エリック・クラプトンのロンドン公演ギア・レポート!  ベンツではなく、ポルシェと同色の新しいダーク・ブルー エリック・クラプトンのロンドン公演ギア・レポート!  ベンツではなく、ポルシェと同色の新しいダーク・ブルー

エリック・クラプトンのロンドン公演ギア・レポート! 
ベンツではなく、ポルシェと同色の新しいダーク・ブルー

エリック・クラプトンがロンドン公演(2024年5月)のステージで使用した機材を現地レポート! 今回はサブとしてスタンバイされていた、2本のストラトキャスターをご紹介しよう。

取材・文=和田玄 撮影=亀井紘夫 協力=ダン・ディアンリー(https://www.dandguitars.com/)、前むつみ

Fender Custom Shop
Eric Clapton Stratocaster Dunkel Blau
Masterbuilt by Todd Krause

ポルシェと同色の新たなダーク・ブルー

ロンドン公演のアコースティック・セットのあと、「Got To Get Beter In A Little While」や「Presence Of The Lord」などで使われたのが、このダーク・ブルーのストラトキャスター。

ギター・テックのダン・ディアンリーによると新たに作られたもので、“エリックのポルシェと同じダーク・ブルー”とのこと。

また、2016年の来日公演でメイン・ギターとして使われ、2019年と2023年の来日公演でもサブとしてスタンバイされていた、同じくダーク・ブルー・メタリックのストラトキャスターは、クロスローズ・センターの25周年を記念して行なわれた2023年12月のオークションで90,625ドルで売却されている。

その後、トッド・クラウスが製作した同色のギターが日本でも少数販売されたが、その際の商品名のカラー表記は、ドイツ語のDunkel Blau(ダーク・ブルー)であり、こちらのカラーはエリックのメルセデス(ベンツ)と同じ色と言われていた。

2016年当時、ダーク・ブルーのギターは3本作られたが、1本はジョン・メイヤーにプレセントし、もう1本はオークションで売ってしまったため、手元には1本しか残っていなかったそう。しかし、ダーク・ブルーのストラトを2本持っておきたかったエリックが、再度オーダーしたのがこのストラトなのだとか。

ちなみにストラップは、新しいブルーのエルメス製のものが装着されていた。

ロンドン公演の最終日である2024年5月24日、ロイヤル・アルバート・ホールでのステージにて。(撮影=亀井紘夫)


Fender Custom Shop
Eric Clapton Stratocaster Daphne Blue
Masterbuilt by Todd Krause

“Dressing Room Guitar”と呼ばれるダフネ・ブルー

ギター・テックのダン・ディアンリーが“Dressing Room Guitar”と呼ぶダフネ・ブルーのストラトは、昨年の日本公演に持って来たギターと同じ個体のように思われる。今回も出番はなかった。

Texas Specialピックアップを採用し、ミッド・ブーストは未搭載と、メインのThe Flag Guitarのベースになったオリンピック・ホワイトのストラトと同じ仕様で作られたようだ。

ダンが“これはグリップが薄いだろ?”とネックを握らせてくれたが、2010年頃に市販されたトッド・クラウス作のダフネ・ブルーのシグネチャー・モデルと似通ったグリップであった。