多くの海外ペダル・ブランドの輸入を手がけるアンブレラカンパニーが、自社ブランドからディストーション=#24を発表。今回はその実力をプロ・ギタリストにチェックしてもらおう。試奏者はYOASOBIのサポートとしても知られるギタリスト、AssH。本機の紹介やインプレッションに加え、AssHによるオススメのセッティングを3パターン公開しているので、ぜひ動画を最後までご覧いただきたい。
取材/文=福崎敬太 撮影/動画制作=川村健司
著名ペダル・ブランドの国内流通を数多く担ってきたプロフェッショナルたちが掲げる、ディストーションという“提案”
輸入代理店として、数々の著名ペダル・ブランドの国内流通を担ってきたアンブレラカンパニー。多種多様に進化するエフェクター業界を俯瞰しつつ、独自にノウハウを蓄積してきたプロフェッショナルたちが、自社ブランドで新たに生み出したのが、ディストーション・ペダル=#24だ。
オリジナルのドライブ・ペダルとしては、ビンテージ・ツイードの歪みをイメージしたオーバードライブ、Hitchhike Drive以来、第二弾となる本機。
今回目指したのは、“速く、重く、深いドライブ・サウンド”。キャラクターはしっかりと定義しているが、可変幅も広めにとっているため、この1台で多様な使い方ができる。
2系統をミックスして音を仕上げる方式を採用。ハードクリップさせた歪みをメインに、オーバードライブさせた歪みの中高域を抽出、最終段でブレンドするという回路構成。ゲインを上げても輪郭を失わず、アグレッシブなディストーション・サウンドを実現した。
コントロールはボリューム、ゲイン、トーンというお馴染みのものに加え、3段階のゲイン・レンジを切り替える“チャンネル・スイッチ”、歪みの密度を変化させる“デンシティ・スイッチ”、超低域の“圧”を調整する“Xノブ”というユニークな構成。
最大の特徴である“Xノブ”ではライブ・ハウスの爆音で鳴るアンプから感じるような“音圧”が付与できる。これは弾いている本人が最も感じるもので、プレイヤーのテンションを上げてくれる無二のツマミだろう。
リレーを用いたトゥルー・バイパス方式の回路、消費電流150mAを提供するパワフルな電源モジュールの搭載、プリ・ブースト・セクションの設置により、オン/オフ問わず低ノイズなのも特徴だ。
試奏動画でAssHが語るとおり、複数チャンネルを有するアンプのような操作性で、そのキャラクターを気に入った人であれば、芳醇なクランチ・サウンドから鋼鉄のディストーション・サウンドまで幅広く使えるだろう。
AssH’s Impression
すごく“痒いところに手が届くペダル”。
セッションにもこれ1台を持っていけば安心ですよ。
3チャンネルあるし歪み量はかなり幅があって音が潰れないので、クランチもいけるしかなり歪ませてもいける。だから、“ディストーションを買ったから歪ませないと”っていう感じでもない。
で、歪みの密度ってギタリスト同士で話している時もけっこう話題にあがるんですよ。そこがコントロールできる“デンシティ・スイッチ”は新感覚でした。僕は密度が高いほうが好きなのでずっと同じモードにしちゃいましたけど、これによって音の重心とかも変わってくるので、バンドのアンサンブルにおけるギターの位置によって変えても良いですよね。
Xノブは“音の壁”みたいのが出せて、圧のあるカッコ良いギター・サウンドが作れますし、すごく“痒いところに手が届くペダル”だなって思いましたね。セッションにもこれ1台を持っていけば安心ですよ。
あと、すごくアンプ・ライクだなって思いました。一時期、“アンプ・ライクなペダル”ってよくありましたけど、あくまで“アンプ・ライクなペダルの音”なんですよね。この#24はそうじゃなくて、本当に“アンプのような”音がするというか、その感覚でトーンやゲインをいじることができる。かつ、このペダル自身のサウンドを明確に持っているんですよ。ツマミの可変幅とか選択肢が多すぎると迷っちゃうけど、#24はちゃんと芯があって、それにのっとったうえで色んなサウンドが楽しめるペダルですね。
Umbrella Company
#24
【スペック】
●コントロール:ボリューム、ゲイン、トーン、Xノブ、デンシティ・スイッチ、チャンネル・スイッチ
●入出力端子:インプット、アウトプット
●電源:9Vアダプター
●外形寸法:70(W)×125(D)×60(H)mm
●重量:310g
【価格】
26,400円(税込)
【問い合わせ】
アンブレラカンパニー TEL:042-519-6855 https://umbrella-company.jp/