BAND-MAIDのKANAMIが新作EP『SCOOOOOP』と“お給仕”で使用した機材 BAND-MAIDのKANAMIが新作EP『SCOOOOOP』と“お給仕”で使用した機材

BAND-MAIDのKANAMIが新作EP『SCOOOOOP』と“お給仕”で使用した機材

メイド姿でかき鳴らす唯一無二のハードロック・サウンドが、世界中のオーディエンスを魅了するBAND-MAID。このたび、TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』のタイアップ曲「Ready to Rock」をはじめ、充実の全8曲を収録したEP『SCOOOOOP』をドロップした。ここでは、その新作EPのレコーディングや、最近の“お給仕”(ライブ)でKANAMI(g)が使用した機材を、本人のコメントも交えて紹介しよう。

取材・文=冬将軍 撮影=鈴木千佳
※本記事はギター・マガジン2025年12月号に掲載した「INTERVIEW&GEAR KANAMI(BAND-MAID)」の一部を抜粋したものです。

KANAMI’s Guitars

Paul Reed Smith
KANAMI Limited Edition

Paul Reed Smith/KANAMI Limited Edition(前面)
Paul Reed Smith/KANAMI Limited Edition(背面)

新作EPの『SCOOOOOP』では、おもにリード・パートで使用されたメイン器。

PRSの日本人初となるシグネチャー・モデルで、ボディはトランパス・グリーン・スモークバーストのメイプル・トップにマホガニーの組み合わせ。エボニー指板には流麗なブラッシュストローク・バード・インレイが施され、BAND-MAIDロゴ入りのトラスロッド・カバーもポイントだ。

ピックアップはリア、フロント共に“85/15”を搭載し、Custom 24-08と同じコイル・タップ・サーキットを採用。

“クリーンはシングルコイルで弾いたりしています。これはいただいたものですけど、もう1本自分で購入しました(笑)”とのこと。

マホガニー・ネックと漆黒のエボニー指板の組み合わせ。通常のバード・インレイとは異なり、スペシャルな“ブラッシュストローク・バード・インレイ”が施されているのもポイント。弦はErnie Ballの.010〜.046を愛用している。
マホガニー・ネックと漆黒のエボニー指板の組み合わせ。通常のバード・インレイとは異なり、スペシャルな“ブラッシュストローク・バード・インレイ”が施されているのもポイント。弦はErnie Ballの.010〜.046を愛用している。
Custom 24-08の仕様を踏襲したコントロール部。ボリュームとトーンのマスター・ノブ、3wayピックアップ・セレクター、2つの小さなトグル・スイッチはフロント&リアに搭載された“85/15”ピックアップのコイル・タップ用だ。
Custom 24-08の仕様を踏襲したコントロール部。ボリュームとトーンのマスター・ノブ、3wayピックアップ・セレクター、2つの小さなトグル・スイッチはフロント&リアに搭載された“85/15”ピックアップのコイル・タップ用だ。

Paul Reed Smith
Private Stock Custom 24-08

Paul Reed Smith/Private Stock Custom 24-08(前面)
Paul Reed Smith/Private Stock Custom 24-08(背面)

PRSの最上級ライン、Private Stockで製作されたKANAMIのオリジナル・モデル。2023年11月に目標の1つであった横浜アリーナでのお給仕を成功させた記念として本器をオーダーし、2024年6月に入手。

“材やデザインや仕様など、1つ1つ選びました”というこのスペックは、シグネチャー・モデルにも受け継がれている(本器のフィニッシュはダーティー・ブロンド)。

これらのギターのほかにも、35th Anniversary Custom 24やCustom 24-08 10Topを始め、数々のPRSギターを所有しており、“今作もPRS攻め攻めです!”と語ってくれた。

トラスロッド・カバーには“メイドのリボン”と“ハードロック”の両方をイメージしたBAND-MAIDのシンボル・マークを配置。デザイン面に関してもKANAMIのアイディアが盛り込まれており、自身で色を選んだこだわりのシェルが使用されている。
トラスロッド・カバーには“メイドのリボン”と“ハードロック”の両方をイメージしたBAND-MAIDのシンボル・マークを配置。デザイン面に関してもKANAMIのアイディアが盛り込まれており、自身で色を選んだこだわりのシェルが使用されている。
以前のメインであった35th Anniversary Custom 24の基本スペックを踏襲した本器。ピックアップも同じく“85/15”を搭載している。また、ハイ・ポジションの演奏性に関わる24フレット仕様も見逃せないポイントだ。
以前のメインであった35th Anniversary Custom 24の基本スペックを踏襲した本器。ピックアップも同じく“85/15”を搭載している。また、ハイ・ポジションの演奏性に関わる24フレット仕様も見逃せないポイントだ。

Signature Picks

ピック

Jim DunlopのJazz Ⅲよりひと回り大きいサイズ感のオリジナル・ピック。厚みは1.0mmで、“速いカッティングをする時は0.8mmを使います”と教えてくれた。

KANAMI’s Amplifier

Bogner
Ecstasy PANDORA

Bogner/Ecstasy PANDORA

Ecstasy 101Bの進化系である、3ch仕様のモダン・ハイゲイン・アンプ。目を引く“Kanami”ロゴは、ギター・テックが3Dプリンターで作ったもので、最初は本人ですら気づかなかったと言うほどに馴染んでいる。

レコーディングではこのPANDORAと、同社のUberschall、Mesa/BoogieのTriple Rectifierをおもに使用しており、加えて小鳩がライブで使用しているEVH 5150Ⅲ 100W HEADもたびたび拝借して使用しているそうだ。

ライブではこれまでMesa/Boogieを使用することが多かったが、最近では本機がメインとして活躍している。

KANAMI’s Pedalboard

ペダルボード

【Pedal List】
①Morley / Steve Vai Bad Horsie 2(ワウ)
②FREE THE TONE / LB-2(ループ・ボックス)
③DigiTech / Drop(ピッチ・シフター/半音下げ用)
④DigiTech / Drop(ピッチ・シフター/全音下げ用)
⑤FREE THE TONE / ARC-3(プログラマブル・スイッチャー)
⑥Pete Cornish / OC-1(コンプレッサー)
⑦Xotic / EP Booster(ブースター)
⑧Friedman / BUXOM BOOST(ブースター)
⑨Effects Bakery / Choco Cornet EQ(イコライザー)
⑩VEMURAM / Jan Ray(オーバードライブ)
⑪FREE THE TONE / IG-1N(ノイズ・ゲート)
⑫Eventide / H9(マルチ・エフェクター)
⑬FREE THE TONE / FT-2Y(ディレイ)
⑭Shin’s Music / Baby Perfect Volume Standard(ボリューム・ペダル)
⑮Eventide / TimeFactor(ディレイ)
⑯FREE THE TONE / JB-82S(ジャンクション・ボックス/④の下に配置)
⑰KORG / Pitchblack X(チューナー)
⑱FREE THE TONE / PT-1D(パワー・サプライ)
⑲FREE THE TONE / PT-3D(パワー・サプライ)

ライブではステージ袖に設置されたラック・システムも併用しているが、今回は足下のペダルボードを紹介しよう。

ギターからの信号は、①Bad Horsieから②LB-2(③④のDropを含む)を経由して、⑤ARC-3へ。

⑤ARC-3のLoop 1〜8は、それぞれ⑥〜⑬のペダルに対応しており、アウトから⑭Baby Perfect Volume、⑯JB-82Sを通り、アンプへ向かう流れだ。

⑮TimeFactorのみ⑤ARC-にループされておらず、⑯JB-82Sを経由してアンプのセンド/リターンに接続されている。

このボードは⑤ARC-3を軸に構成されているのが特徴だが、アンプについてもMIDI信号で3チャンネル(クリーン、歪み、ソロ用の歪み)の切り替えが可能で、場面ごとに自身の足下で操作を行なっている。

ゲイン量の多い楽曲を演奏するにあたって、⑪IG-1Nにもこだわっており、“これはすごく優秀で音痩せしない”と語ってくれた。

『SCOOOOOP』BAND-MAID

『SCOOOOOP』
BAND-MAID

ポニーキャニオン
PCCA-06427
2025年10月22日発売

―Track List―

M-1 : Present Perfect
M-2 : Ready to Rock
M-3 : What is justice?
M-4 : SUPER SUNSHINE
M-5 : SION
M-6 : Dilly-Dally
M-7 : Zen
M-8 : Lock and Load