『カウンシル・スカイズ』
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
好きな音楽を無邪気に取り込み、自らのオリジナリティへと昇華
前作から実に6年ぶり通算4作目。
彼が贔屓するマンチェスター・シティFCの旧ホーム・スタジアム跡地にバンド機材を置いたエモいジャケット写真が象徴するように、本作には自身のルーツに立ち返るような楽曲が並んでいる。
例えば、冒頭曲は『Let It Bleed』の頃のストーンズを彷彿させるし、④はスモール・フェイセスの「Rene」を、⑪は亡くなったバート・バカラックの「What The World Needs Now Is Love」をオマージュしたのは明らか。⑤はまるで初期オアシスのようだ。
結果、これまでで最もノエル節全開で多彩なアルバムに。思えば彼は、こうやっていつも好きな音楽を無邪気に取り込み、オリジナリティへと昇華させていたのだ。
ギターに関しては、アコギもエレキもコード・バッキングで音像に厚みを持たせるいつものアプローチ。ジョニー・マーが4曲で参加しており、宙を切り裂くような歪みサウンドがアクセントとなっている。
(黒田隆憲)
【参加クレジット】
ノエル・ギャラガー(vo, g, b, k, p)、ポール“ストレンジボーイ”ステイシー(g, k, b, p)、ジョニー・マー/ゲム・アーチャー(g)、マイキー・ロウ(k)、カラム・マリーニョ(k, perc)、ラッセル・プリチャード(b)、クリス・シャーロック(d)、他
【曲目】
Disc1
①アイム・ノット・ギヴィング・アップ・トゥナイト
②プリティー・ボーイ
③デッド・トゥ・ザ・ワールド
④オープン・ザ・ドア、シー・ホワット・ユー・ファインド
⑤トライイング・トゥ・ファインド・ア・ワールド・ザッツ・ビーン・アンド・ゴーン
⑥イージー・ナウ
⑦カウンシル・スカイズ
⑧ゼア・シー・ブロウズ!
⑨ラヴ・イズ・ア・リッチ・マン
⑩シンク・オブ・ア・ナンバー
⑪イージー・ナウ(アコースティック/ボーナス・トラック)
Disc2
①ドント・ストップ…
②ウィアー・ゴナ・ゲット・ゼア・イン・ジ・エンド
③マインド・ゲームス
④プリティー・ボーイ(インストゥルメンタル)
⑤デッド・トゥ・ザ・ワールド(インストゥルメンタル)、他
ギター・マガジン2023年7月号
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