最新の小型ギター・アンプを、Suspended 4thの鷲山和希の試奏コメントと共に紹介する本企画。今回はORANGEのMICRO TERROR + PPC108をチェック!
取材/文:鈴木誠 撮影:大谷鼓太郎 アイキャッチ・デザイン:猪野麻梨奈
ORANGE
MICRO TERROR + PPC108
伝統的デザインを踏襲した
軽量マイクロ・スタック・アンプ
プリアンプ部に12AX7真空管、パワー・アンプ部にソリッドステート回路を採用した出力20Wの小型ヘッドアンプ。重量850gのランチボックス・タイプとなっている。今回の試奏は本機専用の8インチ・スピーカーを内蔵するPPC108キャビネットと組み合わせて行なったが、それでも合計重量5kg以下というコンパクトさがキュートだ。
1960年代のイギリス・ロンドンで始まったOrange Ampsならではの、キャビネットに施された“ピクチャー・フレーム”と呼ばれる縁取りや、前面クロスのバスケット・ウィーブといったアイコニックな顔つきは、このマイクロ・サイズでも健在。
アンプのコントロール・ツマミはVOLUME/TONE/GAINの3つで、3.5mmのAUXイン端子と1/4”のヘッドフォン端子が備わり、スピーカーから音を出さずにギターを弾くこともできる。なお、Micro Terrorのハイゲイン・バージョンとして、ブラック・カラーに身を包んだアンプ・ヘッド、Micro Darkも販売されている。
Washiyama’s Comment
このアンプのサウンドから
インスピレーションが生まれそう
鷲山 まずこの見た目からして最高ですね! コントロール類もシンプルで、オレンジのイメージどおりの独特のサウンドと弾き心地が感じられます。TONEツマミがギター本体のトーンのような効き方をするのもオレンジらしいし、まさにサイズ・ダウン版のオレンジ・アンプという印象ですね。
ヘッドとキャビネットが分離しているからか低音がにじむような雰囲気があって、コンボ・アンプとはまた違うスタック・アンプっぽさが感じられます。GAINツマミを上げるとけっこうガッツリ歪ませることもできますね。それに音量もけっこう出せます。クリーンにすると、最近よく聴くローファイっぽい雰囲気の楽曲にもマッチしそう。
楽曲のインスピレーションが生まれたり、アーティストとしてのアイデンティティに力を貸してくれそうな個性があるので、ヘッドフォン出力をラインアウトの端子としてレコーディングにも使えそうです。とにかく、この小ささで細かいところまで本格的なルックスにこだわってるのが良いなあ。
ORANGE
MICRO TERROR
【スペック】
●出力:20W
●コントロール:VOLUME、TONE、GAIN
●入出力端子:INPUT、AUX IN、ヘッドフォン・アウト、スピーカー・アウト(8Ω)
●真空管:12AX7/ECC83(プリアンプのみ)×1
●電源:専用電源アダプタ付属
●サイズ:16.5(W)×13.5(D)×90.5(H)mm
●重量:約0.85kg
●付属品:専用電源アダプター
【価格】
24,000円(税込)
ORANGE
PPC108
【スペック】
●スピーカー:8インチ×1(ORANGEオリジナル・キャビネット“VOICE OF THE WORLD”)
●インピーダンス:8Ω
●サイズ:260(W)×16.5(D)×260(H)mm
●重量:約4.05kg
【価格】
15,500円(税込)
【問い合わせ】
㈱黒澤楽器店
https://www.kurosawagakki.com/