E Ink社のディスプレイを採用し、優れたデジタル・ペン技術によって紙のような書き心地を実現した電子ペーパー端末の富士通QUADERNO(クアデルノ)。
初代は2018年にリリースされ、様々な資料の読み書きを行なうビジネスマンや学生だけでなく、多くの譜面を扱う音楽家にも支持されてきた。2021年には書きやすさと読みやすさを向上させた第2世代が登場し、より多くのユーザーがペーパーレスの生活に欠かせないツールとしてQUADERNOを活用するようになっている。
そして今年2月、楽譜がさらに使いやすくなる新たなアップデートが行なわれ、“音楽家のためのツール”としての機能性が高まった。ここでは、QUADERNOの性能を紹介すると共に、ギタリスト弓木英梨乃によるレビューをお届けする。
取材・文:今井悠介 写真:八島崇 デザイン:須藤廣高
【PR】問い合わせ:富士通クライアントコンピューティング QUADERNO公式サイト https://www.fmworld.net/digital-paper/top.html
富士通QUADERNOを“手書き派”弓木英梨乃が試す!
OVERVIEW
富士通/QUADERNO
まずは基本性能を紹介。思考を深めるためのツールとして、ただ書く/読むだけではない多彩な機能が満載の電子ペーパー端末になっている。
特徴① “まるで紙”なディスプレイ
搭載しているE Ink社のディスプレイは、内部にあるマイクロ・カプセルの移動によって描写を行なう。通常のパソコンやスマートフォンなどと違い、バックライトを使用せずに外部光の反射によって見ることができるのも特徴だ。まさに紙と同じような描写と視認性で、長時間の使用でも目が疲れにくくなっている。もちろん、デジタル端末ならではのタッチやスワイプ操作も可能だ。
特徴② 優れた検索&保存性
QUADERNO内のデータはフォルダで整理することができ、複製や移動などのファイル操作も容易に行なえる。ページの一覧表示や本文検索、☆などの手書きマークでの検索など、デジタルならではの検索機能も豊富に搭載。また、専用アプリQUADERNO PC App(Mac/Windows)/QUADERNO Mobile App(iOS/Android)と連携することで、データのやり取りやバックアップが可能だ。
特徴③ なめらかな書き味のスタイラスペン
専用スタイラスペンのペン先とQUADERNOのディスプレイの表面加工の組み合わせによって、紙+ペンのような書き味を再現した。ペン・ツールとして、ボールペン/万年筆/筆ペン/マーカー/ハイライト/消しゴムを用意。文字をマスクして暗記練習を行なうことも可能だ。スタイラスペンは2つのボタンを搭載しており、それぞれにツールや機能を割り当てることができる。
IMPRESSION by 弓木英梨乃
“紙とペンと変わらない感覚で楽譜にしっかりと書き込むことができます。”
普段から手書きの楽譜を使っているというギタリストの弓木英梨乃がQUADERNOをチェック! 音楽家のために開発された機能も試してもらい、そのインプレッションを語ってもらった。
書き直しも容易で消しゴムツールが優秀。
ちょうど譜面の電子化を考えていたそうですね。
そうなんです。理由の1つがライブでの見栄えですね。やっぱり最近は電子譜面にしている人も多くて、その中で私1人だけ大きな譜面台を置くと見栄えがあまり良くないなと思っていたんです。
紙の譜面を使ってきた理由はありますか?
小さい頃にバイオリンを始めたので、紙の譜面に慣れているということがあります。それに、“紙にペンで書き込む”という行為が凄く好きなんです。以前、タブレット端末を使って電子譜面に書き込むことも試してみたんですが、紙とは違う感覚なので書きづらさを感じました。
今回QUADERNOを試させてもらうにあたって、最初はスマホのようなディスプレイをイメージしていたんです。でも実機を試してみたところ、そういったディスプレイの感覚とはまったく異なり、紙とペンを使って書いているような感触を得られたので驚きましたね。自分の文字でしっかり書けるというのがうれしいです。
普段から譜面を使う機会は多いのですか?
はい。自分の楽曲だけでなく、サポートで参加する際の曲などもあり、ライブを行なうたびに使う譜面がどんどん増えていきます。いつも紙でプリントアウトして直接鉛筆で書き込んだりしているので、かなりの量になるんです。
ライブが終わった後でも、それらの曲は頑張って練習したものだし、思い出もあるのでなかなか捨てられないんですよね。でも電子楽譜であれば置き場所にも困らないし、しかもQUADERNOはとても軽量なので持ち運びも楽です。
またステージで譜面を使う場合、見やすさを考慮して鉛筆ではなくボールペンで書いたりするんですけど、そうすると後から修正できず、書き損じるとまた印刷して書き直すこともありました。QUADERNOであればいくらでも書き直しができるのも便利です。消しゴムツールが優秀で、消したいと思う箇所だけを的確に消してくれるのも嬉しいですね。
現場で使える実戦的な機能が嬉しい。
譜面の読み書きだけでなく、音楽家にとって使いやすい譜めくりなどの機能が搭載されていることも魅力的です。
実戦的な機能ですよね。ただ家での練習で使えるというだけでなくて、ライブやレコーディング現場での使用など、プロ目線でも考えて作られている印象を受けました。何十曲もある紙の譜面を手でめくっていくのは大変ですが、QUADERNOであればフット・スイッチを使ってめくることができます。しかもBluetooth接続が可能なので、ケーブルに悩まされることがないのも安心です。
QUADERNOはどういった人にオススメですか?
私は普段、日記やスケジュール帳も紙とペンで書いていますし、曲の歌詞を書く時も手書きにこだわっています。同じように、手で書くという行為に愛着を持っている人にはぜひ使ってみてほしいですね。電子端末での手書きに抵抗感を持っている人もいるかもしれませんが、このQUADERNOは本当に紙の上に書いているような感覚です。その上で、ピンチ・アウトで拡大して細かい文字を書くということも可能で、紙ではできない書き込み方が行なえます。アナログとデジタルの良いところが融合した、楽譜を扱うギタリストにとってとても便利に活用できる電子ペーパー端末になっていると思いますね。
POINT
POINT① 拡大&縮小で美しい譜面を書ける
スマホと同じようにピンチ・イン/アウトで画面の拡大/縮小ができるため、細かいフレーズなどの書き込みも簡単。演奏に欠かせない“見やすい譜面”を作ることが可能だ。ペン先で囲った場所を拡大する機能を使えば、狙った位置への書き込みも容易になる。
POINT② フット・スイッチでの譜めくりが可能
見開きでの表示も可能。指でのスワイプで譜めくりができるほか、Bluetooth接続したフット・スイッチでめくることもできる。演奏中に手が離せない場合に便利だ。
POINT③ 次ページを準備できる先読み設定
音楽家にとって難しいのが譜めくりのタイミング。例えば4ページの譜面を見開きで見る場合、通常であればめくってしまうと前のページは見えなくなるため、ギリギリのタイミングでめくるなど工夫が必要だ。しかしQUADERNOの先読み設定では今読んでいるページはそのまま、次のページを隣に表示することが可能。譜めくりタイミングに悩まされることなく演奏を行なえる。
富士通クライアントコンピューティング/QUADERNO
【価格】
QUADERNO A5(Gen. 2):参考価格49,800円
QUADERNO A4(Gen. 2):参考価格69,800円
【問い合わせ】
富士通クライアントコンピューティング QUADERNO公式サイト
https://www.fmworld.net/digital-paper/top.html
Profile
弓木英梨乃
ゆみき・えりの●1990年生まれのシンガー・ソングライター/ギタリスト。中学生の時にギターを始め、2009年にソロ・メジャー・デビュー。2013~2020年まではKIRINJIのメンバーとして活躍。秦基博や柴咲コウ、土岐麻子、吉澤嘉代子などを始めとする数多くのアーティストをサポートしてきた。2019年にはソロ・プロジェクト“弓木トイ”を始動し、YouTubeチャンネルを開設(チャンネル登録者数16万人以上)。2023年1月にはフェンダーアーティスト契約を締結。初心者から上級者まで多くのギタリストに支持されている。
公式HP:https://yumikitoy.mystrikingly.com/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC3jMy08han2ODgu-0L-zMVA/videosR4
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