『ザ・スプーン』
オスカー・ジェローム
ポスト・トム・ミッシュとの呼び声高いUKジャズ・シーンの逸材による待望の2nd
2020年の1st『ブレス・ディープ』で大反響を呼び、次世代UKジャズ・シーンを担う存在と目されている新進気鋭ギタリスト&シンガー・ソングライターによる2作目。
かつて在籍していたアフロ・ビート・バンド“ココロコ”のシェイラやリッチーやサラウ、トム・ミッシュの作品にも名を連ねるドリスラーなど、今回もUKの精鋭陣が参加。
基本4人編成による③④⑥⑦⑫を骨格としながら、そこにドラムとの完全インプロによるショート・テイク①⑤⑩やアコギのみによる独奏インスト⑧など、今作も多彩な楽曲構成で聴きどころ満載。
中でも幻想的な④での新感覚なギター・アプローチは、ポスト・トム・ミッシュと言われるのも納得のクールさで引き込まれること必至。
さらに⑥⑦のライブ・バージョンのボーナス・トラック⑬⑭も実に熱を帯びた演奏で、特にジャム・セッション的な⑭では、後半にジャジィなギター・ソロが炸裂していてこれまた必聴。この2曲が聴けるのも大きな魅力だ!
(石沢功治)
【参加クレジット】
オスカー・ジェローム(g)、カイディ・アキニビ(s.sax)、トム・ドリスラー(b)、アヨ・サラウ(d)、クリスピン“スプライ”ロビンソン(perc)、フェリン・スキナー(vo)、セオ・アースキン(sax)、ベニ・ギリス(syn)、リー・セン(vo)、マーラ・キーザー(b)、他
【曲目】
①ザ・ダーク・スライド
②スウィート・アイソレーション
③ベルリン 1
④ザ・スプーン
⑤ザ・スープ
⑥チャンネル・ユア・アンガー
⑦フィート・ダウン・サウス
⑧アヤ&バーソロミュー
⑨フェード・ザ・ピッグス
⑩パス・トゥ・サムワン
⑪ホール・オブ・ミラーズ
⑫ユーズ・イット
⑬チャンネル・ユアー・アンガー【Live】
⑭フィート・ダウン・サウス【Live】
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