2024年2月15日(木)に開催されたyonigeのワンマン・ライブでサポート・ギターを務めた、土器大洋の使用ギター、アンプ、ペダルボードを紹介。鋭利な質感を残しつつ、ファットに仕上げたサウンドが印象的だった土器。そのセッティングを詳しく見ていこう。
取材/文:伊藤雅景 機材写真:大谷鼓太郎
Guitars
Fender/American Deluxe Telecaster
アーミングが可能“だった”テレキャスター
サイバー・パンクなルックスが特徴的な、土器のAmerican Deluxe Telecaster。彼が所属していたバンド、LILI LIMITでの活動時から使用していた1本だ。
音の印象は、見た目とは裏腹に“おとなしくまとまってくれて、端整な感じ”だそう。yonigeのライブでは「DRIVE」と「スクールカースト」などで登場している。土器曰く、オルタナ的な質感を出したい曲で弾くことが多いとのこと。チューニングはレギュラーで、ピックアップはフロントがメインだ。
ブリッジには、アーミング奏法に対応するSTETSBAR製PROIIが搭載されているが、アーム装着部のネジ部が潰れてしまい、2024年2月時点では使えない状態だった。ほかの改造点として、ボリューム/トーン・ノブの間にキル・スイッチが増設されている。
ちなみに、ブリッジの左側に付いている部品はピック・ホルダーで、Line 6のHELIX(マルチ・エフェクター)に付属するUSBメモリーの部品を流用しているそうだ。
Fender/American Professional II Stratocaster
オールマイティに使えるニュー・フェイス
2023年のyonigeのライブで初披露となった、土器のストラトキャスター。サウンドは、“本当にフェンダーらしく、頭の中でイメージするストラトの音がする”とのこと。ライブでは「superexpress」などで登場するが、レコーディングでは使用していない。
ピックアップはフロント・ポジションがメイン。リア・ピックアップのサウンドが欲しい曲では、前述のテレキャスターをチョイスすることが多かったが、持ち替えの関係で本器のリアを使うことも増えてきた。その際はTube Screamer Miniで中域を補っている。
フローティングは1mmほどで、トレモロ・スプリングは土器の好みに合わせて少しキツめに締めてある。チューニングはレギュラーで、使用弦はアーニー・ボールの.010-.046。
Pedalboard
【Pedal List】
①Xotic/SP Compressor(コンプレッサー)
②BOSS/ES-5(プログラマブル・スイッチャー)
③Ibanez/TUBE SCREAMER MINI(オーバードライブ)
④ハンドメイド/オーバードライブ
⑤ハンドメイド/オーバードライブ
⑥Line 6/HX Effects(マルチ・エフェクター)
⑦Empress Effects/Reverb(リバーブ)
⑧BOSS/EV-30(エクスプレッション・ペダル)
⑨ハンドメイド/モーメンタリー・スイッチ
⑩TC Electronic/Polytune 3 noir(チューナー)
⑪Vitoos/DC8(パワーサプライ)
エクスプレッション・ペダルを効果的に使用
“yonige専用”に組んだという土器のペダルボード。
ギターの信号は、最初にブースト用のコンプレッサー(①)に入力され、ES-5(②)、HX Effects(⑥)、Reverb(⑦)の順番で通過してアンプへ向かっている。
プログラマブル・スイッチャー(②)のループには、③〜⑤の3つの歪みペダルが接続されており、それぞれの用途は下記のとおり。
- TUBE SCREAMER MINI(③):ブースター。ミドルを増やす際に使用。
- ハンドメイドの歪み(④):クランチ用。かけっぱなしが多い。JHS Pedals/Morning Gloryをモチーフにしたペダル。
- ハンドメイドの歪み(⑤):おもに④のブースト用。Vemuram/JanRayをモチーフにしたペダル。
空間系エフェクトは、HX Effects(⑥)とReverb(⑦)が担う。エクスプレッション・ペダル(⑧)とモーメンタリー・スイッチ(⑨)は⑥のパラメーター制御用で、⑧にはディレイのミックスとフィードバックがアサインされている。⑨は踏んでいる間だけ、ディレイのフィードバックがマックスになり、発振の効果が得られる。
Amplifier
Fender/90s Twin Reverb
直球のクリーン・サウンドがお気に入り
インディーズ時代に知人から譲り受けたという、90年代製のツイン・リバーブ。土器はペダルで歪みを作るため、素直なクリーン・サウンドが“普通に”出てくれるところが気に入っているそうだ。なお、本体のリバーブ、ビブラートは不使用。
Setting
- チャンネル:VIBRATO 1
- BRIGHTスイッチ:OFF
- VOLUME:3.8
- TREBLE:3
- MIDDLE:6.4
- BASS:5.1
- REVERB:1
- SPEED:1
- INTENSITY:1
作品データ
『Empire』
yonige
配信&オフィシャルサイトでの通販限定/YONG-0001/2024年1月10日リリース
―Track List―
- Super Express
- 愛しあって
- walk walk
- DRIVE
- Club Night
- 神様と僕
- スクールカースト
- Exorcist
- seed(re-recordingver.)
- デウス・エクス・マキナ
- True Romance
- a familiar empire
―Guitarists―
牛丸ありさ、土器大洋