プログレッシブ・フュージョン・バンド、アーチ・エコーの来日公演が2023年9月19日に渋谷クラブクアトロで開催された。今回は、ライブでアダム・ラフォウィッツ(g)が使用したギターとサウンド・システムを紹介しよう。彼の極太なリード・サウンドを生み出すギアは要チェック!
取材/文=伊藤雅景 インタビュー/翻訳=トミー・モリー 機材写真=大谷鼓太郎
Guitars
.strandberg*/Boden Prog NX 7
インパクト抜群なヘヴィ・サウンドを奏でた1本
ラフォウィッツのメイン・ギターはスウェーデンのギター・ブランド、ストランドバーグのBoden Prog NX 7。パープルに彩られた美しいキルト・メイプル・トップのボディが印象的な1本だ。
来日公演では、1曲目の「Red Letter」(『Final Pitch』収録)の冒頭でトラブルが発生し、後述するサブに持ち替えた。そのため、本器のサウンドを十分に堪能することは叶わなかったが、イントロでは濃厚なリード・トーンを聴くことができた。
ピックアップにはコイルレス仕様のフィッシュマン製Fluence Modern pickupsを2基搭載しており、モダンなサウンドを奏でる。
.strandberg*/Custom Boden 7
来日公演で活躍したカスタム・オーダー・モデル
本器はラフォウィッツがストランドバーグにオーダーしたカスタム・モデル。本人のインスタグラム見る限り、2017年末頃から使用しているであろう1本だ。来日公演では前述のトラブルもあり、ほぼ本器のみでパフォーマンスを完遂。鋭さと温かさを両立したディストーション・サウンドを聴かせてくれた。
詳細な仕様は不明だが、インスタグラムの投稿につけられたタグから推測するに、ブラック・リンバ・バック&スポルテッド・メイプル・トップのボディ、ローステッド・メイプル・ネック、ジリコテ指板といったところだろうか。
Sound System
Fractal Audio Systems/Axe-Fx III MARK II
シンプルなセッティングを可能にする多機能ギター・プロセッサー
ライブのサウンドメイクを一手に担ったフラクタル・オーディオ・システムズのAxe-Fx III MARK II。写真上のQuad Cortexはアダム・ベントレーが使用していたもので、その下に重なる形でセットされていた。
新作『Final Pitch』(2023年)のレコーディングでは先代モデルのAxe FxII XL+を使用していたようだが、来日公演では新たにこの新型を導入。ギターの信号はシールドを介して、本機のインプットに直接接続されていた。信号はPA卓に直で送られており、キャビネットは使用していなかった。
作品データ
『Final Pitch』
アーチ・エコー
VAG/ZLCP-0428/2023年7月28日リリース
―Track List―
- Angry Sprinkles
- Aluminosity (feat. Jordan Rudess)
- Red Letter
- Final Pitch (feat. Anthony Vincent & Adrian Terrazas-Gonzalez)
- Cloudsplitter
- Battlestar Nostalgica
- Bet Your Life
- Gold Dust
- SUPER SUDDEN DEATH
―Guitarists―
アダム・ラフォウィッツ、アダム・ベントレー