルなフレーズに頼らず、コードを重ねたシンプルでキャッチーなリフが一番の聴きどころ。
①⑨⑬などのリフは聴く者の気持ちをザワザワと不安にさせるような響きがあったり、⑦⑯にはそれぞれホワイト・ストライプス、ニルヴァーナへのオマージュと思えるような節があったりと、単にシンプルなだけにとどまらないヒネリやロック好きにはたまらない遊び心が加えられ、とても印象に残るものなっている。
また、②ではトム・モレロが招かれ、シンセサイザーのような音色でソロを披露と、やたらとオヤジの心をくすぐるようなところが心憎い。
④の脱力コーラスはTikTokで流行りそう。そんな下世話な魅力が洋楽全盛時代を彷彿させる。
(山口智男)
【参加クレジット】
トーマス・ラッジ(g)、ダミアーノ・デイヴィッド(vo)、ヴィクトリア・デ・アンジェリス(b)、イーサン・トルキオ(d)
【曲目】
①オウン・マイ・マインド
②ゴシップ feat. トム・モレロ
③タイム・ゾーン
④ブラ・ブラ・ブラ
⑤ベイビー・セイド
⑥ガソリン
⑦フィール
⑧ドント・ワナ・スリープ
⑨クール・キッズ
⑩イフ・ノット・フォー・ユー
⑪リード・ユア・ダイアリー
⑫マーク・チャップマン
⑬ラ・ファイン
⑭イル・ドーノ・デッラ・ヴィータ
⑮マンマミーア
⑯スーパーモデル
⑰ザ・ロンリエスト
⑱タッチ・ミー
ギター・マガジン2023年2月号
特集:THE LAST ROCKSTARS
2023年1月13日(金)発売