フォンテインズD.C.の音像を生み出すコナー・カーレイの“Twin Reverbサウンド” フォンテインズD.C.の音像を生み出すコナー・カーレイの“Twin Reverbサウンド”

フォンテインズD.C.の音像を生み出す
コナー・カーレイの“Twin Reverbサウンド”

アイルランド出身の5人組“次世代ポスト・パンク・バンド”、フォンテインズD.C.が、2023年2月18日に渋谷Spotify O-EASTで来日公演を開催。今回はそのライブ・リハーサルにて撮影した、コナー・カーレイ(g)の使用アンプをご紹介。シンプルなバンド・アンサンブルの中で、圧倒的な存在感を放つ彼のサウンド・メイクのこだわりを、本人へのインタビューを交えて紐解いていこう。

文/質問作成=伊藤雅景 インタビュー/翻訳=トミー・モリー 機材写真=星野俊 ライブ写真=古渓一道

Amplifier

Fender/’68 Custom Twin Reverb

Fender/'68 Custom Twin Reverb
Fender/’68 Custom Twin Reverb

フォンテインズD.C.のライブにTwin Reverbはマスト!

今回の公演でコナーが使用していたアンプはフェンダー’68 Custom Twin Reverb。シルバーフェイス期の68年製Twin Reverbを現代に復刻したリイシュー・モデルだ。こちらはコナーが日本でレンタルしたものだが、どの会場でもできるだけ同モデルを選ぶようにしているそうだ。また、本機の右側にはサブのアンプとして、会場のTwin Reverbがセッティングされていた。なお、フォンテインズD.C.のもう1人のギタリスト=カルロス・オコンネル(g)も同じシルバーフェイスのTwin Reverbを使用している。

Setting

Fender/'68 Custom Twin Reverbのセッティング。
Fender/’68 Custom Twin Reverbのセッティング。

Twin Reverbのセッティング。VINTAGE CHANNELのINPUT1を使用し、BRIGHT SWITCHをオン。ツマミは左からVOLUME=5、TREBLE=5.9、MIDDLE=5、BASS=5、REVERB=5、SPEED=5.8、INTENSITY=3.9。

Others

Pedalboard

アンプの裏側に設置された小型ボード。
アンプの裏側に設置された小型ボード。

アンプ裏に設置された小型ボードは、コナーがエレキ・ギターとアコギを持ち替えた際に、ローディーが出力先を切り替えるためのものだ。

コナーの足下にあるペダルボードからの信号は、オレンジ色のA/Bボックス①(Bright Onion Pedals/AB Switch Pedal)へ入力される。エレキ・ギターの時はチャンネルAを選択し、Twin Reverbへ。アコギの時はチャンネルBを選択し、DI②(Radial/J48)を経由してPAへと信号が送られている。①+②の電源供給には③VOODOO LAB/Pedal Power 2 Plus(パワーサプライ)を使用。


THD/HOTPLATE 4Ω

THD/HOTPLATE 4Ω(アッテネーター):前面
THD/HOTPLATE 4Ω(アッテネーター):前面
THD/HOTPLATE 4Ω(アッテネーター):背面
THD/HOTPLATE 4Ω(アッテネーター):背面

アンプの上にはTHD製のHOTPLATE 4Ω(アッテネーター)が置かれていた。Twin Reverbのスピーカー・アウトから本機のINPUTへ入力され、SPEAKER OUTPUTS 1からアンプのスピーカー・ユニットへと接続されている。コナーが理想とする音量では最前列のオーディエンスにストレスがかかってしまうため、PAエンジニアが設置を求めたそうだ。

Interview about Amplifier

俺好みの“スパイキー”なサウンドになってくれるんだ──コナー・カーレイ

コナー・カーレイ(g)
コナー・カーレイ(g)

アンプはシルバーフェイスのTwin Reverbでしたね。今回はレンタルでしたが、どの会場でもこのモデルを選んでいるのですか?

 そうだね。俺とカルロス(オコンネル/g)はどの会場でもTwin Reverbを選んで使っているよ。俺らはエフェクターのサウンドを軸に音色を考えているから、アンプそのもののキャラクターが濃い機種はなるべく避けたいんだ。Twin Reverbは綺麗なクリーンが鳴ってくれるから、そういう用途にはもってこいだよ。それに、どのツアー先でもたいてい手に入るっていうところもポイントだ。

 VOXのアンプを使っていたこともあるけど、会場ごとの個体差が大きすぎるのが難点だね。その一方で、Twin Reverbはどこで借りても想像どおりの安定したサウンドが得られると思ってる。

 あと、内蔵のリバーブとトレモロもアメイジングで気に入っているんだ。リバーブのかけ具合は、会場のサイズや部屋鳴りに合わせて毎回変わってくるかな。エフェクターのリバーブと違って、“グチャグチャ”に音が飽和しないのが特にお気に入りポイントだ。

 セッティングのミソは、TREBLE以外のツマミをほぼ5(フラット)にして、TREBLEだけを少しだけ上げめにすることだ。そうすることでしっかりと低音も鳴るし、俺好みの“スパイキー”なサウンドになってくれるんだ。

作品データ

『スキンティ・フィア』
フォンテインズ D.C.

『スキンティ・フィア』
フォンテインズD.C.

ビッグ・ナッシング/PTKF3016-2J/2022年4月22日リリース

―Track List―

  1. In ár gCroíthe go deo
  2. Big Shot
  3. How Cold Love Is
  4. Jackie Down The Line
  5. Bloomsday
  6. Roman Holiday
  7. The Couple Across The Way
  8. Skinty Fia
  9. I Love You
  10. Nabokov

―Guitarists―

コナー・カーレイ、カルロス・オコンネル