『Indian Burn』
Ken Yokoyama
難航した楽曲制作から生まれた横山健の本質的サウンド
2023年に3曲のシングルをリリースし、それを経て完成した3年ぶりとなる8枚目。
シングルと並行してアルバムの楽曲制作も行なっていたため作業はかなり難航したというが、そのおかげか力の抜けたリラックスした空気感がパッケージされており、ハードなパンク・ナンバーだけではなく、スカ、オールディーズのメロディやリズムも取り入れるなど、横山健の本質とも言えるキャッチーな楽曲が並ぶ。
もちろんシングルとしてリリースされた3曲(②⑤⑦)も収録されており、それらが今作の中核を担うことでアルバムとしての強度がかなり増している。
「The Show Must Go On」と「Indian Burn」はクランチが主体で、Ken Bandとしてはチャレンジングなサウンドメイクだが、その音は決して枯れているわけではなく、むしろ瑞々しい。
20周年を迎えても、今なおフレッシュな側面を見せてくれるKen Bandの現在、そして未来に希望を見い出せる1枚だと感じた。
(小林弘昂)
【曲目】
①Parasites
②My One Wish
③A Pile Of Shit
④The Show Must Go On
⑤These Magic Words
⑥New Love
⑦Better Left Unsaid
⑧Indian Burn
⑨Deep Red Morning Light
⑩Long Hot Summer Day
⑪A Little Bit Of Your Love
⑫Heartbeat Song