青木征洋/Godspeedによる、ギタリストのためのオーディオ・インターフェースのレビュー。このページではMOTUのM2を紹介!
解説&試奏=青木征洋/Godspeed 撮影=星野俊
*本記事は、ギター・マガジ2025年11月号に掲載した「来たれ宅録入門者! ギタリストのためのオーディオ・インターフェース・マニュアル」の一部を抜粋し、再構成したものです。
MOTU
M2
多彩な入出力を備えるほか
最速のレイテンシー&視認性を実現


AOKI’s IMPRESSION

バランス良く上まで見通せるキレイな音だと思いました。
MOTU(Mark Of The Unicorn)は1980年にアメリカ・マサチューセッツ州で設立されたメーカーで、DAW/DTM黎明期より828などを筆頭に数々の名機と言われるオーディオ・インターフェースを生み出してきました。
M2は同価格帯の他社製品と比較した時に音質、レイテンシーの短さ、メータリングの容易さに特化していることが謳われています。特に音質に関しては、ESS社のSabre DACチップが使われており、数十万円クラスのオーディオ・インターフェースと同レベルの品質だと言われています。ESS Sabreと言えば、最近Neural DSPのQuad Cortexに採用されたことでもギタリストには有名ですね。マイクプリの音質についてはバランス良く上まで見通せるキレイな音だと思いました。
レイテンシーについてはドライバーの品質が現われる部分ですが、96kHzでバッファ・サイズを32サンプルにした時に、入力から出力までの往復が2.5msecと爆速とのこと。実際Nuendo上で96kHzの32サンプルに設定してみたところ、レイテンシーが入出力ともに0.750msecという見たことのない低い数値を叩き出しました! ダイレクト・モニタリング中心であれば気にしなくてもいいですが、ボーカルやアコギの録音でモニター・エフェクトをかけたい場合に非常に助かるでしょう。
入力感度がとても低いため、プラグインのシミュレーターを使う場合は適宜GAINを上げながら使うと弾きやすいのではないかと思います。
ループバック機能がついているのはもちろんのこと、RCAピン出力があるのも珍しいポイントですね。さらにMIDIの入出力もあるので、“あれがつながらない!”と困ることが少なくて良さそうです。

MOTU
M2
【スペック】
●アナログ入力:マイク/ライン/楽器(Hi-Z)入力×2(XLR/TRSフォーン・コンボ)
●アナログ出力:ライン出力×2(TRSフォーン)、モニター出力×2(RCAピン)
●MIDI入出力:1イン/1アウト
●ヘッドフォン出力:ステレオ・フォーン
●接続: USB-C
●ビット/サンプリング・レート:最大24ビット/192kHz
●付属品:USB-Cケーブル
●外形寸法:210(W)×58(H)×136(D)mm
●重量:900g
【動作環境】
●Mac:Mac OS 10.11以降
●Windows:Windows 7以降
●Smartphone:iOS 9以降
【付属DAW/プラグイン】
●DAW:Performer Lite、Ableton Live Lite
●プラグイン: Big Fish Audio/Lucidsamples/Loopmasters(サンプル・パック)
【価格】
35,970円(税込)
【問い合わせ】
ハイ・リゾリューション https://h-resolution.com/