自らメインテナンスも行ない、数々の貴重なビンテージ・アンプを最高の状態で鳴らしている、魚頭圭。今回は、CONGRATULATIONSのライブや、セルフ・タイトル・アルバムの制作でも活躍した3台を撮影した。レジェンド級の名機たちを、とくとご覧あれ。
文=福崎敬太 写真=星野俊
Amplifiers
1965 Marshall 1962 Super Tremolo MkⅣ 2×12″ Combo
ほどよい暴れ具合も使いやすい名機
CONGRATULATIONSのライブ、およびセルフ・タイトル作のレコーディングでもメイン・アンプの、1965年製マーシャル1962。耐入力25W程度の12インチ・スピーカーが2発に対して、アンプ部の出力が35W程度のため、しっかりとスピーカーが揺れる。それに加えてオープン・バックでほどよく暴れるカッコ良い鳴りが得られるうえ、出力もちょうど良く使いやすいそうだ。
TREBLEが10、MIDDLEが4、BASSが5、PRESENCEが5程度。ボリュームはクランチ手前になる4くらいが基本セッティング。なお、トレモロは不使用。
1966 Marshall JTM45 Super Tremolo MkⅣ & 1966 Marshall 1960 4×12″ A Cabinet
高域の艶が魅力の、ビシッとくる音
鈴鳴り感のあるセレッションG12アルニコ・スピーカーを4基搭載した1960Aキャビネットと、貴重な1966年製JTM45。レコーディングでは18インチ・スピーカーを搭載したマーシャル製キャビネットとも組み合わせたそうだ。ライブでは使用しない。
チャンネル1のハイ・インピーダンス側に入力し、ボリュームは4程度でクランチ手前に設定。TREBLEが10、MIDDLEが4、BASSが5、PRESENCEが5あたりが基本セッティングだが、ストラトキャスターを使う際はPRESENCEを少し下げたりと、ギターによって微調整して使用する。
1965 Selmer Treble & Bass Mk2 & GOLIATH 1×18″ Cabinet
大口径スピーカーが実現する、低音の“透明感”
ピンク・フロイドのシド・バレットも使用していたセルマーのTreble & Bass Mk2。CONGRATULATIONSではおもにライブで使用するという本機は、15年前にイギリスから輸入し、Z時代から愛用する逸品だ。キャビネットは一般的にベース・アンプやウーハーに使用される18インチだが、耐入力は50Wのため、しっかりとスピーカー自体が揺れて“低音の透明感”が得られるそうだ。
ノーマル・チャンネル側に入力し、TREBLEは5〜6、BASSは8、VOLUMEはクランチ手前の5程度にセッティング。低音を上げているが、ハリのある音が得られる。
作品データ
『CONGRATULATIONS』
CONGRATULATIONS
LIKE A FOOL RECORDS/LFR-021(10inch)/2022年8月3日リリース
―Track List―
01. 25
02. End of the other world
03. 時代
04. BOYS BE
―Guitarist―
魚頭圭