【動画連動】イギリスのハンドメイド・ペダル・ブランド、Flattley Guitar Pedalsの代表機種3台を鷲山和希(Suspended 4th)が試奏! 【動画連動】イギリスのハンドメイド・ペダル・ブランド、Flattley Guitar Pedalsの代表機種3台を鷲山和希(Suspended 4th)が試奏!

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【動画連動】イギリスのハンドメイド・ペダル・ブランド、Flattley Guitar Pedalsの代表機種3台を鷲山和希(Suspended 4th)が試奏!

2016年に設立されたイギリスのペダル・ブランド、Flattley Guitar Pedals。30年以上にわたって航空電子機器業界でキャリアを積んだポール・フラットリー氏による設計のペダルはすべてハンドメイドで組み立てられており、高品質なサウンドとユニークなルックスで今注目を集めている。今回、Suspended 4thの鷲山和希を試奏者に迎え、ブランドの代表モデルであるオーバードライブ、ファズ、ワウの3機種を徹底チェックしてもらった。

取材・文=編集部 人物撮影=山下陽子 機材撮影=星野俊

Flattley Guitar Pedals
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鷲山和希(Suspended 4th)

Centurion

Flattley Guitar Pedals / Centurion

オーバードライブの名機を
Flattley Guitar Pedals流に解釈

Centurionというモデル名でピンときた方も多いと思うが、本機は90年代にアメリカで生まれた3ノブのハンドメイド・オーバードライブの名機をFlattley Guitar Pedals流に解釈したトランスペアレント系の歪み。本家と同様バッファード・バイパスを採用しており、エフェクト・オフ時でも積極的な音色変化をもたらす。

歪み量の幅は広く、クリーン・ブーストからクランチ、単体でのオーバードライブなど使い方は様々。歪んだアンプをプッシュするブースターとしても活躍してくれるほか、メインのオーバードライブ、ディストーション、ファズなどの前段に本機を置き、“ここぞ!”という場面で音をもう一段階持ち上げるスタック的な使い方も推奨されている。

Flattley Guitar Pedals / Centurion

Flattley Guitar Pedalsのペダルはオンにするとフット・スイッチのLEDが光り、オン/オフの視認性が優れているのも特徴の1つ。そしてインパクト大の塗装はすべて手作業で行なわれている。アルミニウム筐体の研磨、ベース・コート/ベース・カラー/クリア・カラーの塗布、ハイドロディッピング、3層のラッカー塗装など、長い工程を経て光沢のあるペイントを実現した。

Flattley Guitar Pedals / Centurion

Flattley Guitar Pedals
Centurion

【Specifications】
●コントロール:Gain、Treble、Volume
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法:120(W)× 94(D)× 30(H)mm
●電源:DC9Vセンター・マイナス・アダプター

【参考価格】
39,800円(税込)

【問い合わせ】
サウンドハウス https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356407/

Washiyama’s Impression

Flattley Guitar Pedals / Centurion

あんまり聴いたことのない
新しいレンジ感だと思いました。

まずは全部のノブを12時方向にしたら製作者の意図が伝わりました。Gainは1時方向くらいで歪ませるとちょうどよくて、Trebleは12時くらいから効き始める。12時よりも少しプッシュしたほうがペダルのキャラが出るという感じですね。

音の“下半身の部分”のローは雑味があってビンテージっぽくて、“上半身の部分”のハイや倍音の部分はモダンなイメージ。下半身はCentaur系ですけど、上半身はあんまり聴いたことのない新しいレンジ感だと思いました。Trebleを上げれば上げるほど現代の音楽にアジャストできそうな感じで、下げれば古めのロックに合いそうです。

トランスペアレント系の歪みって良い意味でローが暴れるというか、巻弦のニュアンスが凄く出るイメージがあって、これはそのバイト感が再現されている印象でしたね。けっこう雑に弾いてもローが出てフレーズがまとまる感じがあって、それが良かったです。

もし自分がこのペダルを使うんだったら、ボードの先頭に置いて踏みっぱなしにして、うしろのペダルやアンプの歪みでゲインを稼ぎます。オフにするとキャラクターが変わるので、アンプのチャンネルを変えるようなニュアンスで使えそうですね。

Solaris Pro

Flattley Guitar Pedals / Solaris Pro

プレイヤーの表現をサポートする
“手間のかからないファズ”

シンプルでありながら、いくつかのパターンのトーンを作り出せるように、“Fuzz Without Fuss(手間のかからないファズ)”を目指して開発されたブースト・スイッチ付きのファズ、Solaris Pro。

このようなコンセプトのため、もともとノブはVolumeとToneのみで、ゲインは最大にプリセットされており、ギター本体のボリューム操作でクリーン〜ファズまでコントロールすることを想定していたとのこと。しかしライブ・ユースを考え、ゲイン量を操作できるSustainノブとブースト・スイッチが追加された。

ブースト・スイッチがオフの状態ではスムースなファズ・サウンドが楽しめる一方、スイッチをオンにするとサステインが少なめのアグレッシブなトーンに変化する。

Flattley Guitar Pedals / Solaris Pro

Flattley Guitar Pedals
Solaris Pro

【Specifications】
●コントロール:Volume、Sustain、Tone、Boostスイッチ
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法:119(W)× 94(D)× 30(H)mm
●電源:DC9Vセンター・マイナス・アダプター

【参考価格】
39,800円(税込)

【問い合わせ】
サウンドハウス https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356410/

Washiyama’s Impression

Toneノブは低音と高音のタイム感を
変えるという印象。

音を出してみて、サイケデリックなサウンドというか、このペイントそのままのバイブスを感じました。Sustainノブは上げれば上げるほど良いという印象(笑)。ノブを上げていっても歪みの質感は変わらないけど、伸びというか、文字どおりサステインが出てくる。フィードバックしつつ、ニュアンスも出せるポジションを見つけられるんじゃないかなと思います。

Toneノブは低音と高音のタイム感を変えるというイメージがあって、上げると低音が遅れてくる感じですね。逆に下げると低音が前に出て、高音がちょっと遅れてくる。ギター側のトーンもかなり効くので、ローをプッシュしたい時はギターのトーンを下げるのもいいかもしれないです。そういうところでバリエーションが出せるなと思いました。

ブースト・スイッチは凄く面白いですね。オフだと“グシャッ”としていてグランジやサイケな音ですけど、オンにするとローが若干タイトになって音程が聴き取りやすくなる。ディストーションに近くなる印象ですね。ブーストというよりかは、歪みの質感を変えるスイッチなのかなと思いました。音の幅の広さがこのペダルの売りだと思うんですけど、それをこのスイッチから感じたというか。

The Flattley Wah “Oil Slick”

Flattley Guitar Pedals / The Flattley Wah "Oil Slick"

クラシック・ワウ好きを納得させた
ビンテージ・サウンド

複数台のビンテージ・ワウのサウンドを研究し、さらにクラシック・スタイルのワウを愛するユーザーからのテストを経て完成した、The Flattley Wah “Oil Slick”。“Twin T Resonant Filter”と呼ばれるオールド・スタイルのフィルターを採用していることからも、60年代のワウへの情熱がうかがえる。

ハンド・ペイントによるド派手なマーブル塗装も目を引くが、ワウをオンにすると筐体底面に仕込まれたLEDプレートが青く光るという、なんとも斬新なデザインが魅力。

サウンドはタイトかつ明瞭で、クラシック・ロックで聴けるような歪みとの相性はもちろん、ソウルやファンク系のクリーン・トーンでも存在感のあるトーンを生み出してくれる。

Flattley Guitar Pedals / The Flattley Wah "Oil Slick"

Flattley Guitar Pedals
The Flattley Wah “Oil Slick”

【Specifications】
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法:245(W)× 100(D)× 77(H)mm
●電源:9V電池、DC9Vセンター・マイナス・アダプター

【参考価格】
49,800円(税込)

【問い合わせ】
サウンドハウス https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356411/

Washiyama’s Impression

音が抜けすぎないし、
耳に痛いところがなさそう。

あんまり弾いたことのない感じでした。現行ワウの中ではかなり渋いトーンだと思います。最初にペダルをつま先側に踏み込んで弾いてみたんですけど、原音っぽい音が出たんですよ。もちろんピーキーな部分はあるんですけど、マイルドにかかるので、従来のワウみたいにフレーズとして使えなくなる音ではない。だからEQみたいな印象でしたね。見た目的にもっとエグいQのキツさがあると思ったんですけど、まろやかでした。

現行のワウってカーブがたっぷり効くものが多いと思うんですけど、このワウのカーブは一癖あって、つま先側に踏み込んだところと、少しかかと側に戻したところに、車のブレーキの余白みたいなものが若干ある。なので、ペダルを踏み切らないところでチャカポコすると合いますね。カーブがゆるやかなので音が抜けすぎないし、耳に痛いところがなさそうなんですよ。それが良いなと思いました。

ビンテージのワウもEQ的なアプローチができるものが多いので、自分ならこれをEQ的に使います。ワウの後段にディストーションを置いて、ギター・ソロとかで半止めサウンドにすれば良い感じにプッシュできそうですね。

Total Impression

鷲山和希

ルーツがわかるんですけど、
それでいて一癖、二癖あるんですよ。

まずはFlattley Guitar Pedalsの3モデルを弾いた感想を教えて下さい。

“個性的なブランドだな”というのが第一印象でした。パッと見はエグい感じでシチュエーションを選ぶペダルなのかなと思っていたんですけど、どれもオールマイティに使えるし、自分の武器にできるというのが弾いてみた感想です。けっこう渋い個性を持っているなと思いました。

たしかに、筐体のペイントだけを見ると個性が凄く強いのかなと思うかもしれませんが、この3モデルはクラシックなサウンドに一工夫足されている感じでしたよね。

土台がしっかしりている音が好きな人にはハマるんじゃないかなと思います。

モダンとビンテージ、どちらの良さもありましたか?

そうですね。“モダンやビンテージにこだわらない”というステップにいる人たちは、ここから入っていくと新しい音に出会えるんじゃないかな。

ほかのFlattley Guitar Pedalsのペダルも試してみたいと思いましたか?

今回の3モデルはルーツがわかるんですけど、それでいて一癖、二癖あるんですよ。どういうテーマでペダルを作っているのかが未知数のブランドなので、ほかのものも弾いてみたいですね。

歪みペダルがけっこう多いんですよ。

そうなんですね。じゃあ今回の試奏だけでは振り幅が伝わりきらなかったというか(笑)。でも方向性は伝わったかなと思います。まだ日本ではあまり浸透していないブランドなので、今後みんながどうやって使っていくか要注目。それが楽しみですね。

<Profile>
鷲山和希

わしやま・かずき◎1995年生まれ。4人組ロック・バンド、Suspended 4thのギター・ボーカル。バンドの愛称は“サスフォー”。2014年から名古屋での路上などでライブ活動を行なう。ストリート・パフォーマンスが人気を集め、PIZZA OF DEATH RECORDSから1stミニ・アルバム『GIANTSTAMP』をリリース。現時点での最新作は、2024年11月にリリースされた2ndミニ・アルバム『STORMED』。

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