ビートルズの楽曲はその自由でキャッチーなコード進行やエヴァーグリーンなメロディ、ロックンロールの礎を作ったビート感など、世界中で議論され分析されてきた。今回はその中でも、天才=ジョン・レノンの「コードの押さえ方」に注目したい。ジョンはどんな響きや効果を求めて音を選んでいたのか? 本人が多用したコード・フォームをもとに探っていこう。
文:安東滋 図版作成:Seventh
コードが持つ良い響きをブーストする
ジョン・レノン流の押さえ方
ジョンが愛用していたコード・フォーム群は、それ自体のキャラ立ちした響きでビートルズ・サウンドを鮮やかに発色させるものが多い。以下に厳選した、ジョン御用達の必須シェイプを“ジャラ~ン”と鳴らしてみるだけでも……ほらね、即、ビートルズ印の和音感が飛び出してくるからアラ不思議! さぁ、そのマジカルな響きを体感しよう! ちなみに、これらのフォームの中にはジョン/ポール/ジョージの三者に共通する型も含まれているが、筆者が想像するに、これはビートルズのメンバー間でコードの押さえ方を共有していたからなのかも? 3名は少年期からの仲間なので、“〇〇コードはこうやって押さえるんだぜ~”と互いにフォームを教え合ったことは十分に考えられる。
本記事が掲載されたギター・マガジン2019年1月号『ジョン・レノン 〜音楽で世界を変えようとした男の知られざるギター美学。〜』では、ギタリストとしてのジョンをあらゆる面から徹底考察しています。