2024年の6月に行なわれたコリー・ウォンの初単独来日公演で、本人が使用したツアー用の簡易ボードをご紹介しよう。
取材・文=田中雄大 機材撮影=西槇太一 ※本記事はギター・マガジン2024年8月号の内容を転載したものです。
PEDALBOARD
QUAD CORTEX中心のツアー用簡易ボード
ワウ/ボリューム・ペダルとしてSoul PressⅡ(①)が置いてあるほかは、すべての音作りをNueral DSPのQUAD CORTEX(②)で完結しているシンプルなペダルボード。
コリーによると普段使っているメイン・ペダルボードが今回のツアーに出る前にフライトでダメージを受けてしまい、簡易版を持ってこざるを得なかったとのことだ。
QUAD CORTEXの画面には“ARCH CW*”と表示されている。Neural DSPからはコリーのシグネチャー・サウンドを再現した“Archetype: Cory Wong”というプラグインがリリースされているのだが、現在はアップデート版を開発中とのことで、そのプロトタイプ・バージョンをQUAD CORTEXに読み込んで使用しているそうだ。
コリーのサウンドに欠かせないコンプレッサーを始め、歪みや空間系も非常にクオリティが高いため、気になる方はぜひ現行バージョンをチェックしてみてほしい。
QUAD CORTEXからはステージ上の2台のツイン・リバーブに信号が送られているほか、そちらとは別系統のアンプ・シミュレーターやIRを通過したシグナルがPA卓に直接送られ、客席には後者のサウンドが届けられている。
コリーが普段使用しているコンパクト・エフェクター類についても、過去の掲載写真をもとに主要なものを紹介しておこう。
まず、コンプレッサーは長年Wampler PedalsのEgo Compressorを使用していたが、2023年に同社からシグネチャー・モデルのCory Wong Compressorが発売されて以降はそちらを愛用。
歪みはJackson Audioによるシグネチャー・オーバードライブのThe Optimistがメインで、VERTEXのUltra PhonixやSteel String Clean Driveを併用することもある。
空間系のエフェクトは多機能モデルでまかなうことが多く、過去にはstrymonのBig SkyやLine 6のM5、EventideのH9などを使用していた。
そのほか、エンベロープ・フィルターとしてGFI SystemのRossie Filterもコリーのお気に入りだ。
ギター・マガジン2024年8月号
『カッティング“超”至上主義 featuring コリー・ウォン』
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