ザ・マーダー・キャピタルの初来日公演でカサル・ローパーが使用した、2本のエレキ・ギターとキーボード ザ・マーダー・キャピタルの初来日公演でカサル・ローパーが使用した、2本のエレキ・ギターとキーボード

ザ・マーダー・キャピタルの初来日公演でカサル・ローパーが使用した、2本のエレキ・ギターとキーボード

2017年にアイルランド・ダブリンで結成された5人組ロック・バンド、ザ・マーダー・キャピタル。2025年2月21日(金)に3枚目のアルバム『Blindness』をリリースした彼らが、3月27日(木)に代官山SPACE ODDにて初の来日公演を行なった。来日のタイミングで、ダミアン・トゥイット(g)とカサル・ローパー(g,key)に機材撮影を実施。本記事では、カサル・ローパーがライブで使用した2本のギターとキーボードを紹介しよう。

取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モーリー 機材撮影=星野俊

Cathal Roper’s Guitars

1974 Gibson
ES-345TD

1974 Gibson / ES-345TD(表)
1974 Gibson / ES-345TD(裏)

ギャリー・ライトボディから譲ってもらった74年製

2019年8月、スノウ・パトロールのギャリー・ライトボディ(vo,g)から譲ってもらったという74年製ES-345TD。ギャリーが所有していた頃にバリトーン・スイッチが故障。修理に出したところサウンドが変わり、好みの音ではなくなってしまったそうで、ギャリーは何年も物置に放置していたそう。ある日、カサルが“あのギター使ってないんですよね?”と電話し、譲ってもらったと語る。

もともとカサルはIbanezのAS-93という箱モノを愛用していたのだが、バンドのツアー・マネージャーがAS-93を嫌っていたそうで、本器がメイン・ギターになったという。レコーディングでも2020年以降のほぼすべての作品で使用しているとのこと。

入手当初からアウトプット・ジャックがステレオからモノラルに改造されていたそうだ。カサルが手に入れてからは一切改造していないとのこと。バリトーン・スイッチは未使用。使いたいと思っているものの、音色の変化が大きいので躊躇していると語る。

ピックアップは気分によってすべてのポジションを使い分けている。

使用楽曲(2025年3月27日@代官山SPACE ODD)

  • 「The Fall」
  • 「Moonshot」
  • 「Feeling Fades」
  • 「The Stars Will Leave Their Stage」
  • 「A Distant Life」
  • 「That Feeling」
  • 「Death Of A Giant」
  • 「More Is Less」
  • 「Slowdance Ⅱ」
  • 「Swallow」
  • 「Crying」
  • 「Born Into The Fight」
  • 「Can’t Pretend To Know」
  • 「Don’t Cling To Life」
  • 「Love Of Country」
  • 「Words Lost Meaning」

2017 Fender
American Elite Stratocaster

2017 Fender / American Elite Stratocaster(表)
2017 Fender / American Elite Stratocaster(裏)

様々なスペックを詰め込んだモダン・ストラト

2019年に購入したAmerican Eliteシリーズのストラトキャスター。ロー・ポジションからハイ・ポジションにかけてシェイプが異なるコンパウンド・バック・ラディアスのネック、2点支持ブリッジ、S-1スイッチの搭載など、モダンな仕様を詰め込んだモデルだ。第4世代Noiselessピックアップの外見はシングルコイルだが、実はスタック構造のハムバッキング仕様となっている。

カサルは本器を手に入れるまでストラトはあまり好きではなかったそうだが、入手後に“ストラトも良いギターだと思うようになった”と語る。改造点はなし。

この日のライブでは「Slowdance Ⅰ」と「Ethel」の2曲で使用された。

使用楽曲(2025年3月27日@代官山SPACE ODD)

  • 「Slowdance Ⅰ」
  • 「Ethel」

Keyboards

・Sequential / Prophet-5 Rev.2
・Nord / Stage 3 88

Sequential / Prophet-5 Rev.2、Nord / Stage 3 88

世界観を広げる2台の鍵盤

カサルの立ち位置の右側にはSequential Prophet-5 Rev.2とNord Stage 3 88が上下にセットされていた。Prophet-5は「The Stars Will Leave Their Stage」や「Crying」などで、Nord Stage 3 88は「Born Into The Fight」で使用された。

Radial / J48、BOSS / DI-1

Nord Stage 3 88は2台のRadial / J48(DI)、Prophet-5は2台のBOSS / DI-1(DI)を経由してPAに信号が送られる。

Others

スライド・バー、E-Bow

Prophet-5の上にはスライド・バーとE-Bowが置かれていた。

2025年3月27日(木)代官山SPACE ODD

【Setlist】
01. The Fall
02. Moonshot
03. Feeling Fades
04. The Stars Will Leave Their Stage
05. A Distant Life
06. That Feeling
07. Death Of A Giant
08. More Is Less
09. Slowdance Ⅰ
10. Slowdance Ⅱ
11. Swallow
12. Crying
13. Born Into The Fight
14. Can’t Pretend To Know
15. Don’t Cling To Life

-Encore-
16. Trailing A Wing
17. Love Of Country
18. Ethel
19. Words Lost Meaning