ジョン・メイヤーが2023年末に行なったブルーノート東京公演はアコースティック中心だったが、エレキ・ギターも数曲でプレイ。そのために日本に持ってきたアンプは、極上の2台だった。
取材・文:田中雄大 機材写真:星野俊
※本記事はギター・マガジン2024年3月号に掲載された『ジョン・メイヤー来日ソロ公演の全機材 at ブルーノート東京(12月29日-12月31日)』から抜粋したものです。
John Mayer’s Amplifiers
今回の来日公演にはアンプを2台持参したジョン・メイヤー。ギター・テックによると、その時々の気分によって2台を同時に使用することもあれば片方だけを使うこともあるとのこと。アンプの選択はギター・テックがステージ・サイドで行なっていた。
Dumble/Overdrive Special
まず1台目は50W出力のダンブル製オーバードライブ・スペシャル(上写真左)。ジョンは複数台のダンブル・アンプを所有していると言われているが、中でも本機はもともとカルロス・サンタナが所有していた個体として有名な1台である。
各セッティングについてコントロール・パネルの左から記していこう。
まずインプットは“NOR”を選択し、ボリュームは約2.3、BRIGHTスイッチはオフ、DEEPスイッチはオン、ROCK/JAZZスイッチはROCK側となっている。EQはトレブルが約3.4、ミドルが約6.5、ベースが5。“MANUAL/PEDAL”スイッチはPEDAL側、オーバードライブはゼロ、レベルは5、ACCENTスイッチはオン。
上記のうちベースはセッティングをメモする印の位置からズレていたが、普段より小規模な会場であることを踏まえて調整したのかもしれない(印の位置は7)。
キャビネットはTwo-Rock製の12インチ・スピーカー×2発のものが使われている。
Two-Rock/Custom Reverb Signature 83
もう1台のアンプはいわゆる“ダンブル系”として高い評価を受けるアンプ・ブランド、Two-RockのCustom Reverb Signature 83である。
通常版のCustom Reverb Signatureをもとに、各所に特別選定されたパーツを使用したりとジョン・メイヤーの好みに合わせたチューニングがなされたもので、モデル名の“83”は『Room for Squares』(2001年)収録の「83」に由来すると言われている。また、同社のジョン・メイヤー・シグネチャー・アンプは本機をもとにしている。
こちらはツマミに目盛りがないため“~時”の表現でセッティングを記そう。
パネルの左からトレブルとミドルが2時、ベースが11~12時、ゲインが1時、マスターが10時、プレゼンスが1時で、リード・ゲインとリード・マスター、そしてリバーブはゼロである。各スイッチはBRIGHTがオフ、MIDがオフ、DEEPはオン、EQ1/EQ2はEQ1側、バイパスがオフ、LEADがオフ。
本機とダンブル共に歪み関連の設定はゼロなので、アンプをクリーン状態にして歪みはエフェクターで作るのがジョン・メイヤー流であるようだ。
キャビネットはダンブルのほうと同じくTwo-Rock製の12インチ・スピーカー×2発。
ギター・マガジン2024年3月号
『特集:ブライアン・メイ(クイーン)』
本記事はギター・マガジン2024年3月号に掲載された『ジョン・メイヤー来日ソロ公演の全機材 at ブルーノート東京(12月29日-12月31日)』から抜粋したものです。
本誌では、エレキ・ギター2本、アコースティック・ギター12本、2台のアンプ、2組のペダルボード、ピックやカポ、ピアノにいたるまで、2023年12月のソロ公演でジョンが用意した“全機材”を紹介していますよ!