堂本剛がファンク愛を楽しく共有した、.ENDRECHERI.の“funk love”イベントをレポート! 堂本剛がファンク愛を楽しく共有した、.ENDRECHERI.の“funk love”イベントをレポート!

堂本剛がファンク愛を楽しく共有した、.ENDRECHERI.の“funk love”イベントをレポート!

ディープなファンク道を突き進む.ENDRECHERI.こと堂本剛が、登録無料の情報会員サービス・サイト=“funk love”を始動させた。その第一弾イベントとなる“.ENDRECHERI. Erother_meeting Do more the E_FUNK”が、7月に東京で、8月に大阪で開催。演奏はもちろん、“ファンク講座”なども盛り込まれた、彼の音楽を深く理解し楽しめる内容だった。今回は、2023年7月6日に東京国際フォーラムのホールAで行なわれた、昼公演の模様をレポートしよう。

文=福崎敬太 写真=山川哲矢

手描きイラスト(!?)とともに語られた、ファンク偉人伝

平日の昼14時に開催されるイベントがまず新鮮で、ワクワクしながら会場の東京国際フォーラムへ向かう。するとそこには、.ENDRECHER.のテーマ・カラーである紫色のアイテムを身にまとった人々が、数多く集まっていた。

定刻になると、バンド・メンバーを引き連れて、堂本剛がステージに登場。今回のギタリストは、Mountain Mocha Kilimanjaroの小林“Bobsan”直一のみのようだ。そして堂本がベースに手を伸ばし、「Do more the E_FUNK」からイベントがスタートした。

“ENDRE IT UP!”というバースをくり返すサイケ・ファンク・チューンで、掛け声の合間を縫うように小林によるオブリが挟まれる。クランチ気味のサウンドで、トリルやチョーキング・フレーズなどを織り交ぜながら、アンサンブルに熱を注入。

パートによってはシンコペートしたカッティングでグルーヴを牽引していく。そしてペンタ一発のロックなソロを披露すると、その流れから全体のキメへと向かい、エンディングを迎えた。

小林“Bobsan”直一
小林“Bobsan”直一

拍手喝采で演奏が終わると、バック・バンドは一度ステージを降りて、堂本のMCへ。

ここで“皆さんにファンクのことを伝えます”と宣言し、彼にとってファンク・ミュージックがどんな存在なのかを説明してくれた。

その後、“ファンクの歴史を語るうえで重要な、ファンク・マスターたちを紹介します”ということで、.ENDRECHERI.による“ファンク講座”へ突入。

1人目として、“まずはこの方、ジェームズ・ブラウン(JB)”と紹介すると、ステージ上のモニターに、JBらしき手描き感満載のイラスト(?)が映し出された。“宣材写真をお借りするのに、けっこう交渉しました”と語ると、会場は爆笑。音楽やステージ・パフォーマンスの特徴、バック・バンドであるJB’sなどを簡潔に説明してくれた。

続いて、スライ・ストーン、プリンス、そして“LOVE SUPREME JAZZ FESTIVAL JAPAN 2023”で共演も果たしたジョージ・クリントンを紹介。最後には自画像(?)が映し出され、彼の歩みや、新たにドットが追加された“.ENDRECHERI.”という名前の由来などが語られた。

ファンクを独自に解剖、わかりやすく解説

“ここからはバンドの皆さんに出てきていただいて、実験的なことをやってみたい”と、メンバーをステージに呼び戻す。“「4 10 cake」の一部をやります”と全員で1コーラス程度を演奏し、“次はドラム単体で聴いてみましょう”と興味深い試みがスタート。

続いて、8ビートの上でベースのみ、ギターのみ、キーボードのみと、パートごとにどのようなプレイがされているのかを披露。ビートの感じ方や、ゴーストノートの役割など、専門用語もわかりやすく噛み砕いて、それらがどのような効果を担っているのかを教えてくれた。

そして、同じ「4 10 cake」を様々なアレンジで調理し、ファンクとの違いを解説。ロック・バージョンでは、めちゃくちゃディープ・パープルを感じるギター・リフを弾く小林、という貴重なシーンも。ソウル・バージョンはツー・ファイブのメロウなアプローチで演奏され、“プリンス風”というバック・ビートを強く打ち出したアレンジもプレイされた。

“ファンク講座”を終えると、これまでに説明したことを意識しながら聴いてほしいと、「MYND~Super funk market」へ。

ギターは、コード・カッティングとミュート気味の単音フレーズを組み合わせたリフで、グルーヴィに。2拍4拍のキレを強調させるための、1拍目&3拍目のルーズなタメにも、小林のファンク・ギタリストとしてのセンスが光る。

続く「LOVE VS. LOVE」では、複音やオクターブによるオブリで、楽曲をエロティックに彩る。ソロでは、ワウをかけた甘い音で、歌うようなメロディを紡いだ。

一転、ディストーション・ギターとともにロックに幕を開けたのは、「.ENDRECHERI. Brother Erother」。歪んだワウ・サウンドから、オーバードライブ、クリーンまでを自在に操り、楽曲を多彩に飾りつける小林。途中でハーフ・テンポになると、ロング・トーンで咆哮するかのようなギター・ソロも披露した。

そしてクラシカルなピアノのイントロが鳴り始めると、堂本がお馴染みのパープル・ギターを手に。鍵盤を叩く音とスペイシーなシンセ・サウンドが入り混じっていくと、ファストなクラビネットによるループに入り、攻撃的なファンク・セッションがスタートした。

堂本剛
堂本剛

堂本はトリルで煽りながら、ワウをかけたソロをプレイ。ペンタトニックを軸に、トレモロ・ピッキングやチョーキングを織り交ぜながら、エモーショナルなフレージングを展開。国際フォーラムの客席を揺らす。

ラストは「Wedding Funk」。堂本はギターを片手に、体を揺らしながら歌う。16分のカッティングを刻んでいた小林も、後半はサステインのある歪んだサウンドで自由にメロディをプレイ。バンド・メンバーも観客も同じグルーヴに身を委ねたまま、イベントは幕を閉じた。

“ファンク講座”の中で、“ファンク=自分”と語った堂本。まさにバンド・メンバー全員が“自分”をさらけ出し、認め合い、1人では作り出せない無二のグルーヴを生み出した。

そして、そんなファンクの楽しさを、音楽に詳しくないお客さんでも楽しめるようにと、独自の視点でわかりやすく解説してれくた.ENDRECHERI.。

また1人、偉大なファンクの伝道師が誕生したようだ。

INFORMATION

New Digital Album『Super funk market』が2023年8月26日に、各種サブスクリプション・サービス、ダウンロード・サービスにて配信スタート。

LIVE

「堂本剛 平安神宮 奉納演奏 2023」公演情報

  • 【京都】平安神宮
    9月1日(金)19:00
    9月2日(土)19:00
    9月3日(日)19:00

「.ENDRECHERI. LIVE 2023 END RE ME」公演情報

  • 【兵庫】神戸国際会館 こくさいホール
    9月6日(水)18:00
    9月7日(木)18:00
  • 【大阪】フェスティバルホール
    9月14日(木)18:00
    9月15日(金)18:00
  • 【愛知】日本特殊陶業市⺠会館 フォレストホール
    9月21日(木)18:00
  • 【奈良】なら100年会館 大ホール
    9月23日(土)18:00
    9月24日(日)13:00/18:00
  • 【神奈川】パシフィコ横浜 国立大ホール
    9月29日(金)18:00

「.ENDRECHERI. Ballad of FUNK」公演情報

  • 【東京】東京ガーデンシアター
    10月10日(火)18:00
    10月11日(水)18:00
  • 【東京】TOKYO DOME CITY HALL
    10月16日(月)18:00
    10月17日(火)13:00/18:00
  • 【奈良】なら100年会館
    10月26日(木)18:00
    10月27日(金)13:00/18:00

※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細は.ENDRECHERI.公式HPをチェック!

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