甲本ヒロトがブギ連の新作『懲役二秒』で使用したHOHNERのダイアトニック・ハーモニカを解説! 甲本ヒロトがブギ連の新作『懲役二秒』で使用したHOHNERのダイアトニック・ハーモニカを解説!

甲本ヒロトがブギ連の新作『懲役二秒』で使用したHOHNERのダイアトニック・ハーモニカを解説!

内田勘太郎と甲本ヒロトによるブルース・ユニット、ブギ連が2024年10月2日(水)に約5年ぶりとなる2ndアルバム『懲役二秒』をリリースした。本記事では、甲本ヒロトが愛用するHOHNERのダイアトニック・ハーモニカを本人の解説付きで紹介する。また、ギター・マガジン2024年11月号では内田勘太郎と甲本ヒロトのアルバム・インタビューを掲載しているので、そちらもあわせてチェック!

取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊

Kohmoto’s Diatonic Harmonicas

HOHNER
Marine Band Crossover(Left) / Special 20(Right)

HOHNER / Marine Band Crossover(Left) & Special 20(Right)

シチュエーションのよって使い分けるHOHNERのハーモニカ

甲本が愛用するHOHNERのダイアトニック・ハーモニカは2種類。1つはボディが黄色い左側のMarine Band Crossoverというモデルで、もう1つはボディが黒い右側のSpecial 20というモデルだ。どちらもケースの中に6本ずつセットされており、ひととおり使用するキーが揃っているという。

Marine Band Crossoverはボディ材にラミネート加工が施された竹を使用したモデル。甲本曰く“生音がデッカくハッキリ出て、頑張って吹けば良い音がする”とのことで、最近はブギ連などのアンプを使用しない現場で使うことが多いそうだ。

Special 20はABS樹脂ボディを導入したHOHNER初のモデル。その扱いやすさからビギナーにも人気のハーモニカだ。甲本も“タフというところでSpecial 20を選んでいます”と語っており、ザ・クロマニヨンズを始めとする爆音のロック・バンドでハーモニカを吹く際は本器をチョイスし、アンプと組み合わせて音を出している。

HOHNERの12本用ケース。甲本はこちらを長らく愛用しているとのこと。
HOHNERの12本用ケース。甲本はこちらを長らく愛用しているとのこと。

Interview

少し体力を使って頑張って吹けば良い音がしますよ。
そこが好きです。

左から、甲本ヒロト、内田勘太郎。
左から、甲本ヒロト、内田勘太郎。

今回撮影させていただいたヒロトさんのHOHNERのケースの中には12本のハーモニカがセットされていました。詳細を教えていただけますか?

 2つのモデルが6本ずつ入っていて、だいたいのキーが揃っていますね。まずボディ……ハンバーガーで言うところの肉の部分が黒いのがSpecial 20っていうモデルです(笑)。これはボディが樹脂製なんですよ。木と違って湿気も関係ないし、扱いが楽なんですね。それと爆音のロック・バンドで演奏する時はハーモニカの音をアンプから出したりもするので、とにかくタフというところでSpecial 20を選んでツアーで使ったりしています。

扱いやすさで選んでいるモデルなんですね。

 それともう1つポイントがあって、Special 20は口が当たるところに金属パーツが出ていないんですよ。昔はむちゃくちゃやるとよく唇が切れていたんですけど、あれは血が出ない。流血は見ていると感じが良くないんです(笑)。それを考えると非常に合っているなと。でもブギ連の時はSpecial 20じゃなくて、ケースのもう半分に入っているMarine Band Crossoverを使うんです。

HOHNER / Marine Band Crossover(Left) & Special 20(Right)

Marine Band Crossoverはどのようなキャラクターなんですか?

 生音がデッカくハッキリ出るので、最近はアンプをつながない時に使うようにしています。Marine Band Crossoverのボディには竹が使われているんですよ。竹はほかの木と違って湿気に強いんですね。僕は手入れをマメにしないので、そういう意味でタフな2種類を使うようにしています。Special 20のほうが初心者に向いていると思いますね。

今回の『懲役二秒』のレコーディングでも使いましたか?

 両方、色々と使っています。スムーズで的確な演奏をするんだったらSpecial 20のほうが良いと思いますね。立ち上がりも速いし、ベンドするにしても“しなやか”な感じがします。Marine Band Crossoverのほうは、少し体力を使って頑張って吹けば良い音がしますよ。そこが好きです。

ギター・マガジン2024年11月号
RAT1台を商売道具に

10月11日(金)発売のギター・マガジン2024年11月号には、内田勘太郎と甲本ヒロトの『懲役二秒』アルバム・インタビューを掲載!

作品データ

『懲役二秒』
ブギ連

ソニー
BVCL-1407〜1408(通常盤)
2024年10月2日リリース

―Track List―

01.懲役二秒
02.畑の鯛
03.痛えで
04.トッポい世界
05.フガフガ
06.気まぐれに首が
07.黄金虫
08.やっとられん
09.49号線のブルース(スリーピーとハミー)
10.ブラブラ

【BONUS DISC】
01.おーい 友達
02.ランブリンライトニン
03.海の向こう側
04.波を越えて

―Guitarist―

内田勘太郎