夫婦YouTuber“ヨメトオレ”の動画には、様々なギターが登場する。その中の一部を紹介しようと写真の提供を依頼したところ、Marcoのギター愛が溢れて大量に画像が送られてきた(ありがとうございます!/笑)。これでもまだ一部ではあるが、せっかくなので一挙に掲載。また、Marcoのエレキ用サウンド・システムや録音環境についても簡単に解説していこう。
文=福崎敬太 写真=本人提供
Marco’s Guitars
Bacchus/“銀さん” Euphoreal Custom
様々な人の愛が宿るメイン・ギター
オークション・サイトで1万円ほどで購入し、多くのカスタマイズを施したメイン・ギター“銀さん”。ユーフォリアルのピックアップはMarcoをイメージして設計したもので、フロント/リアそれぞれで独立したコイルタップ・スイッチを装備。ボディ・トップのデコレーションは息子によるもの。
Bacchus/GIN-FORCE
“銀さん”を使いやすくしたシグネチャー・モデル
“銀さん”をもとに作られたシグネチャー・モデル。ネックをローステッド・メイプルに、コイルタップ・スイッチをビギナーでも使いやすいように1つに変更。ボディはニャトーを採用している。ネックを触った時の質感は本家よりも気に入っているとのこと。
Bacchus/GIN-FORCE made in ASUKA Factory
Marcoの誕生日に贈られた、“銀さん”最強Ver.
HEADWAYのカスタムショップ・シリーズなどを手掛ける飛鳥工場で作られ、Marcoの誕生日に贈られたという、特別なGIN-FORCE。バーズアイ・メイプルのネックやアルニコ4を採用したピックアップなど、Marcoの好みに仕様を変更。ノブもCharme De Magie製に交換。
Bacchus/JRP Surf Breaker “SB-HH”-’21WSE
虫食い被害を受けた木材にギターとしての人生を
虫食い被害で伐採された赤松を素材にする“アカマツ・ギター・プロジェクト”の一環として作られた1本で、モデル名のJRPはJapanese Red Pine=赤松を意味する。パイン材に近い倍音の出方で、“とにかく良い音がする”と印象を語ってくれた。Marcoは“赤松推し”とのこと。
YAMAHA/PACIFICA612V Ⅱ FM
ファンとの絆を感じる無二の1本
チャンネルの視聴者から“コスパ最強だから使って!”と送ってもらった1本。“いつかこれを持ってテレビに出る”と誓った覚悟から、“MRC”のステッカーをつけた。改造によってもっと良くなるポイントはあるが、“このままで使うことに意味がある”ということでもらったままの状態で使用している。
Momose/MC1-STD
友人が込めた愛を、Marcoが引き継ぐ
友人が結婚を機にギターを手放すことになり、楽器店への売却前にMarcoが元値で買い取った1本。弾き込まれたサウンドで、“ずっと持ち主に愛されてきたことがよくわかる”という。その友人がギターを再開する時にプレゼントしようと考えていたが、音が良いため迷い始めた模様。
STR Customshop/JTD0008
個性派なのに何でもこなせる!?
名匠ジェームス・タイラーがデザインを手掛けた、STRのJTD0008。美麗な杢目を持つ1ピース・フレイム・トチ・ボディを採用した1本で、Marcoは“ライブに1本だけ持っていくならこれ。弱点がなく何でもできる感じ”と語る。個性的で立ち上がりの良いサウンドが特徴とのこと。
Deviser Special Specification/Rosetta Vessel Premium
いずれは息子に引き継ぐ運命の1本
2022年の“ディバイザー大商談会”のために作られた1本で、シリアルナンバーがトノ(息子)の誕生日と同じだったためゲット。実際に弾いてみるとサウンドも好みで、25インチ・ネックも弾きやすくお気に入り。欅(けやき)ボディとメイプル・ネックの杢目も華やかだ。
Addictone/ARENA Custom
垂涎の極上バーズアイ・ネック
“極上のバーズアイ・ネックが入荷した”との報を受け、すぐに事務所へと行きオーダーした1本。ボディ・トップがアッシュでバックがアルダーという材構成で、サウンド的にも“両者の良いとこ取り”とのこと。入手後にピックアップをEvertone製に交換している。“超万能に使える1本”だそう。
Addictone/ARENA #500
生音で購入を即決したシリアルナンバー#500
アディクトーンの記念すべき500本目のギター。“出来が良いから触ってみて”と言われ、生音を鳴らした瞬間に“これ買います”と購入を決断した。ハムバッカーらしさとシングルコイルのような輪郭を両立する、Marcoが長年追い求めていた理想のサウンドを実現してくれたようだ。
Addictone/ARENA ECHO Prototype
制作途中に惚れ込み、すぐに予約
アディクトーンの工房で制作途中だった1本に惚れ込み、その1年後に手元に届いたARENA ECHOのプロトタイプ。レスポンスが良く、サウンドの粘りもあるというバランス感がお気に入りポイント。ボディのデコレーションは初代銀さんと同様、息子の手によるもの。
dragonfly/HI TEE CUSTOM
Marcoのメタル魂が騒ぎ出す!
キルト・メイプル・トップにマホバニー・バックという要素にレス・ポールらしさを感じるというドラゴンフライのTLタイプ。同社製ハムバッカーを2基搭載しており、“メタル魂が騒ぎ出した時に持つ”とのこと。クリーン・トーンも絶品で、艶とハリ感がある音色が特徴だと語る。
Infinite/Trad Full Size T
初のインフィニットは衝動買い
インフィニットのギターを触ったことがない頃、代表の八田聡氏に相談して7弦のTLタイプをオーダーしようとしたところ、“まずは一度うちのギターを触ってみて”とサンプルとして送られた1本をそのまま購入。“弾きやすすぎて戸惑った”と絶賛。ルックスもお気に入りとのこと。
Infinite/Trad Full Size T 7st
特注品満載のスペシャルな7弦TLタイプ
“TLタイプらしさを残した7弦”をオーダーし、完成した1本。本モデルのためにベア・ナックルにオーダーしたピックアップ、7st Tele Custom Setを搭載。ブリッジなども特注品とのこと。ボディ・フィニッシュには、光の当たる角度で色が変わる“Purple to Gold”を採用している。
MUSICMAN/Silhouette Special
ヨメちゃんから譲り受けた、憧れの1本
ヨメちゃんが自身の愛器“夜桜”に近いカラーに惚れ、即購入を決意。2023年のクリスマスにMarcoが譲り受けた。20歳頃から憧れていたモデルで、“やっと青春を取り戻した感じです(笑)”とのこと。サウンドも気に入り、“録音する時は必ず1度は試す”ほど好みの1本だ。
YAMAHA/FG-130
FG-130なくしてヨメトオレはなし!
出会った当初にヨメちゃんのギターに衝撃を受け、すべてのエレキ・ギターを手放して手に入れた思い出の1本。1970年代前半のグリーン・ラベル仕様。経年変化によりボディが逆アーチのようにヘコんでいる。曰く“いまだに俺の中の最強の座に君臨している”とのこと。
Yome-chan’s Guitars
HEADWAY/神楽 Custom
ブレイシングも唯一無二のオーダー・モデル
HEADWAYのマスタービルダーが、ブレイシングからヨメちゃん用に設計したワンオフ・モデル。誕生日プレゼントとしてMarcoから贈られた特別な1本だ。トップがアディロンダック・スプルース、サイドがマートル、バックがマートル&サクラ、指板はエボニーという材構成。
HEADWAY/HF-YOZAKURA DX’21 F,S/STD
シグネチャーのもととなった“夜桜”ギター
HEADWAYが桜の木を使って作ったHF-YOZAKURA DX’21 F,S/STD。ヨメちゃんのシグネチャー・モデル、HF-TSUKIMIYOZAKURAのもととなった1本だ。おさむらいさんのシグネチャー・ピックアップDSP-OSAMURAISANを搭載しており、コンタクト・ピエゾで打音も綺麗に収音してくれる。
HEADWAY/VHF-180 Custom
娘と同じ生年月日の運命的な1本
2022年のディバイザー大商談会で一目惚れしたが、Marcoから“このギターは楽器店で色んな人の目に触れるべき”と即購入を阻まれ、同じ仕様でオーダーした1本。ヘッドウェイのマスタービルダー、百瀬恭夫氏の手によるもので、本器が完成した日にヒメち(娘)が生まれたそう。
Gibson/Nick Lucas
ヨメちゃんに奪われた、Marcoが欲した1本
Marcoがデジマートのウォッチリストに入れていたギブソンのNick Lucasをヨメちゃんが購入。ルックスが好みで、小ぶりながら低音がよく出るとのこと。Marcoは“音も自分にマッチしていて、頭の中にある音がそのまま鳴ってくれるんです。いつか奪いたいです”と語る。
Gibson/J-45
なんとも粋なクリスマス・プレゼント
Marcoがヨメちゃんにクリスマス・プレゼントとして贈ったギブソンJ-45。ヨメちゃん曰く、“バランスが良く全部の弦がまとまって聴こえる”そう。またボディ・ヒットを多用する彼女だが、ジャンボ・サイズの本器は打音で“ドラムをイメージしやすい”とのこと。
K.Country/D-380
ヨメちゃんのセンサーに引っかかった激渋ジャパン・ビンテージ
ヨメちゃんが父親から受け継いだギターのコンディションが悪くなり、リサイクルショップで購入した、春日楽器のブランド=K.カントリーの1本。試奏せずに直感で選んだが、ボディ・ヒットを多用する彼女の弾き方に、この大きなドレッドノート・シェイプがマッチした。
FGN/AG1
Marcoに狙われている“ご親戚さま”提供の1本
長野県松本市に住む“ご親戚さま(視聴者の通称)”から“地元の素晴らしい楽器を広めてほしい”と贈られた、フジゲンによるFGNのAG1。カラッとしたサウンドでボディ・ヒットの音が良く響く。弾き心地が“エレキのような感覚”とのことで、Marcoが奪取を目論んでいる。
Infinite/Modernize Prototype
ルックスもサウンドもヨメちゃん好み!
撮影でインフィニットに訪れた際、見た目とサウンドを気に入り入手。売り物ではなかったが、代表の八田氏から“ここにあっても使われないので、持って帰って下さい”と譲り受けた。チェンバード加工によるふくよかさとステンレス・フレットならではのキレの良さを合わせ持つ。
Marco’s Pedalboard & Amplifier
【Amplifier】
①Mesa/Boogie/Rect-O-Verb 50
【Pedal List】
②One Control/Agamidae Tail Loop(プログラマブル・スイッチャー)
③Xotic/EP Booster(ブースター)
④Jyugehm Stomps/Jamais Vu(オーバードライブ)
⑤Jyugehm Stomps/Par Amour(ディストーション)
⑥Vivie/Dolphin Deverb(ディレイ/リバーブ)
⑦Vivie/Clear Power-VI(パワーサプライ)
⑧TC Electronic/Polytune 3(チューナー)
⑨Mesa/Boogie/Foot Swtich(フット・スイッチ)
マイク録音への移行で試行錯誤中のサウンド・システム
これまでヘッドラッシュのギター・プロセッサーPedalboardや、レヴ・アンプリフィケーションのG20からラインで出力した音を動画で使用していたMarco。しかし最近、ライン録音からの脱却をはかっており、サウンドシステムを構築中。
アンプはメサ・ブギーのコンボ①で、スイッチャー⑨でクリーンと歪みを切り替えている。EQなどのツマミは“自宅で鳴らせる音量でも高音が綺麗に出て、キャビネットが良い感じで鳴ってくれる”ことを意識して、それぞれ以下のようにセッティング。
CH 1(クリーン) | CH 2(ドライブ) | |
---|---|---|
GAIN | 11時 | 2時 |
TREBLE | 1時 | 2時 |
MID | 2時半 | 1時 |
BASS | 2時 | 12時 |
PRESENCE | 2時 | 2時 |
REVERB | ゼロ | ゼロ |
MASTER | 9時 | 10時 |
ペダルボードは、ギターからスイッチャー②に入り、各ループで③〜⑤とチューナー⑧をコントロールしたのち、アンプへと出力されている。ディレイ/リバーブ⑥はアンプのセンド/リターンに接続されている。
ブースター③が常時オンで、クランチでオーバードライブ④、リードでディストーション⑤をオン。2つ同時掛けすることはないそうだ。
アンプのゲイン・チャンネルを使う際は、リードの時に④でプッシュする。また④はオンにするだけでレスポンスが良くなるそうで、“弾いた瞬間に鳴るか、弾いた直後に鳴るかの違いが出る。プレイにめちゃくちゃ影響します”とのこと。
撮影・録音環境について
日々進化していく配信動画の“録り音”
動画を遡ってみると、時を追うごとにマイクなどもグレードアップしていることが確認できるが、今回は2024年1月現在での撮影・録音環境について簡単に紹介しよう。
まず撮影用のカメラはソニーのZV-1。撮りたいと思った時に一番近くにあるものを使うため、スマートフォンによる撮影も行なっている。
アコースティック・ギターの録音に使っているマイクはルウィットのLCT 540 Sで、UR44C(オーディオ・インターフェース)でCUBASE(DAW)へと送り、レコーディングをしている。
ボーカル用マイクには最近ルウィットのPURE TUBEを導入。動画を観てみると、これをアコースティック・ギターに使用することもあるようだ。
なお、エレキ・ギターはこれまでギター・プロセッサーやアンプからラインでUR44Cに入力していたが、前述のとおり今後はマイク録りに移行していくことになりそうだ。
ちなみに動画で使用するバックトラックなども、MarcoがCUBASEを使い制作している。
- YouTube|ヨメトオレ【音】https://www.youtube.com/channel/UC4LPZMM2cZGkUBAZpBMU2_g
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