アプリが面倒? 音が出せれば十分? そんな先入観は御法度! アナログ派にも安心のスマートアンプ、Spark40超入門。 アプリが面倒? 音が出せれば十分? そんな先入観は御法度! アナログ派にも安心のスマートアンプ、Spark40超入門。

アプリが面倒? 音が出せれば十分? そんな先入観は御法度!
アナログ派にも安心のスマートアンプ、Spark40超入門。

“デジタル系のアンプって、機能が多すぎて使いこなせない気がするよな〜”、なんて先入観を持っているアナログ派のギタリストは必見! Positive Grid Spark40の入門特集、本日よりスタートです! 

文=ワタナベダイスケ 写真=小原啓樹

Positive Grid Spark40。スマホのアプリと連動した多彩な機能が人気の秘密!

バーチャル・アンプで定評のあるPositive Gridがリリースしている、Sparkシリーズ。

そのラインナップの中でも、迫力ある40Wの出力と自宅練習に必要な機能をオールインワンで備えながら、適度なコンパクト・サイズにまとまっているモデルが、このSpak40だ。

そのバランスの良さから、家で思いっきりギター演奏を楽しむのに最適なアンプの1つに数えられるだろう。

この記事では、初心者はもちろんベテラン・ギタリストまで遊べる機能が盛りだくさんなアンプ、Spark40を楽しむためのファースト・ステップを解説していく。

“アプリと接続する”と聞くと、それだけで面倒に感じるアナログ派ギタリストも少なくないかもしれない。

だが、Sparkシリーズのセットアップは非常にシンプルなので、その点は安心してほしい。

なにしろ、手持ちのスマホ/タブレット(Android/iOSに対応)にインストールしたSpark: Chords, Backing Tracksアプリを起動したら、Spark40本体の電源を入れ、スマホ画面の“接続する”ボタンをタップするだけ。他には特に設定することもなく、プリセットされた音色での演奏であればすぐに始められる。

スマホ・アプリのスタート画面。赤い“接続する”ボタンをタップすれば、電源オン状態のSparkを見つけて無線接続してくれる。

iOS版アプリ「Spark: Chords, Backing Tracks」(無料/App Store
Android版アプリ「Spark: Chords, Backing Tracks」(無料/Google Play

スマホとSparkの接続はBluetoothだが、接続ボタンを押した時には近くにあるSparkを自動で探してくれて、ペアリングなどの事前設定が一切不要なのはありがたい。

アプリはSparkシリーズ全製品で共通だから、例えば自宅用にSpark40、外出用にSpark Goというように複数台を持っている場合でも、使いたいアンプとスマホ・アプリの組み合わせで起動時に接続し直せばいいので、使い分けは簡単だ。

おまけに、Sparkシリーズはギター・アンプとは別に音楽鑑賞用のBluetoothスピーカーとしても使用可能。40Wの出力があるSpark40は、日本の一般的な家庭で使うスピーカーとして必要十分なパワーを発揮してくれるだろう。

Spark40の強みは、Sparkシリーズの中でも特に本体のコントロール系が充実していること。ツマミ操作だけでもプリセット音色のアンプ・タイプ、ゲイン、EQ、エフェクト・コントロールまで調整可能だから、アナログ派であっても直感的に使えるだろう。

初期設定で4タイプのサウンドがプリセットされていて、ツマミ1つで直感的に音色を切り替えられる。これだけでもしばらく楽しめそう!
Spark40本体天面のツマミ類。ゲインや各EQのほかに、簡易的なエフェクトのコントロールも装備。チューナーも完備だ。

アプリ内にはClean、Crunch、HighGain、Metalという、使いやすい4つの音色が最初からプリセットされている。初期設定のまま使ったとしても、これら4種を切り替えるだけでクリーン・トーンから強烈に歪んだサウンドまで気持ちよく演奏できてしまうのだ。

まだ音色作りの経験が浅い初心者ギタリストなら、このままでもかなり長く楽しめるだろう。

スマホ・アプリで、Spark40のハードウェアにプリセットされた4つのサウンドを表示した画面。
アプリの音色一覧画面からはPopやBlues、Alternativeなど、より多くの音色にアクセスすることも可能だ。ベース用やアコースティック・ギター用の音色もここに入っている。

Spark40のプリセットは、アンプのシミュレーションや歪み系、空間系のエフェクトの組み合わせで構成されている。

アプリの画面上ではアンプやエフェクターが美麗なグラフィックで描画されていて、“コレはあのペダルが元ネタだな……?”なんて、アレコレ想像するだけでも楽しい。下記がプリセットの画面だ。

プリセット画面。アンプやペダルがあらかじめ設定されている。

この画面上で、“MOD/EQ”のグラフィックをダブル・タップすると、コーラスをフランジャーやフェイザーなどのモジュレーションに変更できるなど、アンプやペダルは自由に組み換えが可能。さらに画面上のツマミを長押ししながら指を上下になぞるようにスライドさせれば、音色のパラメーターを調整できるという仕組みだ。

アプリ上で空間系エフェクターをセレクト中。ダブル・タップで変更可能だ。
ツマミを長押しし、そのまま上下になぞって調整。操作中のパラメーターは数値でも表示される。

最初は“ツマミをひねる”のとは異なる操作感に戸惑うかもしれないが、慣れてしまえばスイスイと操作できるようになる。

音色の設定値がただの数値やグラフで画面表示されているだけよりも、グラフィックがあるほうが出音をイメージしやすく、使いやすいと感じるギタリストは多いだろう。憧れのペダルが画面にあることでテンションが上がる、なんて人もいるはずだ。

また、パワー・スイッチをタップするとエフェクトをオン/オフでき、パワー・オフになったペダルは表示がグレー・アウトしてバイパスされるなど、ギタリストにとって親しみやすい表現で視覚化されているのが嬉しい。自分好みのサウンドシステムを試行錯誤しているだけでも、時間を忘れて遊べてしまう。

そして、ただのデジタル・アンプではないSparkの凄さを実感させられるのが、わずか8小節の演奏から自動で伴奏を作ってくれる“Smart Jam(スマート・ジャム)”機能だ。

自分の演奏からコードを解析し、指定したテンポと曲調のバッキング・トラックが自動でできあがるとあって、アドリブ練習から作曲まで幅広い使い道が広がることだろう。

8小節の演奏を聴かせるとアプリが自動分析。
それほど時間がかからずバッキング・トラックが生成される。
出来上がったバッキング・トラック。演奏したコードとテンポに合わせたベースとドラムのパターンが組み込まれている。

Spark40にはメトロノームも内蔵されているのだが、その日の気分と練習目的に合わせて毎回違ったトラックを流せるスマート・ジャムは、飽きずにずっと弾いていられるし、なによりバッキング・トラックのコード進行とコードの指板図が常にアプリ画面に表示されているおかげで、曲の進行を見失うこともない。

自宅練習の心強い相棒となってくれること請け合いだ。

デジタルならではの便利機能がまだまだ盛りだくさん

スマート・ジャムに加えて、機械学習によるコード解析や、演奏動画のビデオ・キャプチャ、背面のUSB端子を使ったオーディオ・インターフェースとしての機能まで、ギター練習を楽しくする仕掛けがまだまだたっぷり詰まったSpark40。

デジタルならではの“スマート・ギター・アンプ”としてのパワフルな機能の数々は、次回以降で詳しく紹介していきたい。

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