『72シーズンズ』
メタリカ
躍動感溢れるギター・リフを軸にした王者の風格漂うヘヴィメタル・アルバム
デビュー40周年を迎えたメタリカの、7年ぶり12枚目のスタジオ・アルバム。
人生の最初の18年間(18×四季=72シーズンズ)をテーマにしたこの作品は、スラッシュ・メタルと呼べるようなガツガツした感じはあまりないとは言え、デビュー作『Kill ‘Em All』(83年)から5th『Metallica』(91年)あたりまでの楽曲を思い出させるような雰囲気がある。
先行で発表された⑥③のようなアップ・テンポの曲から、ミドル・テンポのヘヴィな④⑦⑨⑫など、ギター・リフを主体とした曲はどれもエネルギーに溢れ、リズム・パターンを巧みに変えた緩急自在のアレンジも秀逸。
切れ味鋭いギター・リフの数々は“コピーしたら楽しいだろうな”と思わせるものばかりで、アイディアも実に豊富だ。
カーク・ハメットの長尺のギター・ソロも楽曲を盛り上げており、得意のワウ・ペダルを使ったプレイも随所で聴くことができる。
(Jun Kawai)
【参加クレジット】
ジェイムズ・ヘットフィールド(vo, g)、カーク・ハメット(g)、ロバート・トゥルヒーヨ(b)、ラーズ・ウルリッヒ(d)
【曲目】
①72シーズンズ
②シャドウズ・フォロー
③スクリーミング・スーサイド
④スリープウォーク・マイ・ライフ・アウェイ
⑤ユー・マスト・バーン!
⑥ルクス・エテルナ
⑦クラウン・オブ・バーブド・ワイアー
⑧チェイシング・ライト
⑨イフ・ダークネス・ハド・ア・サン
⑩トゥー・ファー・ゴーン?
⑪ルーム・オブ・ミラーズ
⑫イナモラータ
ギター・マガジン2023年6月号
『特集:90年代UKロックの双璧。Oasis × blur』
2023年5月12日(金)発売