湘南生まれ、南カリフォルニア育ちの気鋭のSSW/ギタリスト=Michael Kaneko(マイケル・カネコ)。数々のCMソングで名をはせ、数多のアーティストのプロデュース/サポートでも活躍してきた彼が、新作『The Neighborhood』を発表した。ここでは彼が新作で使用したギターと、ライブで愛用している機材を紹介しよう。
取材:錦織文子 撮影:藤岡柊平
※本記事はギター・マガジン2022年8月号に掲載したMichael Kanekoインタビューを一部抜粋したものです。
Guitars
Fender Custom Shop/1963 Stratocaster Journeyman Relic
ローズウッド指板&オリンピック・ホワイトのメイン器
新作のほとんどの楽曲で使用し、ライブでも活躍しているKanekoのメイン器は、63年製ストラトキャスターを再現したフェンダーカスタムショップのジャーニーマン・レリック・モデル。ローズウッド指板とオリンピック・ホワイトの組み合わせに惹かれて入手。“ビンテージにも憧れたけど、ギターに関しては結局自分の手次第だと思うんです”とのことで、特に改造点はない。
Gibson Historic Collection/1959 ES-335 Reissue
「SHIGURE」でのメロウなフレーズを鳴らした1本
新作のレコーディングではSSWのさらさとコラボしたバラード曲「SHIGURE」で使用した、ギブソンの59年製ES-335のリイシュー・モデル。ストラトよりも太めのサウンドが欲しい時に重宝しているという。丸みのあるカッタウェイやブラス製サドルなど50年代の仕様を再現しており、リアPU部分にザグリのないセンター・ブロックを採用するなど、音の太さを追求している。
Amp
Fender/’68 Custom Vibrolux Reverb
パワーと取り回しに優れたライブ常用アンプ
レコーディングでは決まってライン録りのKanekoだが、ライブで愛用しているのが’68 Custom Vibrolux Reverb。“Deluxe Reverbよりパワーが欲しいけど、Twin Reverbは持ち運びが大変だから、これが一番ちょうどいい”とのこと。Deluxe Reverbと同じサイズのキャビネットでありながら、10インチのCelestion TEN 30スピーカーを2基搭載し、40Wという出力。
Pedalboard
このボード1つでライブは十分成り立つ
①BOSS/TU-2(チューナー)
②Electro-Harmonix/LPB-1(ブースター)
③Fulltone/FULL-DRIVE 2(オーバードライブ)
④Electro-Harmonix/Q-Tron Plus(エンベロープ・フィルター)
⑤ZOOM/MS-50G(マルチ・エフェクター)
⑥strymon/FLINT(トレモロ/リバーブ)
⑦WAY HUGE/AQUA-PUSS MkⅡ(アナログ・ディレイ)
Kanekoのライブ用ペダルボード。スタイル的に多くのペダルは必要ないため、これさえあればライブは十分成り立つセッティングだという。
接続順は①~⑦の番号順。
③FULL-DRIVE 2は10年以上使い続けており、“歪みはずっとこれだけ”とのこと。現在はLEDも点かず、欠けたノブはギターのツマミで代用しており、かなり年季の入った1台。
④Q-Tron Plusはライブで多用しており、“トム・ミッシュっぽく、ネオソウル的なフレーズを弾く時は重宝してます”とKaneko。
ジョン・メイヤーが使用していたのをきっかけに導入したという⑦AQUA-PUSS MkⅡは、クリーン・トーンにショート・ディレイを若干かけて、フレーズに少し立体感を出したい時に使っている。“かけ具合は本当にわからないくらいのニュアンス程度に”とのこと。
作品データ
『The Neighborhood』
Michael Kaneko
origami PRODUCTIONS/OPCAa-1053/2022年6月29日発売
―Track List―
- RECIPE feat. ハナレグミ
- DRIVEAWAY feat. 藤原さくら
- SHIGURE feat. さらさ
- GIRLS feat. 大橋トリオ
- SANDIE feat. さかいゆう
- NEIGHBORHOOD ※ Interlude
- Breakdown feat. Daichi Yamamoto (Shingo Suzuki Remix)
- Through The Fire
―Guitarist―
Michael Kaneko