ファンキーでユニークな楽曲を生み出すマハラージャンの武器は、HISTORYが手掛けた金色のギター。ハンド・マイクで歌うことも多いが、ライブでギターを弾く際に抱えるこの1本は、一目見れば忘れることがないほどのインパクトだろう。さらに、つい最近、サウンドの向上を求めて大きなアップグレードが施されたという。その改造箇所も含めて、“ゴールデン・ギター Ver. 2.0”の全貌を見ていこう。
写真/文=福崎敬太
HISTORY/Maharajan Golden Guitar Ver. 2.0
細かな調整を加えて生まれ変わった“バージョン2.0”
マハラージャンを象徴する金色のギターは、島村楽器が手掛けるHISTORYブランドによるカスタム品。同社でメインテナンスやリペアを行なっている“ルシアー駒木”が、マハラージャンのためだけに作り上げた1本だ。
完成にいたるまでの経緯については、島村楽器公式ブログで詳しく解説されているので、ぜひそちらを見てほしい。
最大の特徴は、何と言っても全面のゴールド・フィニッシュ。レス・ポール・ゴールドトップなどとも質感の違う、神々しい金色は、仏像などを塗る際に使用する塗料によるもの。ピックアップのトップ面などは赤く、その強烈なコントラストが映える。
ちなみに、この色の組み合わせは、映画『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』でのC-3POの配色からインスパイアされたものだそう。
2021年に完成し、ライブでのメイン・ギターとして、マハラージャンのアイコン的な存在となっていた本器だが、さらなるアップデートが施された。それゆえに本記事では“バージョン2.0”としている。その改良箇所を見ていこう。
まず塗装面だが、一度すべてが剥がされ、バージョン1.0時よりも極薄に。ボディ表面を見るとうっすらと杢目が確認できる。
また、パーツも軽量化。ペグはロック式からクルーソン・タイプに、トレモロ・ユニットもVT1 Ultra Trem standardに、ツマミも金属製から樹脂タイプに変更された。
これらにより“奇数倍音”がより鳴るようになったそうで、アンサンブルの中での音の抜け方や音の太さが実現した。
さらにトーン・ノブを1つ取り除き、そこにキル・スイッチを搭載。機能面でもアップデートが施されている。
取材時にはまだ完成したばかりだったが、現在はさっそくライブでも導入されているようだ。ぜひ実際にその音を聴きにいってほしい。
作品データ
『ミーンミーンミーン☆ゾーンゾーンゾーン』
マハラージャン
ソニー/SECL-2936/2024年2月7日リリース
―Track List―
- 蝉ダンスフロア
- ラジオネーム オフトゥン大好き(feat.ケンモチヒデフミ)
- I’m just looking
- repaint
- 波際のハチ公
- 噂のキャンディ
- ゾーンに入ってます。
- 雑菌フィーバー
- 4061
- DREAM
- くらえ!テレパシー
- タイミング ※Bonus Track
―Guitarists―
マハラージャン、小川翔、西田修大、菰口雄矢