『ディス・モーメント』
ジョン・マクラフリン、シャクティ
インドの音楽家たちとのユニットが46年ぶりに放った奇跡のスタジオ・アルバム
マハヴィシュヌ・オーケストラが人気絶頂だった70年代前半、マクラフリンは同グループを突如解散して天才タブラ奏者ザキールらとシャクティを結成した。
レコード会社から“正気か?”と言われたほどの電撃的ユニットは、77年までにわずか3作品を残して解散。しかしその後、97〜00年に新生シャクティとして3枚のライブ盤を残し、13年にもツアーを行なった。
昨年、そのシャクティが再びツアーをする噂が耳に入ると、今年それが実現したばかりか、なんとスタジオ作のお目見えだ!
70年代の3部作はすべてアコギだったが、今回はツアーと同様にPRSのエレキ・ギターを使っていると思われる。
①からバイオリンとの壮絶なユニゾン・テーマが飛び出して鳥肌もの。以降も山脈のように連なる光速フレーズは衰え知らずなどころか、まだまだ冴えわたっていて圧巻。
⑧などではギター・シンセによるベース・ラインも聴かれて新味だ。とにもかくにも必聴!
(石沢功治)
【参加クレジット】
ジョン・マクラフリン(g, syn)、ザキール・フセイン(tabla, konokol)、シャンカール・マハデヴァン(vo, konokol)、ガネーシュ・ラジャゴパラン(vln, konokol)、セルヴァガネッシュ・ヴィナヤカラム(kanjira, mridangam, ghatam, konokol)
【曲目】
①Shrini’s Dream
②Bending the Rules
③Karuna
④Mohanam
⑤Giriraj Sudha
⑥Las Palmas
⑦Changay Naino
⑧Sono Mama
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2023年6月13日(火)発売