最新の小型ギター・アンプを、Suspended 4thの鷲山和希の試奏コメントと共に紹介する本企画。今回はマーシャルのDSL1CRをチェック！
取材／文：鈴木誠 撮影：大谷鼓太郎 アイキャッチ・デザイン：猪野麻梨奈
Marshall
DSL1CR
1Wで味わえる
DSL直系の真空管サウンド
“DSL”の名が示すとおり、スタジオやライブハウスでお馴染みのマーシャルDSL（Dual Super Lead）シリーズの最小モデルという位置付けの本機。8インチ・スピーカーを搭載する最大出力1Wの真空管（オール・チューブ）アンプで、背面のLOW POWERスイッチで出力を0.1Wまで下げることができる。重量は7.9kg。
チャンネルはCLASSIC GAINと、ULTRA GAINの2つを備え、付属のフット・スイッチで切り換えが可能だ。ULTRA GAINチャンネルでは3バンドEQに加え、TONE SHIFTスイッチによって中音域のニュアンスを可変することができる。デジタル・リバーブ機能も内蔵。
背面にはAUXインとエミュレーテッド・アウトを備えており、キャビネット・エミュレーションを介したサウンドを、ヘッドフォン出力やライン録音に利用できる。エフェクト・ループ端子もあり、コンパクトながらDSL直系のサウンドと多彩な機能が融合した1台と言えるだろう。
Washiyama’s Comment
やはりシミュレーターとは別物
音が前に出る感じが十分に味わえる
鷲山 先ほど（MG10）と同じマーシャルですが、こちらは真空管アンプですね。“DSL20H”というヘッド・アンプを使っていたことがあるので聞き馴染みがある名前です。マーシャルのDSLを置いてるスタジオは多いので、これも自宅にいながらスタジオ環境に近い解像度でペダル選びができそうです。
出力を0.1Wまで下げられますが、自宅用と決めつけず、スタジオに持って行ってペダル操作も含めた本格的な練習をするのにも向いてそう。ブルペンでピッチングを練習するような、自分と向き合えるアンプですね。やはりシミュレーターとは別物で、真空管アンプの挙動に触れながら練習したいとなると、こういうグレードのアンプを使ったほうがいいですよね。低音がプリッとしていて前に出る感じが十分に味わえますよ。
ヘッドフォン端子の音は前後の奥行きを感じます。強く弾くと前に出てくるという、まさにスピーカーが目の前で鳴っているような感覚ですね。スピーカーの音と聴き比べても、サウンドやニュアンスに差がなく楽しめます。
Marshall
DSL1CR
【スペック】
●出力：1W（パワー・リダクション時：0.1W）
●コントロール： VOLUME（CLASSIC GAIN CHANNEL）、GAIN、VOLUME（ULTRA GAIN CHANNEL）、 TREBLE、MID、BASS（3-BAND EQ）、CHANNEL SELECT、TONE SHIFT、REVERB、LOW POWER
●入出力端子：INPUT、AUX IN、SPEAKER OUTPUT（16Ω）、FX LOOP（SEND/RETURN）、FOOT SWITCH、EMULATED OUT、PHONE
●真空管：ECC83×1（プリ・アンプ）、ECC82×1（パワー・アンプ）
●スピーカー：8インチ×1（セレッションG8C-15 16Ω）
●インピーダンス：16Ω
●電源：電源コード
●サイズ：360（W）x215（D）x340（H）mm
●重量：約7.9kg
●付属品：PEDL-90011（フットスイッチ）、電源コード
【価格】
63,800円（税込）
【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン お客様コミュニケーションセンター
0570-056-808
https://www.marshallamps.jp/
