TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』“結束バンドLIVE-恒星-”で生本直毅&五十嵐勝人が使用した機材 TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』“結束バンドLIVE-恒星-”で生本直毅&五十嵐勝人が使用した機材

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』“結束バンドLIVE-恒星-”で生本直毅&五十嵐勝人が使用した機材

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中で登場する、“結束バンド”のライブ・イベント“結束バンドLIVE-恒星-”が、2023年5月21日にZepp Haneda(TOKYO)で開催された。そこでギター・パートを奏でた生本直毅&五十嵐勝人の使用ギター、ペダルボードの写真を入手! その内容を見ていこう。

文=編集部 写真提供=アニプレックス

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『ギター・マガジン 2023年8月号 特集:ぼっち・ざ・ろっく』

定価:1,430円(本体1,300円+税10%)

生本直毅(後藤ひとりパート担当)の使用機材

Gibson/Historic Collection 1959 Les Paul Standard Reissue HRM

Gibson/Historic Collection 1959 Les Paul Standard

美しいレモンドロップ

後藤ひとりパートを担当した生本直毅のメイン・ギターは、愛器ギブソン・レス・ポール・スタンダード。「青い春と西の空」を除く、すべての曲で使用した。その理由について、生本はこう語る。

ぼっちちゃんがアニメの中でもレス・ポールを使っているのと、4月のライブで三井律郎さんも同じヒスコレのレス・ポールを使っていたので、サウンド的にも、プレイ面でも最適かなと思いました。

また、バッキング・ギターを担当してくれた五十嵐勝人さんのTLサウンドとも差別化できて、いいアンサンブルになると思い使用しました。

入手したのは2010年頃で、中学1年生の時にX JAPANのライブ・ビデオでPATAが弾く1959年製レス・ポールを見て以来、憧れの1本だったとのこと。

サステインや抜けの良さ、色っぽいサウンドがお気に入りで、ピックアップはリアを軸にプレイによって変えるそうだ。

コンデンサーを50年代のバンブルビーに、配線材やジャックをビンテージのデッドストック品に、ピックアップをリンディ・フレーリン製に交換している。


Pedalboard

生本直毅のペダルボード

【Pedal List】
①Jim Dunlop/GCB-95 Cry Baby Wah(ワウ・ペダル)
②Free The Tone/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
③Free The Tone/ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
④Line 6/HX Stomp(マルチ・エフェクター)
⑤Wampler Pedals/Tumnus(オーバードライブ)
⑥VEMRUM/Jan Ray(オーバードライブ)
⑦Analog Man/Ibanez TS9 Mod.(オーバードライブ)
⑧Xotic/EP Booster(ブースター)
⑨BOSS/TU-3s(チューナー)
⑩Kenton/Turu-5(MIDIスルー・ボックス)
⑪Ex-pro/PS-2(パワー・サプライ) 

現代的なサウンド・システム構築術

生本のペダルボードは、4ケーブル・メソッドを取り入れた、現代的な構成となっている。その概要を見ていこう。

まず信号経路だが、文字による説明だと長くなり過ぎてしまうため、以下概略図を参照いただきたい。

生本のサウンド・システム概略図
生本のサウンド・システム概略図

マルチ・エフェクター④のセンド/リターン内に歪み系⑤〜⑧とアンプのサウンドを組み込み、④と③のプログラム内でシグナル・チェーンを組み上げているようだ。これにより、“歪みの前段にかけたいエフェクトと、後段にかけたいエフェクトを使い分けている”という。

“アンプをある程度歪ませた状態にセッティングしておいて、そのプッシュ具合を各エフェクターで調整しています”とのことで、オーバードライブ3台とブースター1台がその役割を担う。“ボグナーの2ch、3chと各エフェクターの組み合わせで、歪みやボリュームの段階をつける”そうだ。

④HX Stompではピッチ・シフト系、モジュレーション系、空間系のエフェクトをおもに使用する。おそらく「フラッシュバッカー」などを始めとするディレイ・サウンドは本機によるものだろう。また、ワウ①は「星座になれたら」のリフで使用した。

五十嵐勝人(喜多郁代パート担当)の使用機材

G&L/ASAT Classic

G&L/ASAT Classic

貫禄のASAT Classic

喜多郁代パートを担った五十嵐勝人がメイン・ギターとして使用したのは、G&LのASATクラシック。20年ほど前に入手した1本で、ボディの焼け具合や金属パーツの錆びに歴戦の貫禄を感じる。音源を聴いてTLタイプが合うと判断して起用された。

ピックガードにハムバッカー・サイズの穴があり、ブリッジ・プレートの横に2つのビス痕とザグリの影が見えるが、以前はフィルタートロン・ピックアップを搭載していたそうだ。現在はフェンダー製のテレ・ピックアップに変更している。

お気に入りのポイントは“所有しているTLタイプの中で一番弾きやすく、22フレットまであること”。


Pedalboard

五十嵐勝人のペダルボード

【Pedal List】
①Providence/PAC-101S(ジャンクション・ボックス)
②Xotic/SP Compressor(コンプレッサー)
③Free The Tone/DVL-1L(ボリューム・ペダル)
④Jim Dunlop/Cry Baby 95Q Wah(ワウ・ペダル)
⑤BOSS/MS-3(マルチ・エフェクター/スイッチャー)
⑥Universal Audio/UAFX Dream ’65 Reverb Amplifier(アンプ・シミュレーター)
⑦FreQuency Freak/2520 Pre(プリアンプ/DI)
⑧Johnny Sound/Dual-J(オーバードライブ)
⑨Om Laboratories/SAHASRARA(オーバードライブ)
⑩Leqtique/Maestoso(オーバードライブ) 
⑪KORG/Pitchblack(チューナー)
⑫Custom Audio Japan/DC/DC Station II(パワーサプライ)

現場主義を感じるペダル・ラインナップ

ステージ上にはアンプを置いていた五十嵐だが、ペダルボードを見ると、アンプ・シミュレーターを経由してPA卓へキャノンで出力されている。

ギターからの信号順は、ジャンクション・ボックス①から⑥まで番号どおりで、①を経由して⑦へと送られ、XLR端子から出力されている。⑧〜⑩はスイッチャー⑤のループにつながれ、⑪はボリューム・ペダル③のチューナー・アウトに接続。

マルチ・エフェクター/スイッチャー⑤のアウトが2系統あり、R側の出力先が写真からは判断できなかった。アンプ・シミュレーター⑥をとおらない信号として、ステージのナカ音用にアンプへと出力されているのかもしれない。

アンプ(シミュレーター)の設定はクリーンにしており、⑧でクランチと歪みが強めのクランチ〜オーバードライブを切り替え、⑨でオーバードライブ・サウンドに。⑩はブースト用に踏む。

②は気分でオンにするそう。空間系のエフェクトはすべて⑤によるもの。

写真右下にはIKマルチメディアのiRig BlueTurn(ブルートゥース・フットスイッチ)のようなものも。譜面送りなどで使用していたのだろうか。

ギター・マガジン2023年8月号表紙

ギター・マガジン2023年8月号
特集:ぼっち・ざ・ろっく!
2023年7月13日(木)発売