ジミ・ヘンドリックスが使った“スパゲティ・ロゴ”のストラトキャスターに迫る連載企画。最終回は当然、ジミがステージで使用した“最後のスパロゴ”ストラトキャスター。当時“型落ちモデル”とみなされていた1本の結末とは?
文=fuzzface66 Photo by Eric Harlow/Daily Mirror/Mirrorpix via Getty Images
※文中のギターの年式表記は、各スペックから推測される最も近い年式を採用している。
1963 Fender Stratocaster Black
- フィニッシュ:3トーン・サンバースト
- 指板:ラウンド貼りローズウッド
- 使用期間 : 1968年8月頃
ラウンド貼りのローズウッド指板で12フレットのポジション・マークの間隔が狭く、ピックガード・ビスがセンターPU寄りに位置していることから、スパロゴ最終期の1964年製とみられる3トーン・サンバースト・ボディのモデル。
“型落ち”となった“スパロゴ”の結末
1968年の8月に入ってから新しく入手したものと思われる、3トーン・サンバーストの1本。
この頃には、メイン・ギターだけでなくサブとして用意されているものもラージ・ヘッド・モデル(1967年製と思われるサンバーストやアイス・ブルー・メタリック)に切り替わっており、そもそもスモール・ヘッド自体の使用が珍しくなっていた。
本モデルも今でこそ価値の高いビンテージ・ストラトキャスターだが、当時は“型落ちモデル”に過ぎず、そんなモデルをジミがステージで使うとなると、もう答えは予想どおり、“攻撃専用ギター”以外にないのである。
例に漏れず、こちらも派手な攻撃が加えられ、最終的には8月21日のシビック・ドームでバキバキに破壊された(当日のステージ写真では、ネックが折れ、下部も大きく欠損したボディだけの状態になったものが、宙を舞っている瞬間がとらえられている)。
これ以降、ジミのステージでは“スパロゴ”はもとより、スモール・ヘッドのストラトキャスターの使用も確認されていない。