イングヴェイ・マルムスティーンのデビュー40周年を記念した来日公演が、2024年5月11日(土)にZepp DiverCity Tokyoで行なわれた。そのステージでイングヴェイが使用したギター・アンプを紹介しよう。ずらりと並べられたマーシャルの壁に圧倒される!
取材・文=原田右恭 機材撮影=星野俊 通訳=トミー・モリー
見るものを圧倒するマーシャルの壁!
実際に鳴らされているのはこの中の2台!
来日公演のステージには、31台のヘッド(!)と16台のキャビネットが用意されていた。写真はステージ上手(イングヴェイ立ち位置)側のアンプの壁である。結線はされていないが、31台すべてが通電されており、スタンバイ状態になっていた。
Marshall
1959SLP
メイン・アンプは100W出力のリイシュー・モデル、1959SLPを使用。ドライ・サウンド用だ。背面のシリアルから1993年5月製造の個体と推測される。
インプットはHIGHの1を使用。各ツマミの位置は、LOUDNESS1がフル、TREBLE、MIDDLEが共に12時過ぎ、BASSゼロ、PRESENCE1時で、おそらくストラトのハイ・ミッドを意識したセッティングだと思われる。
また、側面には大量のピックが刺さっていた。イングウェイは頻繁にピックを交換するため、上手側での動線に一番近い本機にピックがスタンバイされているのだろう。
キャビネットはマーシャル1960B。2本のマイクが用意されており、右上のスピーカーのみを収音。マイクはaudio-technicaのAT4050と、Sennheiserのe609 SILVER。
Marshall
JCM800 1959
こちらはウェット・サウンド用の1985年製JCM800(100W出力)。ギターテックによれば、“シャーシはJCM800だが、中身はプレキシのような改造がされており、サウンドはドライ用の1959SLPと変わらない”とのことだった。
インプットはHIGHの1を使用し、各ツマミの位置はVOLUME1がフル、TREBLEが1時、MIDDLEが12時過ぎ、BASSがゼロ、PRESENCEが12時過ぎというセッティング。イングヴェイは2台のアンプとも、同じようなイメージでサウンド・メイクしているのだろう。
ウェット用アンプのキャビネットもマーシャル1960Bを使用。収音するマイクも1959SLPと同じだ。ただ、マイキングの位置がドライ用アンプとは逆の左上となっていた。