ギター初心者におくる、ギター・エフェクターの基礎知識100連発! 意外と知らない、今さら聞けない、そんな時のペダル辞典としてもご活用あれ!
文=今西勇仁(Limetone Audio)
第9回:コンプレッサーってどんなエフェクター?
コンプレッサー、略して“コンプ”とも呼ばれるのですが、初心者のうちはなかなか効果がわかりづらいエフェクターです。でも音作りを行なううえで、とても大切なものなんです! 何をやっているエフェクターかというと、音量をリアルタイムで調整してくれる、という感じです。
演奏中に“一定の音量”を超えた場合、その音の音量を少し下げてくれます。そしてその“一定の音量”に満たない小さな音は、そのまま変化させずに通します。これによって何が起きるかというと、フレーズを弾く中での音量差が小さくなります。音量差がなくなることによって、全体の音量を上げることもでき、そうすると今まで聴こえづらかった小さめの音もよく聴こえてきます。
具体例を挙げると、カッティングのフレーズを演奏した時に、それまで聴こえづらかったブラッシング部分の音が良く聴こえるようになります(音符部分にのみコンプがかかり、それ以外の音はかからないので、相対的にブラッシングなどの音が前に出てくる)。
これによってフレーズ自体の聴こえ方も変わりますし、それによってプレイヤーも演奏しやすくなり、さらにフレーズにグルーヴが生まれ、相乗効果でどんどんかっこいいフレーズになっていきます。アルペジオなどもとても弾きやすくなるので、クリーンと組み合わせて使う方も多いです。
音作りの一環として、サウンドのクオリティ・アップとして導入すると、とても威力を発揮してくれるエフェクターです。


著者プロフィール
今西勇仁(いまにし・ゆうじん)
ギタリスト/サウンド・エンジニア。エフェクター・ブランド、Limetone Audioのサウンド・デザイナー。 “サンレコ・ミックス・ダウン・コンテスト2006”に入賞し、その後多くのミュージシャンの楽曲のミックスを手がける。また、自身もギタリストとして、アーティストのサポート活動や、レコーディングに参加。並行してプロミュージシャン向けの機材の開発、モディファイを行なう。 2017年に開催された、“第4回エフェクタービルダーズ・コンテスト”(主催:TOKYO EFFECTOR)での優勝を機にLimetone Audioを設立。プレイヤー目線での商品開発、設計を行ない、現在多くのプロの現場で使用されている。各種製品は全国の楽器店で販売中。 2020年よりYouTubeチャンネルをスタート。メーカーの枠にとらわれずに、エフェクターや機材の楽しみ方を皆さまにお伝えします。
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