2023年10月に東京ドーム・シティ・ホールで行なわれたテデスキ・トラックス・バンドの来日公演で、デレク・トラックスのサウンドを生み出した、アンプとエフェクターを紹介しよう。話題となったBOSSのルーパーの用途についても解説!
文=福崎敬太 撮影=小原啓樹 協力=トミー・モリー
Derek’s Amplifiers
デレク・トラックスのアンプや足下のセッティングは、以下の写真のとおり。アンプごとにそれぞれ紹介していこう。
①Alessandro/AZZ(Prototype)
メイン・アンプはお馴染み、アレッサンドロのAZZ(プロトタイプ)。ほぼすべての楽曲が本機によるサウンドでプレイされた。ツマミのセッティングは以下のとおり。
- チャンネル:VIBRATO 1
- BRIGHTスイッチ:ON
- VOLUME:7
- TREBLE:8
- MIDDLE:4
- BASS:3
- REVERB:3.5
- SPEED:0
- INTENSITY:5
ギターからは、TC Electronic/Polytune 3 (チューナー)とInterstellar Audio Machines/Octonaut Hyperdrive(オーバードライブ)を経由して、アンプへと入力。
これまでは、ゲインを上げ目に設定したNORMALチャンネルに切り替えるライン・セレクターを使用していたが、現在はVIBRATOチャンネルのみで、ソロで歪みを稼ぐ際はOctonaut Hyperdriveを踏むようになった。
また、ライブの際に話題となったのが、アンプの上に設置されたBOSSのルーパー、RC-5。写真を見ると入力はなく、“ST. EOM”と書かれたステッカーが貼ってある。
これは10月23日公演で演奏された「Circles ‘Round The Sun」で使われた。演奏終盤に差し掛かったところでデレクが本機をオンに、『I Am The Moon』に収録されたものと同様に、セイント・オム(St. EOM)によるスポークン・ワードが再生され、「Pasaquan」へ。
あらかじめ録音データが読み込んであり、デレクのタイミングで再生できるようにしてある。おそらくPAへそのまま出力されているのだろう。
②Alessandro/AZZ
フェンダーのSuper Reverbの上に設置されたアレッサンドロのAZZは、バックアップ用として用意しているもの。
③Fender/’65 Super Reverb
アメリカ国内のツアーでは自身が所有するビンテージの1965年製Super Reverbを使うが、日本では国内でレンタルしたリイシュー・モデルを使用。ツマミのセッティングは以下のとおりだ。
- チャンネル:VIBRATO 1
- BRIGHTスイッチ:OFF
- VOLUME:8
- TREBLE:7.5
- MIDDLE:5.2
- BASS:4
- REVERB:2.1
- SPEED:3.1
- INTENSITY:5.2
また、本機に入力する前にはIbanez/TS9(オーバードライブ)が接続されている。セッティングはDRIVE=2時、TONE=1時、LEVEL=11時半。TS9 & Super Reverbのセットで演奏されたのは「So Long Savior」のみだ。