『Wall Of Eyes』
ザ・スマイル
ジョニー・グリーンウッドのプレイが牽引するミニマルでスリリングな2ndフル・アルバム
レディオヘッドのトム・ヨークとジョニー・グリーンウッド、そしてトム・スキナーによって結成されたザ・スマイルの2nd。
リズミカルでスリリングなギター・リフが楽曲を牽引していた1stアルバムの雰囲気を引き継ぎつつも、グッとミニマルになったバンド・アンサンブルが印象的な1作だ。
④のイントロはその好例で、限りなくドライなクランチ・サウンドで弾くリフが緊張感抜群。聴感上では、発音する弦以外のタッチ・ノイズなども鳴ってしまっているのだが、そこも含めてグルーヴィに聴かせるジョニーの手腕はさすがだ。
また⑦では、約2分間にわたって爪弾くジョニーの陰鬱で幻想的なアルペジオ・ワークも楽しめる。
一方で、ハッとするようなトリッキーな仕掛けも随所に散りばめられており、⑥ではイントロからグリッチ・ペダルを使用した幾何学的なアコギ・フレーズも炸裂。
全編でここまでジョニーのギター・プレイが主張するアルバムが生まれたことを嬉しく思う。
(伊藤雅景)
【曲目】
①Wall Of Eyes
②Teleharmonic
③Read The Room
④Under Our Pillows
⑤Friend Of A Friend
⑥I Quit
⑦Bending Hectic
⑧You Know Me!