ディスク・レビュー『クラズノ・ムーア・プロジェクト:ブック・オブ・クイーンズ』 エリック・クラズノ&スタントン・ムーア ディスク・レビュー『クラズノ・ムーア・プロジェクト:ブック・オブ・クイーンズ』 エリック・クラズノ&スタントン・ムーア

ディスク・レビュー『クラズノ・ムーア・プロジェクト:ブック・オブ・クイーンズ』 エリック・クラズノ&スタントン・ムーア

『クラズノ・ムーア・プロジェクト:ブック・オブ・クイーンズ』
エリック・クラズノ&スタントン・ムーア

『クラズノ・ムーア・プロジェクト:ブック・オブ・クイーンズ』エリック・クラズノ&スタントン・ムーア
配信中 CD/LP(輸入盤)は10月リリース予定 全9曲

USジャム・バンド・シーンの牽引役が女性シンガーの名曲をソウルフルに再構築

 ソウライヴやレタスでの活動で知られるエリック・クラズノが、ギャラクティックのスタントン・ムーア(d)とスタートさせた新プロジェクト作。

 クラズノは、これまでもアルバムごとに様々な景色を我々に見せてくれた“音楽のジャーニーマン”だが、今回はタイトルからわかるように、女性アーティストの名曲を取り上げ、ソウルフルかつグルーヴィなインストに再構築している。

 エイミー・ワインハウスの①からして原曲を凌ぐ艶っぽさに思わずたじろぐ。チョーキングやスライドなどのニュアンス付けがエロいのなんの!

 ケイシー・マスグレイヴスの③やアレサ・フランクリンの⑦では指弾きを併用したダブル・ストップやコードの装飾、そして泣きのソロなどR&B必殺技が目白押しだ。

 一方、ビリー・アイリッシュの④ではミーターズを彷彿するようなリズムの上でオクターブ奏法が咆哮。

 ラスト⑨におけるロバート・ランドルフのスティール・ギターも泣かせる!

(久保木靖)

【参加クレジット】
エリック・クラズノ(g)、ロバート・ランドルフ(steel-g)、スタントン・ムーア(d)、エリック・フィンランド(org)、ブランフォード・マルサリス(sax)、コリー・ヘンリー(k)

【曲目】
①You Know I’m No Good
②Nobody’s Baby
③Slow Burn
④Lost Cause
⑤Stay High
⑥Fever
⑦Natural Woman
⑧Carried Away
⑨I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free

ギター・マガジン2023年5月号表紙

ギター・マガジン2023年5月号
『追悼 鮎川誠』
2023年4月13日(木)発売