2024年に結成20周年を迎えた打首獄門同好会が、新年早々にアルバム『ぼちぼちベテラン』を発表した。そのレコーディングでギター・ボーカルの大澤敦史が使用したギターを含め、彼の所有器4本を紹介しよう。
文=福崎敬太 写真=星野俊
SAITO Guitars/Atsushi Osawa Model
1ピックアップ&1ボリュームの“漢”仕様!
2023年11月に完成したばかりの新たなメイン・ギターは、後述する旧メイン同様、1ピックアップ&1ボリュームという潔い仕様。ボディがアルダーでネック&指板がメイプルという材構成だ。左手首に負担の掛からないグリップ角度と右手の演奏性を両立するため、ボディ裏のコンターをなくし表のエルボーカットを細かく調整したそう。
最大の特徴はEverTuneブリッジの搭載で、これによりピッチの正確さが向上。そのため、新作『ぼちぼちベテラン』に収録された、すでにレコーディングが終わったリリース済みの楽曲も、ギター・パートは本器によって再録音された。
ピックガードの形は大澤によるデザイン。白黒のカラーリングについては、“これまで黒赤が俺のカラーだったのに、ドラム(河本あす香)がなぜか急に黒赤を始めまして。髪も赤くしたり……。で、俺が折れるわ、ということで白にしたんです”とのこと。
SAITO Guitars/Atsushi Osawa Model
初代大澤モデルの双子
大澤がPAFサウンドを求め様々なピックアップを試していた時期、楽器フェアで試奏して惚れ込んだのがSAITOギターの音色だった。そして2017年に初代オリジナル・モデルが完成、同仕様のサブとして作ったのが写真の1本だ。
新メインとは異なり、ボディはアッシュでコンター加工付き、ファン・フレットという仕様。1ピックアップ&1ボリュームというシンプルさは、初期に使っていたセルバ(石橋楽器のオリジナル・ブランド)の7弦モデルを改造して以降、大澤にとっての必須ポイントだ。
現在はサブ・ギターとしてステージにスタンバイ。また、EverTune搭載のメイン器はビブラートやチョーキングが効かないため、“ニュアンスをつけられなくて寂しい時、これを出してくる”とのこと。なお、すべてのギターに張っている弦は、ダダリオのNYXL 10-59 7-String Regular Light。
Saito Guitars/S-HL7
クリーン&クランチ・サウンド用の便利な1本
1ピックアップ・モデルを使っている中で、“家にフロント・ピックアップがあるギターがないのは不便だ”ということで入手したヘッドレス・モデル。『ぼちぼちベテラン』のレコーディングでは、クリーン・トーンの時に本器のフロントをコイルタップさせ、クランチの時にリアをコイルタップさせて使用。
ライブで登場することはないが、本器のピックアップをモデリングしたムーアーのペダル型プロファイラー、Tone Capture GTRでクリーン&クランチ・サウンドの土台を作っている。
全長が短くコンパクトなため、ツアー先のホテルに持ち込む1本としても重宝しているそうだ。
VGS Guitars/Soulmaster VSM-120 7 Select
EverTuneブリッジ実戦投入のテスト器
新たなメイン器にEverTuneの搭載を検討している際に、そのテスト用として入手したドイツのVGSによる7弦モデル。ライブで試験的に使用するために、リア・ピックアップをメイン・ギターと同じSAITO製に交換したほか、トーン・コントロールとピックアップ・セレクターも除去した。
本器でEverTuneの採用を決定し、新メインが完成。現在はお役御免ということで、自宅用ギターとして保管されている。
使用ピック&弦
ラックのドロワーにしまわれたピックと弦。写真左下はイヤー・モニターだ。
使用弦はダダリオのNYXL 10-59 7-String Regular Light(写真中央下)。7弦のテンションを求めて、“これ以上太くなるとベースになっちゃうギリギリのところ”という太さをチョイスしている。
ピックはイタリアのブランド、エッセチピック(Essetipicks)のHeart Standard R(写真右下)を愛用している。防弾チョッキにも使われるケブラー繊維で作られており、硬く削れない。また、エッジに角度がつけられており、スムーズなピッキングを可能にしてくれるそうだ。
打首獄門同好会 20!+39!=59! TOUR
日程/会場
- 2024年2月23日(金・祝)/茨城 水戸LIGHT HOUSE
- 2024年4月5日(金)/長野 JUNK BOX
- 2024年4月6日(土)/新潟 LOTS
- 2024年4月9日(火)/北海道 小樽 GOLDSTONE
- 2024年4月11日(木)/北海道 函館club COCOA
- 2024年4月13日(土)/青森 Quarter
- 2024年4月14日(日)/秋田 Club SWINDLE
- 2024年5月14日(火)/滋賀 U☆STONE
- 2024年5月15日(水)/岐阜 club-G
- 2024年6月9日(日)/山口 周南RISING HALL
- 2024年6月11日(火)/佐賀 GEILS
- 2024年6月12日(水)/鹿児島 CAPARVO HALL
- 2024年6月21日(金)/大阪 Zepp Osaka Bayside
- 2024年6月29日(土)/福島 郡山HIPSHOT JAPAN
- 2024年6月30日(日)/千葉 柏PALOOZA
※各地対バンあり
チケット代 5,900円(ドリンク代別)
※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細は打首獄門同好会公式HPをチェック!
打首獄門同好会公式HP https://www.uchikubi.com/schedule.html
作品データ
『ぼちぼちベテラン』
打首獄門同好会
LD&K Records/403-LDKCD/2024年1月3日リリース
―Track List―
- 20!+39!=59!
- フワフワプカプカ
- 少年よ、君に伝えたい事がある
- カンガルーはどこに行ったのか
- 死亡フラグを立てないで
- なぜ今日天気が悪い
- クッチャネ
- 部長ぷっちょどう?
- シュフノミチ
- もののわすれ
- 地味な生活 -SAMBA MAX EDITION-
- KOMEKOMEN
―Guitarist―
大澤敦史