青木征洋/Godspeedによる、ギタリストのためのオーディオ・インターフェースのレビュー。このページではUniversal AudioのVOLT 176を紹介!
解説&試奏=青木征洋/Godspeed 撮影=星野俊
*本記事は、ギター・マガジ2025年11月号に掲載した「来たれ宅録入門者! ギタリストのためのオーディオ・インターフェース・マニュアル」の一部を抜粋し、再構成したものです。
Universal Audio
VOLT 176
アナログ・コンプレッサー搭載
シンプルな設計と操作性のオーディオI/O


AOKI’s IMPRESSION

買ってきてすぐにシミュレーターでの演奏を楽しめる。
Universal Audioは1958年にアメリカのシカゴで設立されたメーカーで、1176やLA-2A、610といった数々の伝説的なスタジオ・ギアを生み出してきました。また、UADプラグインはアナログ・ギアの数々をプラグイン・エフェクトの形で忠実に再現し、現在では世界中のクリエイターやスタジオに愛されています。
そんなUniversal Audioのエントリー向けオーディオ・インターフェースがVOLTで、本モデルVOLT 176は1in/2outの最小構成でありながら、610プリアンプのようなキャラクターを付与したり、1176のようなコンプレッサーをかけることができる上位バージョンです。
接続はUSB-Cケーブル1本で、バス・パワー駆動でMIDIケーブルもつながります。上位機種のapolloのようなユーティリティ・アプリはなく、本体操作のみですべての機能にアクセスできます。
マイクプリの音は目立った問題点もなく素直なサウンドですが、Vintageボタンを押すとちょっとしたギラつきが加わってディテールがよく見えるようになり、モニターとしても録り音として気持ちの良い音になります。
76コンプレッサーには3つの設定がプリセットされており、用途に応じて適切なプリセットを選ぶだけで音がまとまって聴きやすくなります。いずれもデジタル・エフェクトではなくアナログ回路によって再現されており、マイク、ライン、インストゥルメントいずれの入力に対してもかかります。
UADのネイティブ・エフェクトがいくつか付属するほか、ギター・アンプやベース・アンプのプラグインもついてくるので、買ってきてすぐにシミュレーターでの演奏を楽しむことができます。DAWはLUNAだけでなくLive Liteも付属しており、録音や音楽制作に手を出してみたい時も安心です。

Universal Audio
VOLT 176
【スペック】
●アナログ入力:マイク/ライン/楽器(Hi-Z)入力(XLR/TRSフォーン・コンボ)
●アナログ出力:モニター出力×2(TRSフォーン)
●MIDI入出力:1イン/1アウト
●ヘッドフォン出力:ステレオ・フォーン
●接続: USB-C
●ビット/サンプリング・レート:最大24ビット/192kHz
●付属品:USB-C to USB-Aケーブル
●外形寸法:150(W)×65(H)×130(D)mm●重量:650g
【動作環境】
●Mac:Mac OS 11以降
●Windows:Windows 10、11(64ビット)
●Smartphone:iOS/iPad OS 16以降
【付属DAW/プラグイン】
●DAW:Ableton Live Lite、LUNA
●プラグイン: PolyMAX Synth(シンセサイザー)、Century Tube Channel Strip(プリアンプ/EQ/コンプレッサー)、Pultec Passive EQ Collection(EQ)、Teletronix LA-2A Classic Leveler Collection(コンプレッサー)、Galaxy Tape Echo(ディレイ)、Pure Plate Reverb/LX480 Essentials(リバーブ)、Softube Marchall Plexi Classic Amp Bundle(アンプ・シミュレーター)、Oxide Tape Recorder/Verve Analog Machines Essentials(テープ・シミュレーター)、Melodyne Essential(ピッチ/タイミング補正)、Ampeg® SVT-VR Classic Bass Bundle(ベース・アンプ・シミュレーター)、Spitfire Audio LABS(ソフト音源)、UJAM Virtual Bassist DANDY(ベース音源)、UJAM Virtual Drummer DEEP (ドラム音源)
【価格】
33,000円(税込)
【問い合わせ】
フックアップ TEL:03-6240-1213 http://www.hookup.co.jp