フェンダー・アメリカン・ビンテージ2とは? その歴史とラインナップを紹介 フェンダー・アメリカン・ビンテージ2とは? その歴史とラインナップを紹介

フェンダー・アメリカン・ビンテージ2とは? その歴史とラインナップを紹介

フェンダーが誇る名器を忠実に再現したというアメリカン・ビンテージ2(American Vintage II)シリーズ。そのルーツまでさかのぼりつつ、今作の概要と全ラインナップを解説しよう。

文=ashtei 機材撮影=星野俊(1977 Telecaster Customを除く)

*本記事はギター・マガジン2022年12月号の特集『FENDER AMERICAN VINTAGE Ⅱ feat. KENICHI ASAI:浅井健一が弾くフェンダーの”ニュー・ビンテージ”』の一部を抜粋・再編集したものです。
*このページでボディ・カラーの名前に(※)が付いているものは、フェンダー・オンラインショップのみで販売される限定色であることを意味します。

アメリカン・ビンテージ2とは?
その源泉から全体像を探る

原点は40年前のビンテージ・シリーズ

 2022年10月11日、フェンダーは新シリーズ、“アメリカン・ビンテージ2”を発表した。同シリーズは、フェンダーが1950~70年代を通じて発表した歴代の名器の中から、特に象徴的なモデルをピックアップし、当時の仕様を再現して現代によみがえらせたフラッグシップ・シリーズである。

 そのルーツは、1982年にさかのぼる。それまでフェンダーは、過去のギターの仕様を再現したリイシュー・モデルの製造をしたことがなかった。しかしながら80年代のビンテージ・ギター・ブームの煽りを受け、1982年に“ビンテージ・シリーズ”を発表。当時のギターのラインナップは’57ストラトキャスター、’62ストラトキャスター、’52テレキャスターの3機種だった。

 その後はシリーズ再編に伴い、1998年に“アメリカン・ビンテージ”と改名する。翌年には’62カスタム・テレキャスター、2004年には’69テレキャスター・シンラインと’72テレキャスター・シンライン、’72テレキャスター・カスタムが加わった。

 そして2012年、生産工程のすべてを見直し、大胆な仕様変更が完遂された“ニュー”・アメリカン・ビンテージ・シリーズが登場することになる。ストラトキャスター(’56、’59、’65)とテレキャスター(’52、’58、’64)のそれぞれ3モデルと共に、ファン待望だったジャズマスターとジャガー(2機種とも’65)が加わったことで話題を呼んだ。

 このように長きにわたって人気を博してきたアメリカン・ビンテージ・シリーズも2018年に一旦幕を引き、これに替わる新たなラインとして登場したのが“アメリカン・オリジナル”シリーズである。特定の年のモデルを復刻していた“アメリカン・ビンテージ”に対し、“アメリカン・オリジナル”は50年代、60年代、70年代の代表的な仕様を再現。さらに現代にマッチしたスペックも加えるという、ハイブリッドな仕様をあわせ持つ。このプレイヤー目線に立った作りゆえに、多くの人から支持を受けることになった。

オリジナルに肉薄する精度の高い再現度

 こうしてシリーズ誕生(1982年)から40年目の節目である今年に発表されたのが、“アメリカン・ビンテージ2”である。

 今回発表されたのはギター9モデル、ベース3モデルの全12機種。ギターの内訳はテレキャスター5機種、ストラトキャスター3機種、ジャズマスター1機種となる。また1951テレキャスター、1957ストラトキャスター、1961ストラトキャスターの3機種には、左利き用のモデルも用意された。

 各モデルは、カリフォルニア州にあるフェンダーのコロナ工場で精巧に作られる。また、どのモデルも各時代の仕様を再現したピックアップやネック・シェイプ、ビンテージ・スタイルのハードウェア、フェンダーらしいトーンウッドが採用されている。

 フィニッシュは、50~60年代仕様のモデルにはニトロセルロース・ラッカー、70年代仕様のモデルにはポリウレタンを使用。実器を見てフィニッシュで驚かされたのが70年代スペックのモデル群で、指板面とネック裏に対し、ヘッドだけが飴色のような色味をしていること。これは1968~82年頃の個体に見られる経年変化による塗装の色焼けで、この再現には驚いた。

 さらにラインナップの中で目を引くのが、1972年に登場したテレキャスターのバリエーション・モデル3機種を本シリーズでコンプリートしていることだ。しかも搭載しているワイド・レンジ・ハムバッカーは、オリジナルと同様の“CuNiFe”(銅/ニッケル/鉄による合金)によるマグネット・ポールピースを採用。これでオリジナルと完全に肉薄したことになる。

 各年式のビンテージ・スペックの再現度の高さは、本シリーズ最大の魅力ではあることは間違いない。しかし、その一方でストラトキャスター3機種(1957、1961、1973)およびテレキャスター2機種(1951、1963)については、PUセレクター・スイッチを含むコントロールをオリジナル・ワイアリングにせず、より使いやすい配線にするなど、プレイヤー目線に立った仕様を優先して採用している。こうした細かい箇所にまで目が行き届いた配慮こそ、このシリーズの優れた特徴の1つと言えるであろう。

全ギター・モデル解説

 次に、アメリカン・ビンテージ2にラインナップされたギターを、モデルごとに詳しく見ていこう。

*「※」が付いているカラーは、フェンダー公式オンラインショップ限定販売モデルとなる。

American Vintage II 1951 Telecaster

American Vintage II 1963 Telecaster(正面)
American Vintage II 1963 Telecaster(背面)

生産数が少なかったレア仕様を果敢に復刻

ヘッドのロゴ・デカールに“TELECASTER”というモデル名が入ったのが1951年8月末頃。よって同年製のテレキャスターは数が非常に少ないのだが、そんな超レア仕様を本器は果敢にも復刻している。

各所のネジ類はマイナス型で統一されているが、トラスロッド・ナット部のヘッド・ファスナーは1951年当時の製造仕様にのっとってプラス型を採用。

またコントロール類はボリュームとトーン、3ウェイPUセレクターはフロント/フロント&リア・ミックス/リアと、オリジナル仕様にあえてこだわらず、実用的な配線を採用している。

シリアル・ナンバーが刻印されたブリッジ・プレート
シリアル・ナンバーがブリッジ・プレートに刻印されているのは1954年までの仕様。ブラス削り出しの3ウェイ・サドルも50年代初期型を代表するスペックだ。

パネルを止めるマイナス型のネジ
ピックガードやコントロール・パネルを止める木ネジ、PUセレクター用のボルト・ ネジなど、ほとんどの箇所にマイナス型のネジを使用。

1951 Telecasterのカラー

バタースコッチ・ブロンドの色見本
バタースコッチ・ブロンド

【スペック】
●ボディ:アッシュ
●ネック:メイプル
●指板:メイプル
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’51シングルコイル・テレ×2
●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・3サドル・テレ with バレル・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・シングル・ライン・“フェンダー・デラックス”
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ツイード

【価格】
324,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1963 Telecaster

American Vintage II 1963 Telecaster(正面)

American Vintage II 1963 Telecaster(背面)

アルダー/マホガニーの新たなトーンウッドを用意

ネックと指板の接着面が曲面状になったラウンド・ローズウッド指板を採用した、1963年型テレキャスターのリイシュー・モデル。

3色用意されたボディ・カラーのうち、サーフ・グリーンと3カラー・サンバースト(※)はボディ材にアルダー、クリムゾン・レッド・トランスペアレントにはマホガニーが使用されている。

ブロンド・カラー/アッシュ・ボディから始まったテレキャスターだが、トーンウッドにバリエーションを持たせることで、テレキャスター特有のトゥワング・サウンドに新たなトーンが加わった。

クレイ・ドット
光沢がなく粘土状に見えることから命名された“クレイ・ドット”(クレイ=粘土)。1963年の仕様では、12フレット上にある2つのポジション・マークの間隔が狭くなる。

スパイラル・サドル
サドル自体に細かい溝が刻まれた通称“スパイラル・サドル”。リア・ピックアップは、各弦ごとにポールピースの高さが異なるスタガード仕様を採用している。

1963 Telecasterのカラー・バリエーション

サーフ・グリーンの色見本
サーフ・グリーン

クリムゾン・レッド・トランスペアレントの色見本
クリムゾン・レッド・トランスペアレント
3カラー・サンバーストの色見本
3カラー・サンバースト(※)

【スペック】
●ボディ:アルダー(サーフ・グリーン、3カラー・サンバースト)、マホガニー(クリムゾン・レッド・トランスペアレント)
●ネック:メイプル
●指板:ローズウッド
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’63シングルコイル・テレ×2
●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・3サドル・テレ with スレディッド・スティール・バレル・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・シングル・ライン・“フェンダー・デラックス”
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラウン

【価格】
313,500円~324,500円(税込)
※Surf Green/3TSは313,500円、Crimson Red Transは324,500円

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1972 Telecaster Thinline

American Vintage II 1972 Telecaster Thinline(正面)

American Vintage II 1972 Telecaster Thinline(背面)

固有の特徴を見事に再現

セミ・ホロウ・ボディを持つテレキャスター・シンラインは、1972年に2ハムバッカー・ピックアップ仕様にフル・モデル・チェンジとなるが、そんな同器をモチーフにした復刻モデル。

ワイド・レンジ・ハムバッカーのほか、マイクロ・ティルト付きの3ボルト・ネック・ジョイントや、ヘッドに配置されたブレット型のトラスロッド・ナット、6ウェイ・サドルのハードテイル・ブリッジなど、固有の仕様が見事に再現されている。

塗料は70年代スペックにならい、ボディとネック共にポリウレタンを使用。

ワイド・レンジ・ハムバッカー
本シリーズに搭載されているワイド・レンジ・ハムバッカーは、1981年以来生産されていなかったCuNiFeマグネットを復活させて完成した渾身作。

ブレット型のトラスロッド・ナット
テレキャスター型のヘッドで、ブレット型のトラスロッド・ナットを備えているのは、本モデルとテレキャスター・カスタム2ndバージョンの2機種のみ。

1972 Telecaster Thinlineのカラー・バリエーション

エイジド・ナチュラルの色見本
エイジド・ナチュラル

3カラー・サンバーストの色見本
3カラー・サンバースト
レイク・プラシッド・ブルーの色見本
レイク・プラシッド・ブルー

【スペック】
●ボディ:アッシュ
●ネック:メイプル
●指板:メイプル
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:オーセンティック・CuNiFe・ワイド・レンジ・ハムバッカー×2
●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・6サドル・ストリング・スルー・ボディ・ハードテイル with ベント・スティール・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・“フェンダー・“F”・スタンプ
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラック

【価格】
357,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1975 Telecaster Deluxe

American Vintage II 1975 Telecaster Deluxe(正面)

American Vintage II 1975 Telecaster Deluxe(背面)

専用パーツが多い個性派

ワイド・レンジ・ハムバッカーを搭載したテレキャスター・ファミリーの中で、フラッグシップ・モデルとして登場したのがテレキャスター・デラックス(初出は1972年)。

本器は1975年の仕様を再現したモデルだ。ラージ・ヘッドやボディ・バックのコンターなど、ストラトキャスターのスペックも持つ個性派である。

このほかにもフラットな指板やミディアム・ジャンボ・フレット、10.5㎜という狭いピッチのブリッジ・サドル、フェンダー純正のロトマティック・ペグなど、多くの専用パーツや仕様が付与されている。

9.5インチ・ラジアスの指板
1975“C”シェイプのメイプル・ネックには、ミディアム・ジャンボ・フレットを配し、本シリーズ内で唯一の9.5インチ・ラジアスの指板が採用されている。

ボディ・バックのコンター加工
ボディ・バックには、テレキャスター系列としては異例のコンター加工が施されている。ネック・ジョイントは、マイクロ・ティルト付きの3ボルト仕様だ。

1975 Telecaster Deluxeのカラー・バリエーション

3カラー・サンバーストの色見本
3カラー・サンバースト
ブラックの色見本
ブラック
モカの色見本
モカ

【スペック】
●ボディ:アルダー
●ネック:メイプル
●指板:メイプル
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:オーセンティック・CuNiFe・ワイド・レンジ・ハムバッカー×2
●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・6サドル・ストリング・スルー・ボディ・ハードテイル with ステンレス・スティール・ブロック・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・テレ・デラックス
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラック

【価格】
357,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1977 Telecaster Custom

シングルコイル×ハム 魅力のミックス・サウンド

1977年製のテレキャスター・カスタムの復刻モデル。

本器の特徴はフロントにワイド・レンジ・ハムバッカー、リアにテレキャスター・スタイルのシングルコイルという、絶妙とも言えるピックアップの組み合わせにあり、両PUのミックスをサウンド的にベスト・ポジションとして挙げる人は多い。

アルダー・ボディを彩るカラーは、オリンピック・ホワイトとブラック(※)、そして1977年にスタンダード・カラーとなったワインの3種類だ。

指板はメイプルとローズウッド(ラウンド貼り)の2タイプが用意されている。

ブレット・スタイルのトラスロッド・ナット
ヘッド側に設けられているため、調整が容易にできるブレット・スタイルのトラスロッド・ナット。ストリング・リテイナーは1~2弦用と3~4弦用の2つを備える。

ピックアップ
ピックアップはフロントにCuNiFe・ワイド・レンジ・ハムバッカー、リアにピュア・ビンテージ・‘77・シングルコイル・テレをマウント。
6ウェイ・ブリッジ
1974年頃にはテレキャスターの交換用パーツとして6ウェイ・ブリッジが販売されていたが、同時期よりテレキャスター・カスタムにマウントされることになる。

1977 Telecaster Customのカラー・バリエーション

ワインの色見本
ワイン
オリンピック・ホワイトの色見本
オリンピック・ホワイト
ブラックの色見本
ブラック(※)

【スペック】
●ボディ:アルダー
●ネック:メイプル
●指板:メイプル(ワイン、ブラック)、ローズウッド(オリンピック・ホワイト)
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:オーセンティック・CuNiFe・ワイド・レンジ・ハムバッカー(フロント)、ピュア・ビンテージ・’77・シングルコイル・テレ(リア)
●コントロール:ボリューム×2、トーン×2、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・6サドル・テレ with スラティッド・スティール・バレル・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・“F”・スタンプ
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラック

【価格】
313,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1957 Stratocaster

American Vintage II 1957 Stratocaster(正面)

American Vintage II 1957 Stratocaster(背面)

固有のフィーリングを再現 歴代でも代表的な年式

歴代ストラトキャスターの中でも、50年代を代表する年式の1つが1957年製であろう。

本器は1957年製の実器からプロファイルされたデータをもとに作られており、ボディのトップとバック共に深めでなめらかに加工されたコンターや、7.25インチ・ラジアスのメイプル指板を備えたVシェイプ・ネックなど、この年式が持つ固有のフィーリングを見事に再現。

塗料にはニトロセルロース・ラッカーを使用。ボディ材は、2カラー・サンバーストとシーフォーム・グリーンのカラーがアルダー、ビンテージ・ブロンド(※)はアッシュとなる。

ピュア・ビンテージ・‘57・ストラトキャスター・ピックアップ
本シリーズでは、各年式のトーンをボイシングした専用ピックアップを搭載する。本器はピュア・ビンテージ・‘57・ストラトキャスター・ピックアップを3基マウント。

Vシェイプ・ネック
1957年仕様の最大の特徴はやはり、クラプトンも愛したVシェイプ・ネックだ。握った際のグリップ感はひと癖あるが、一度ハマると抜け出せない。

1957 Stratocasterのカラー・バリエーション

シーフォーム・グリーンの色見本
シーフォーム・グリーン

2カラー・サンバーストの色見本
2カラー・サンバースト
ビンテージ・ブロンドの色見本
ビンテージ・ブロンド(※)

【スペック】
●ボディ:アルダー(シーフォーム・グリーン、2カラー・サンバースト)、アッシュ(ビンテージ・ブロンド)
●ネック:メイプル
●指板:メイプル
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’57・シングルコイル・ストラト×3
●コントロール:ボリューム、トーン×2、5ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・シンクロナイズド・トレモロ with ベント・スティール・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・シングル・ライン・“フェンダー・デラックス”
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ツイード

【価格】
313,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1961 Stratocaster

American Vintage II 1961 Stratocaster(正面)

American Vintage II 1961 Stratocaster(背面)

約3年の短期間のみ製造 スラブ・ボード期の名品

ローズウッド指板とメイプル・ネック本体の接着面を平面で接着したスラブ・ボードは、1959~62年という短い期間しか製造されなかったレアな仕様。本器はその中から生産量が安定していた1961年製がチョイスされている。

カラーはオリンピック・ホワイトと3カラー・サンバーストに加え、人気色のフィエスタ・レッド(※)がラインナップ。

なお、本器を含むストラトキャスター・モデルの3機種では、コールド・ロールド(冷間圧延)スティール・ブロックとベント・スティール・サドルを備えた、シンクロナイズド・トレモロが搭載されている。

コントロール部
ストラト・モデルの全3機種には、5ウェイPUセレクター・スイッチを採用。2つのトーン・コントロールはフロント/センターPU共用と、リアPU専用という組み合わせだ。

スラブ・ボード
スラブ・ボードは、後年に仕様変更となるラウンド・ボードよりローズウッドが厚い。ナット上部の接着面が凸状に出っ張っているのがスラブ・ボードを見分けるポイントだ。

1961 Stratocasterのカラー・バリエーション

オリンピック・ホワイトの色見本
オリンピック・ホワイト
3カラー・サンバーストの色見本
3カラー・サンバースト
フィエスタ・レッドの色見本
フィエスタ・レッド(※)

【スペック】
●ボディ:アルダー
●ネック:メイプル
●指板:ローズウッド
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’61・シングルコイル・ストラト×3
●コントロール:ボリューム、トーン×2、5ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・シンクロナイズド・トレモロ with ベント・スティール・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・シングル・ライン・“フェンダー・デラックス”
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラウン

【価格】
313,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1973 Stratocaster

American Vintage II 1973 Stratocaster(正面)

American Vintage II 1973 Stratocaster(背面)

多くの仕様が変化したCBS期を象徴する1本

ラージ・ヘッド、ブレット・トラスロッド・ナット、3ボルト・ネック・ジョイントなど、70年代のCBSフェンダーを象徴するスペックを持った1973ストラトキャスター。

塗料は、ボディとネック共にポリウレタンを使用。

ボディ・カラーにより、指板とピックガードの仕様が異なる。印象的なブラウン・カラーのモカはメイプル指板/ブラック3プライ・ガード、レイク・プラシッド・ブルーはメイプル指板/ホワイト3プライ・ガード、エイジド・ナチュラル(※)がローズウッド指板/ホワイト3プライ・ガードとなる。

ネック・ジョイント・プレート
マイクロ・ティルト付きの3ボルト仕様のネック・ジョイント・プレート。マイクロ・ティルトは、ネックの仕込み角度の調整を行なうことができる。

“Fキー”のペグ
ストラトキャスターでは1968年より採用となる“Fキー”のペグ。本器のほか、1972テレキャスター・シンラインと1977テレキャスター・カスタムに搭載。

1973 Stratocasterのカラー・バリエーション

モカの色見本
モカ
レイク・プラシッド・ブルーの色見本
レイク・プラシッド・ブルー
エイジド・ナチュラルの色見本
エイジド・ナチュラル(※)

【スペック】
●ボディ:アッシュ
●ネック:メイプル
●指板:メイプル or ローズウッド
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’73・シングルコイル・ストラト×3
●コントロール:ボリューム、トーン×2、5ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ブリッジ:アメリカン・ビンテージ・シンクロナイズド・トレモロ with “アッシュ・トレイ”・ブリッジ・カバー
●ペグ:ピュア・ビンテージ・フェンダー・“F”・スタンプ
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラック

【価格】
324,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

American Vintage II 1966 Jazzmaster

American Vintage II 1966 Jazzmaster(正面)

American Vintage II 1966 Jazzmaster(背面)

豪華なルックスに仕立てた改変期の実器を再現

1966年、当時のラインナップの中では上級機種にあたるジャズマスターは、外観をさらに豪華に見せるための仕様変更が行なわれた。

指板の外周にはホワイトのバインディングを施すと同時に、ポジション・マークにはパーロイド材のブロック・インレイを採用。また、1964年からはメタル・トップのアンプ・ノブ(ホワイト)が装着されている。

カラーはダコタ・レッドとレイク・プラシッド・ブルー(※)、3カラー・サンバーストの3色。前者2つは3プライのホワイト・ガードにマッチング・ヘッド仕様、後者は4プライのべっ甲ピックガードだ。

バインディングとパーロイド・ブロック・インレイ
ローズウッド指板の外周にはホワイト・バインディングが巻かれ、ポジション・マークにはパーロイド・ブロック・インレイを採用。

アンプ・ノブ
フェンダー・アンプに使われたノブと同種類の“アンプ・ノブ”。その形状がメキシコのつば広の帽子に似ていることから“ソンブレロ”という愛称も持つ。

1966 Jazzmasterのカラー・バリエーション

ダコタ・レッドの色見本
ダコタ・レッド
3カラー・サンバーストの色見本
3カラー・サンバースト
レイク・プラシッド・ブルーの色見本
レイク・プラシッド・ブルー(※)

【スペック】
●ボディ:アルダー
●ネック:メイプル
●指板:ローズウッド
●フレット:21
●スケール:648mm
●ピックアップ:ピュア・ビンテージ・’66・シングルコイル・ジャズマスター×2
●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター、リズム・サーキット・コントロール
●ブリッジ:ピュア・ビンテージ・ジャズマスター with スレディッド・スティール・バレル・サドル
●ペグ:ピュア・ビンテージ・シングル・ライン・“フェンダー・デラックス”
●付属ハードケース:ビンテージ・スタイル・ブラック

【価格】
357,500円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp