ギター初心者におくる、ギター・エフェクターの基礎知識100連発! 意外と知らない、今さら聞けない、そんな時のペダル辞典としてもご活用あれ!
文=今西勇仁(Limetone Audio)
第10回:フィルターってどんなエフェクター?
フィルターはなかなか馴染みがないエフェクトの部類かもしれませんね。マルチ・エフェクターなどでは“フィルター”として分類されている場合もありますが、“ひと言で説明してよ!”と言われると、“えっとねぇ……”と一瞬考えされられる方も多いのではないでしょうか。
簡単にお伝えすると、フィルターとは、通すと音が“周波数的に”変化するエフェクターのことをいいます。例えば“ローパス・フィルター”というと、ロー(低音)だけをパスする(通過させる)ので、高域がカットされてモコモコとした音になります。ハイ・カットとも言います。
逆に“ハイパス・フィルター”は高域だけを通過させるので、細くて特徴的な音になります。フィルター系エフェクターはこういった“特徴的な音を作る”というものが多く、“え、そんな音になるの!?”という、ある意味で飛び道具的なものが多いです。
中には“エンベロープ・フィルター”という、入力された音の音量によって効果(エフェクトのかかり方)が変わるものもあり、これを使用すると演奏の表現を広げてくれます。空間系との相性も良く、フィルター+ディレイやリバーブなどで独特の世界観を演出することも可能です。
“ワウ・ペダル”もこのフィルターの一種であり、演奏に合わせて自動的にワウの効果を追加する“オート・ワウ”もフィルター系に位置づけられます。製品によっては歪むもの、シンセ系の音がするものなど、色々な要素を取り込んでいるペダルも多くありますので、それが冒頭にお伝えした“説明がひと言でしづらい!”というところにつながっているように思います。
マルチ・エフェクターをお持ちの方は、“フィルター”というカテゴリーがあれば、“どんな音がするんだろう?”という感じで、ぜひ色々試してみていただければと思います!



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著者プロフィール
今西勇仁(いまにし・ゆうじん)
ギタリスト/サウンド・エンジニア。エフェクター・ブランド、Limetone Audioのサウンド・デザイナー。 “サンレコ・ミックス・ダウン・コンテスト2006”に入賞し、その後多くのミュージシャンの楽曲のミックスを手がける。また、自身もギタリストとして、アーティストのサポート活動や、レコーディングに参加。並行してプロミュージシャン向けの機材の開発、モディファイを行なう。 2017年に開催された、“第4回エフェクタービルダーズ・コンテスト”(主催:TOKYO EFFECTOR)での優勝を機にLimetone Audioを設立。プレイヤー目線での商品開発、設計を行ない、現在多くのプロの現場で使用されている。各種製品は全国の楽器店で販売中。 2020年よりYouTubeチャンネルをスタート。メーカーの枠にとらわれずに、エフェクターや機材の楽しみ方を皆さまにお伝えします。
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