安藤正容を支えるギター&サウンド・システム 安藤正容を支えるギター&サウンド・システム

安藤正容を支えるギター&サウンド・システム

T-SQUAREデビューからの43年で、安藤はサウンド・システムやギターを幾度となくアップデートしてきた。ここでは現在の彼を支えるギター&サウンド・システムを紹介しよう。

文=福崎敬太 写真=小原啓樹

Guitars

Fender Cusotom Shop/Michael Landau 1957 Stratocaster

マスタービルダー=ジェイソン・スミスが手掛けたマイケル・ランドウのシグネチャー・モデルが安藤のメイン・ギター。指板ラジアスが7.25のビンテージ・スタイルで、“1弦のF♯(14フレット)あたりをベンドすると詰まり気味になっちゃうんですよね。僕は弦高を下げたいタイプなので、指板を削ろうかネックを変えようか悩んでいます”とのこと。また、ランドウがローズウッド指板に変更したようで、“ローズウッドで9.5インチRのモデルが出たら良いのですが……”と語っていた。もちろん『FLY! FLY! FLY!』でもメインで活躍。

Shur/Pete Thorn Signature Model

2018年に入手し、一時期メイン級の活躍をしていたサーのピート・ソーン・モデル。機材オタクを自称するピートのモデルということだけあって、随所にこだわりが詰まっている。安藤の速いフィンガリングにもバッチリ対応してくれる“Even C Slim”ネックのコンパウンド・ラジアス指板という仕様に加え、これまでに愛用してきたムーンやエアクラフトなどと同様STタイプというのは言わずもがな。ジョン・サーとピートが共同開発したピックアップ=Thornbuckerなども、同じく機材好きの安藤には響くものがあるのかもしれない。

Novo Guitars/Model Serus J

ファーノ・ギターズ創設者のデニス・ファーノがデザインを手掛ける、ナッシュビルのブランド、ノヴォ・ギターズ。このModel Serus Jは“YouTubeで使っているギタリストを見て欲しくなった”そうで、パイン材ならではの軽さがお気に入りポイント。ただ、弦長やテンションの関係で、チョーキング時に“普通のストラトなら全音上がるくらいの幅でも、このギターだともう少しベンドしないと全音幅にならない”と取り扱いには難しさがあるようだ。最新作『FLY! FLY! FLY!』のレコーディングでも活躍した。

Fender Custom Shop/Telecaster Thinline

さまざまなギターを弾いている姿を見るが、安藤は“「売っては買い」をくり返しているので、そこまで数は持っていないんです”と語る。このテレキャスター・シンラインはそういったギター探しの中で衝動的に入手した1本で、ほとんど使う機会はなく家でたまに弾くくらいだそう。フロント・ピックアップのカバーがはずされているが、改造点はない。余談だが、“売らなきゃ良かった”と思うこともたびたびあるそうで、それらを売却する時のことを“使わないから、新しいギターも欲しいし売っちゃおうって。欲しい欲求が勝っちゃうんです(笑)”と話してくれた。

Sound System

撮影=星野俊

KEMPER/Profiler Powerrack

ライブ機材を撮影するために、4月4日に行なわれたTHE SQUARE Reunionのブルーノート公演に潜入。ここでサウンド・システムの根幹を担っていたのは、ケンパーのProfiler PowerrackとKabinetの組み合わせ。プリセット名を曲名で登録してあるが、各曲ごとの内容はディレイ・タイムが少し違ったり、クリーンを踏んだ時にフェイザーがかかるなどのエフェクトの設定などが変更されている程度。基本はクリーン、コーラス、クランチ、リードで設定しており、どのプリセットもサウンド的にはほぼ同じとのこと。

設定しているリグはWEB上で入手したもので、クリーンがカー・アンプのSlant 6V、コーラスはそれにケンパーのエフェクトをかけたもの、クランチはサーのBadger、リードはカスタム・オーディオ・アンプリファイアーのOD100とのこと。これらを下写真左のProfiler Remoteでコントロールしている。

Foot Pedals

ステージ上の足下がこちら。中央より左側が前述のProfiler PowerrackをコントロールするProfiler RemoteとMission Engineeringのエクスプレッション・ペダル。右側がProfiler Powerrackのバックアップ兼アコギ用として用意されたProfiler Stageと同じくMission Engineering のエクスプレッション・ペダル。以下でそれぞれの用途を見ていこう。

KEMPER/Profiler Remote

Mission Engineeringのエクスプレッション・ペダルは、左をボリューム・ペダル、右をワウ・ペダルとして使用。

KEMPER/Profiler Stage

ライブではアコギ用で使用されたProfiler Stage。キャビネットで鳴らすとハウってしまうため、ラインで出力している。

Lee Custom Amplifier/12AU7 Buffer + Booster

ケンパーのProfiler Powerrackに入る直前につながれている、リー・カスタム・アンプリファイアーの真空管バッファー。本物の真空管JJ Electronic 12AU7を搭載した小型ペダルで、音に芯が出てチューブならではの手触りも加えられるとのこと。

作品データ

『FLY! FLY! FLY!』 T-SQUARE

T-SQUARE Music Entertainment Inc./OLCH10022-23/2021年4月21日リリース

―Track List―

01.閃光
02.FLY! FLY! FLY!
03.Only One Earth
04.Quiet Blue
05.Brand new way
06.Growing Up!
07.The Hotrodder
08.回帰星-kaikiboshi-
09.Joy Blossoms

―Guitarist―

安藤正容