Chase Blissの代表モデル=MOODが機能&サウンドの両面でアップデート その実力を西田修大と徹底解剖 Chase Blissの代表モデル=MOODが機能&サウンドの両面でアップデート その実力を西田修大と徹底解剖

PR

Chase Blissの代表モデル=MOODが機能&サウンドの両面でアップデート その実力を西田修大と徹底解剖

実験的でクリエイティブなエフェクターの数々で注目を浴びているChase Bliss。彼らの代表作とも言えるマイクロ・ルーパー&空間系ペダルのMOODが、このたび“MOOD MKⅡ”として生まれ変わった。機能性とサウンドの両面で大きな進化を遂げて、ギタリストの創造性をさらに加速させる本モデルを紹介していこう。

取材・文:田中雄大 撮影:山川哲矢
※本記事はギター・マガジン2023年9月号にも掲載されています。

西田修大がMOOD MKIIのサウンドをチェック!

MOOD MKIIの基本情報

Chase Bliss/MOOD MKII

Chase Bliss/MOOD MKII
チェイス・ブリス ムード・マークⅡ/65,890円(税込)

空間エフェクトとルーパーが織りなす
摩訶不思議で刺激的なムード

 2013年にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで発足したChase Bliss。彼らが掲げる“Digital Brain. Analog Heart”というスローガンのとおり、様々なサウンドの創造を可能にする多機能性を秘めながら、同時にプレイヤーの直感性を最大限に重視する、オリジナリティの高い製品がこのブランドの魅力である。プリセットごとに自動で動くモーター・フェーダーを搭載したドライブ・ペダルのPreamp MKⅡや、多層的なループ録音に対するエフェクトをリアルタイムで操ることができるルーパー、Blooperなどはその良い例だろう。

 そんなChase Blissにおいて、ベストセラーとして同ブランドの評価を決定づけたのがMOODだ。3種類の空間系エフェクトと、常に自分の演奏を録音し続けるマイクロ・ルーパーを2ch仕様にしたこのモデルは各チャンネルが相互関係にあり、例えばループに対してディレイをかけた信号がまたループに入り、再びディレイがかかり……といった連鎖が無数にくり返される。さらに、両チャンネルのサンプルレートを可変させる“CLOCK”ツマミを回すことでシグナルが有機的に変化し続け、プレイヤーの予測や意図を飛び越えた不思議な音世界に導いてくれるのだ。

 そしてこのたび発売されたMOOD MKⅡは、オリジナルのMOODに対して寄せられたユーザーからのリクエストを反映しつつ、サウンドと機能の両面で大幅なアップデートを遂げたモデルである。具体的な変更点は数多いが、大きなポイントとしてはステレオ入力&ステレオ出力に対応したことが挙げられる。そのおかげでキーボード/シンセサイザーとの組み合わせやDTM環境においては利便性が向上しており、ギタリストにとってはアンプ2台を同時にステレオで鳴らす使い方が可能となった。また、ルーパーの録音時間が2倍の長さになったり、制限なくオーバーダブすることが可能になっていたりと、先代の“ここがもう少しこうだったら良いのに”といった点が改良されているのだ。

 サウンド面でもオリジナルが持っていた“クセ”が調整され、空間系エフェクトの音質やツマミの挙動などが全体的により扱いやすく変更されている。逆に先代MOODのそうした“クセ”を求める場合は、筐体側面のdipスイッチから“CLASSIC”モードを選択することでオリジナルと同じサウンドを出すことも可能だ。

 計16個もあるdipスイッチや、モードごとに役割が変わるツマミ、特定の操作で呼び出せる“秘密のオプション”など、コンパクトな筐体に数多くの機能が詰め込まれているMOOD MKⅡ。WEB上でダウンロードできるユーザー・マニュアルはなんと約50ページものボリュームがあり、とても誌面上で説明することはできないのだが、その最初のページにはこう書かれている。

 “MOODは音をぐちゃぐちゃにするために生まれました。あなたは理解しなくていいし、多分理解しないほうがいいかも。オンにして、驚いて、新しいサウンドを探しましょう”。

 一見すると扱いが難しそうに見えるペダルだが、ひとまずツマミやスイッチはなにも気にせず、ギターをつないだらまずは思うままにいじり回してみるのがMOOD MKⅡの正しい楽しみ方なのである。そして、その中で“こうしてみたい”というアイディアが浮かんできたら、それを実現する方法は必ず各機能のどこかに用意されている。

DETAILS

筐体側面のdipスイッチ
筐体側面のdipスイッチ。エクスプレッション・ペダルをアサインするパラメーターを選択したり、ドライ音を消したりと色々な役割があるが、まずはすべてオフから始めることが推奨されている。
モノラル/ステレオ兼用のインプット・ジャック
インプットとアウトプットの端子はそれぞれモノラルとステレオ兼用で1つずつなので、ステレオ入力や出力をする際はY字のデュアルTSケーブルを用意しよう。
フット・スイッチの間にあるトグル・スイッチ
フット・スイッチの間にあるトグル・スイッチでは、左と右のポジションでそれぞれ1つのプリセットが保存可能。中央の状態では現在のセッティングを反映する。
初代MOOD
2019年に発売された初代MOOD(現在は販売終了)。

次ページ|西田修大による試奏コメント

Chase Bliss
MOOD MKII

【スペック】
●コントロール:
<共通コントロール>MIX、CLOCK、ROUTING、PRESETS、dipスイッチ×16個
<ウェットch>TIME、MODIFY、MODE(REVERB/DELAY/SLIP)
<マイクロ・ルーパーch>LENGTH、MODIFY、MODE(ENV/TAPE/STRETCH)
●入出力端子:インプット(STEREO)、アウトプット(STEREO)、EXP/CV、MIDI/EXT、Micro USB Type-B
●電源:9Vアダプター
●外形寸法:74(W)×124(D)×60(H)mm
●重量:375g

【価格】
65,890円(税込)

【問い合わせ】
アンブレラカンパニー TEL:042-519-6855 https://umbrella-company.jp/