『GUITARHYTHM VII』
布袋寅泰
アヴァンギャルドに踏み切ったキャリア最高のGUITARHYTHM
1988年から続くGUITARHYTHMシリーズも今年で35年目、そして7枚目となった。
まず1曲目「AI Rising」からアビー・ロード・スタジオで録音された壮大なオーケストラが鳴り響き、1st『GUITARHYTHM』へのオマージュを感じさせる。
間髪入れずにアヴァンギャルドなサイバーパンクの世界観が炸裂したダーク・ブギー「Midnight Sun」へとなだれ込み、緊張感のあるギター・ソロでリスナーをGUITARHYTHMワールドへと引きずり込む。
キャッチーかつ尺の短い楽曲が好まれる現代において、じっくりと時間をかけて自身の世界観に取り込む手法は、まるで映画を観ているような感覚に。
「Andromeda」や「Horizon」ではジェフ・ベックのようにギターを歌わせ、ここまで感情をフレーズに乗せられるものかと感嘆してしまう。
やはり“最新の布袋が最高の布袋”という言葉に嘘はなく、本作が布袋のキャリアNo.1の作品だと断言したい。
(小林弘昂)
【参加クレジット】
布袋寅泰(vo, g, prog)、ニールX(g)、アイナ・ジ・エンド(vo)、KenKen/亀田誠治/ジェリー・ミーハン(b)、山木秀夫/イアン・トーマス(d)、奥野真哉(k)、岸利至/中野雅之(prog)、他
【曲目】
①AI Rising
②Midnight Sun
③Isolation
④Andromeda(feat. アイナ・ジ・エンド)
⑤Highway Star
⑥Domino
⑦Mystic 7
⑧Eternal Symphony
⑨Horizon
⑩Break The Chain